ネバダ州最高裁、米国神経学会の脳死基準の合法性に疑問

2015年10月21日のメモで拾った
Aden Hailuさんの脳死診断の妥当性をめぐる米ネバダ州の裁判。

なんだか、面白いことになっているみたい。

Aden Hailuさん(20)は今年5月28日に
St. Mary’s Regional Medical Centerの医師によって脳死と診断されたが
代理人がそれを認めず、6月に裁判に。

その間、Hailuさんには生命維持が続けられている。

7月30日、地方裁判所は病院側の言い分を認めた。その根拠は
(1) 医師らは米国神経学会のガイドラインに従って診断した。
(2) 脳死の基準が満たされていた。

ところが、このたび、最高裁
単にSt. Maryの医師らが米国神経学会(AAN)のガイドラインに従ったかどうかだけではなく、
AANのガイドラインネバダ州法の死の基準を満たしているかを問題とし、
地方裁の判決を覆した。

すなわち、地方裁は以下を検討していない、と指摘。
(1) AANのガイドラインは医学的基準として受容されているかどうか。
(2) AANのガイドラインは脳全体のすべての機能の不可逆的停止を測っているかどうか。

さらに最高裁
AANのガイドラインが州法の文言を十分に満足させていない可能性があるとの
法律や医学の専門家の証言も挙げた。

ネバダ州の最高裁は、米国で広く採用されている脳死基準に
強い疑問を呈したこととなり、医師、病院、家族や患者への影響は必至。

Nevada Supreme Court Questions Brain Death Standards
Medical Futility Blog, November 16, 2015


【2016年1月7日追記】
Hailuさん、4日月曜日に心臓が止まって亡くなりました。
http://www.reviewjournal.com/news/nevada/woman-center-brain-death-case-dies-reno