「ご遺体」と「いのち」の捉え方の違い
『葬送の仕事師たち』井上理津子著 新潮社
ずっと疑問に思っていたことというのは、米国を舞台にした映画でよく見る、
病院で家族を看取った人が、そのまま病院を後にするシーン。
病院で家族を看取った人が、そのまま病院を後にするシーン。
え? 遺体はどうするの?
そんなシーンを見るたびに、思っていた。
その疑問に答えてくれたのは、以下の下り。
次は、著者による地の文。
なお、欧米には、骨上げの習慣がない。遺族は遺体を火葬場に運ぶと、帰宅する。遺体は、火葬場の都合の良い時間に火葬され、遺族は2~3日後に「灰」を受け取る。「遺骨」を和英辞典で引くと、「somebody's remains」「somebody's (funeral) ashes」。遺骨にこだわるのは、日本ならではのようだ。
(p.207)
(p.207)
生命とも命とも違う「いのち」―-。