2018-01-01から1年間の記事一覧

NM州のPAS合法化法案は「遠隔医療」含め、州民限定せず

12月20日にニューメキシコ州議会に新たに医師幇助自殺合法化法案が提出されたが、 その法案について、反対派のアレックス・シャデンバーグから telehealth(インターネットを使った遠隔医療)が含まれている、 州民限定の項目を欠いているとの2点により、 …

A・オーウェン『生存する意識 植物状態の患者と対話する』

10月14日のエントリーで紹介した A・Owenの訳書『生存する意識 植物状態の患者と対話する』を図書館で借りて読んだ。 Owenについては、10年前に興味を引かれて以来 ずっと目についた記事を拾い読みしてきたのだけれど、 その仕事の大筋については正しく追え…

【お知らせ】第2回ケアラー支援講演会 in 広島 「ケアする人をケアするために」

第2回ケアラー支援講演会 in 広島 「ケアする人をケアするために」 With素人介護劇団はぴねす座旗揚げ公演 さまざまな立場のケアラー(家族など無償の介護者)が、率直な思いを、いま語り始めています。 なぜケアする人への支援が必要なのでしょう。どのよう…

Noel Conway訴訟、上訴を棄却

https://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/noel-conway-latest-assisted-suicide-terminally-ill-supreme-court-uk-appeal-challenge-a8654751.html

Byrne医師「無呼吸テストはどこまでも拒否を」

マクマス事件など、 重度意識障害者の意識のあり方について積極的に発言してきたPaul A. Byrne医師、 親に「脳死判定の無呼吸テストはどこまでも拒否しろ」と http://medicalfutility.blogspot.com/2018/11/brain-death-no-no-no-to-apnea-test.html Byrne医…

幹細胞から作成した脳組織(オルガノイド)を使った実験の倫理問題

https://www.bioedge.org/bioethics/the-need-for-ethical-oversight-of-brain-organoid-research/12911 https://theconversation.com/fresh-urgency-in-mapping-out-ethics-of-brain-organoid-research-107186 幹細胞から作られた脳組織(オルガノイド)を…

ゆがんだ欲望満たすため、精子ドナーとして200人の父親となったオランダ人男性

https://www.bioedge.org/bioethics/meet-the-father-of-one-thousand-kids/12905 https://www.theguardian.com/science/2018/nov/24/sperm-donor-man-who-fathered-200-children

ベルギーで合法化以来初。自閉症の女性の安楽死をめぐり3人の医師に罪状認否

https://www.bioedge.org/bioethics/belgian-first-doctors-to-stand-trial-for-violating-euthanasia-law/12907 https://www.google.com/url?rct=j&sa=t&url=https://www.dailymail.co.uk/news/article-6425417/Doctors-allowed-woman-lethal-injection-fac…

事前指示で安楽死できないから早めに死ななければならない……と法改正を訴えて安楽死(カナダ)

Audrey Parkerさん。57歳。 カナダ、Harifax在住。 乳がんが骨と脳に転移している。 苦痛が耐え難くなる前に自分の思うような死に方をしたいと考えて、MAiDを希望した。 が、問題は、法律の要件を満たすためには、 安楽死の要請をする際と、いざ致死薬が投与…

スイスで医師幇助自殺遂げた夫に、妻の慙愧(英)

科学とテクノロジーの進歩と相まって広がっていくパーソン論的な思考や優生思想、 安楽死や自殺幇助、無益な治療論の議論を追いかけてくる中で、 最も気になっていたことの一つが、 人が「能力の総和」であるバラバラの個体と捉えられていくこと。 人はもっ…

ポテト ②

ポテト(2012/3/4) の続編のような オモロイ場面が先週あったので。 海を連れて、いつものショッピングモールに行った。 フードコートの海鮮丼かオムライスかハンバーグなら、そのまま食べられる。 フードコートなら、少々騒いでも気兼ねもない。 今回は、海…

【ご挨拶】勝手ながら、年賀状をやめることにしました

夫が9月末をもって、長年勤めてきた会社を退職いたしました。 いよいよ年金生活に突入しますので、 これを機に、来年から年賀状をやめることにしました。 皆さまには、たいへん失礼をいたしますが、 どうぞお許しいただきますよう、よろしくお願いいたします…

【お知らせ】1月13日グローバル・ジャスティス研究会(京都)でお話しさせていただきます

グローバル・ジャスティス研究会 1月の企画 「死の自己決定権のゆくえ~終末期医療と尊厳死法案」 2019年1月13日(日) 13:30~16:00頃(終了後、同会場で交流会有り) ひと・まち交流館京都 第5会議室(3階) 京都市下京区西木屋町通上ノ口上る梅湊町83番地の1 (河原町五…

オランダで合法化以来初めて、認知症患者に安楽死を行った医師を起訴へ

以下のエントリーで紹介したケースが オランダの2002年の安楽死合法化以来初めて、 安楽死を実施した医師が訴追される事例に。 オランダで認知症の女性に医師が睡眠薬を盛り、死にたくないと抵抗されると家族に押さえつけさせて安楽死(2017/2/3) 軽症の…

A・オーウェン医師の著書『生存する意識』

まさに「待ってました!」の必読書だとは思うのだけど、 高いなぁ……。 『生存する意識』エイドリアン・オーウェン著 柴田裕之翻訳 2018年9月19日 養老孟子による書評 ↓ https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181014-00002637-allreview-life アマゾンの内容…

カナダ、トロントの子ども病院が子どもの安楽死に向けた準備に着手

近く合法化されることをにらみ。 https://nationalpost.com/health/sick-kids-preparing-policy-for-euthanasia-for-youth-over-18-that-could-one-day-apply-to-minors https://www.ctvnews.ca/health/sickkids-grapples-with-medically-assisted-dying-1.4…

米国家庭医学会がphysician-assisted suicide の呼称を拒否し、MAiDへのスタンスを中立に変更。

https://www.prnewswire.com/news-releases/american-academy-of-family-physicians-adopts-new-position-of-engaged-neutrality-on-medical-aid-in-dying-300728230.html https://www.dailysignal.com/2018/10/11/family-physicians-association-breaks-ran…

世界医師会は安楽死への反対スタンス堅持、カナダ医師会は脱退

https://www.bioedge.org/bioethics/canadians-and-dutch-fail-to-shift-world-medical-association-opposition-to-e/12842 BioEdgeのニュースレターによると、 アイスランドのレイキャビックで開催された世界医師会年次大会で、 カナダ医師会が脱退したとの…

藤井克徳著『私で最後にして: ナチスの障害者虐殺と優生思想』

『私で最後にして:ナチスの障害者虐殺と優生思想』 藤井克徳著 合同出版 アマゾンの内容紹介 「こんな死に方、わたしで最後にして」というガス室からのうめきは、今を生きる私たちへの真摯なメッセージです。ナチスは、「T4作戦」というかたちで、大量の障…

ケベック州の医師ら高率で「認知症末期なら自己決定なくても安楽死に」

https://www.bioedge.org/bioethics/most-quebec-doctors-in-survey-favour-euthanasia-for-demented-patients/12813 Physicians favoured continuous deep sedation over euthanasia for relieving suffering if patients were in an advanced stage of can…

米の13歳、14歳の性同一性障害者が両乳房切除 自己決定権は何歳から?

https://www.bioedge.org/bioethics/13-year-olds-given-mastectomies-at-california-clinic/12816

後継ぎが欲しい、と事故死した息子から採取した精子を冷凍保存、米国のクリニックで4つの受精卵を作って男児を選別し、代理母に孫を生んでもらった夫婦

https://www.bioedge.org/bioethics/british-grandparents-use-dead-sons-sperm-to-create-child/12815

カナダの医師とトゥルーグが臓器移植安楽死に向けた法改正を提言

https://www.bioedge.org/bioethics/amend-law-to-allow-organ-donor-euthanasia-say-canadian-doctors/12814 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1804276 カナダでは、合法化の半年後に 生命倫理学者から安楽死後臓器提供の提言が出ていた ↓ カナ…

サヴレスキュとウィルキンソンが重症小児をめぐる「無益」について新著

タイトルは Ethics, Conflict and Medical Treatment for Children - From Disagreement to Dissensus 出版社の当該サイトは ↓ https://www.elsevier.com/books/ethics-conflict-and-medical-treatment-for-children/wilkinson/978-0-7020-7781-4 Charly Gar…

米神経学会他から最小意識状態、植物状態の診断ガイドライン:誤診率4割指摘

https://www.prnewswire.com/news-releases/new-guideline-released-for-managing-vegetative-and-minimally-conscious-states-300694465.html the American Academy of Neurology the American Congress of Rehabilitation Medicine(ACRM) the National Ins…

肺がんスクリーニング開始時の「共同意思決定」ガイドライン、まったく遵守されておらず(JAMA)

Evaluating Shared Decision Making for Lung Cancer Screening Alison T. Brenner, PhD, MPH1,2; Teri L. Malo, PhD, MPH2; Marjorie Margolis, MSPH3; et al, JAMA, August 13, 2018 アブストラクトは以下。 Importance The US Preventive Services Task F…

地域医療ジャーナル「無益」シリーズ③:「無益な治療」を両親が望み続けたケース:「なぜ」への視点転換という希望

地域医療ジャーナル 2017年6月号 「「無益な治療」を両親が望み続けたケース:「なぜ」への視点転換という希望」 「無益な治療」を両親が望み続けたケース:「なぜ」への視点転換という希望 今年は2月号、5月号と「無益な治療」論を取り上げてきました。日本…

暴行の被害者は2週間後に生命維持引き上げで死亡……加害者は「殺人罪」有罪

うむぅ……。 こういう「すべり方」も出てきたかぁ……。 2010年、南ジョージアの陪審員が殺人罪で有罪にしたのは、 Bobby “Rex” Stribling。 彼は、市裁判所の判事だったGlenn Thomas Jr.の頭を 何度も(少なくとも15回は)特定されていない凶器で殴った。 被害…

American Journal of Bioethicsに、小児科の医師と親との係争解決の基準としての「最善の利益」と「危害原則」の検討

2007年の”アシュリー療法”論争当時、 Diekemaが説いていたのが、危害原則。 子どもの医療については 「最善の利益」の「利益」vs「危害」の比較考量ではなく、 危害の少ない選択肢を選ぶべきだ、と。 どうやら最近では「最善の利益」概念は既に役割を終えて…

地域医療ジャーナル「無益」シリーズ②:「無益な治療」論再考2 「医学的無益」と「分配(レーショニング)」

(「無益な治療」論再考1の続きです) 「無益な治療」論再考2:「医学的無益」と「分配(レーショニング)」 私が「重症障害児者からの一方的な治療の引き上げの正当化論」として機能する「無益な治療」論の存在を初めて知ったのは、10年も前のことでした…