2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「地域における知的・発達障害のある人々の医療」論文(2014)

以下のエントリーなど、 「医療における障害への偏見が死につながった」オンブズマンが改善を勧告(2009/3/31) オンブズマン報告書を読んでみた:知的障害者に対する医療ネグレクト(2009/3/31) Markのケース:知的障害者への偏見による医療過失 Martinのケー…

認知症リスクの高い人が「先制的自殺」をする自己決定権を尊重せよ、と米の生命倫理学者

前のエントリーで取り上げたNYTの記事にコメントで登場した Dena Davisの2013年の論文「アルツハイマー病と先制的自殺」の アブストラクトを読んでみました。 There is a flood of papers being published on new ways to diagnose Alzheimer disease (AD) b…

認知症の人にも事前指示書でVSED自殺を(米)

米国マサチューセッツ州在住のJerome Medalieさん(88)は 玄関脇のクローゼットに、事前指示書入りのケースを置いている。 そこには終末期になったら、心肺蘇生と人工呼吸器と経管栄養を拒否することに加えて、 アルツハイマー病など認知症になったら「通常の…

高齢者は入院時にスクリーニング&トリアージ、「余命1月なら他のサービスへどうぞ」?

豪、ニュー・サウス・ウェールズ大の研究者 Magnolia Cardona-Morrelらのチームが、 高齢者が病院に入院する際に、 30日以内に死ぬ確率の高い患者と、 12週間以内に死ぬ確率の高い患者を 識別するためのチェックリストを考案し、 BMJ Supportive & Palliativ…

今日のボケ: お通夜

昨日は、午前中にちょっと気の重いヤボ用があった。 何をする必要があるわけでもなく、 ただ11時にある場所に行って、特にアクシデントがなければ、 そこに待機さえしていればよい、というだけのことなのだけれど、 先週これが決まってから、眠れないどころ…

白石一文『神秘』

『神秘』(白石一文 毎日新聞社 2014) アマゾンの「内容紹介」 余命一年で知った、本当の人生―― 末期のすい臓がんで余命宣告を受けた53歳の出版社役員・菊池は、治療を放棄し、「病を癒す女」を探すため、神戸へ移り住む。 がんに侵されたのは、運命か必然か…

2015年1月25日のメモ

豪の医師らが、病院に入院中の高齢患者を対象に、3ヶ月以内に死ぬ患者を識別するためのチェックリストを考案。 http://www.telegraph.co.uk/news/science/science-news/11363731/Death-test-could-predict-chance-of-dying-within-30-days.html http://www.m…

手まり寿司

昨年8月の末に死んだ友人は、 「いつか通りかかったホスピス病棟はしんと静まり返って、人の気配がなかった。 あんな寂しいところはイヤだ」と、ずっと言っていたのだけれど、 夫君一人しか介護者がいない在宅療養には無理があって、 7月上旬にホスピスに入…

『偽りの薬 バルサルタン臨床試験疑惑を追う』

『偽りの薬 バルサルタン臨床試験疑惑を追う』(毎日新聞社科学環境部 河内俊康 八田浩輔) ちゃんとエントリーにしたいと思いつつ、 余裕がないままに図書館の返却期限が来てしまったので、 読んだということそのものをメモするためみたいな エントリーにな…

ロングインタビュー「薬害HIV被害者の当事者性とは何か? 花井十伍に聞く」

『支援4』(生活書院 2014)の中にあるロングインタビュー 「薬害HIV被害者の当事者性とは何か? 花井十伍に聞く」 聞き手・井口高志・中塚朋子 花井十伍氏は、 血友病治療のための輸入血液製剤でHIVに感染した薬害エイズ被害者。 1997年から大阪HIV薬害訴訟…

ベルギーの終身刑囚人の安楽死、中止。治療センターに移されることに

ベルギーで連続強姦と殺人で終身刑となり、 現在26年間収監中のFrank Van Den Bleeken (51)は 性衝動を抑えられない自分は社会の脅威であるとして これまで仮釈放を辞退してきたが、その一方で、 現在の環境で死ぬまで閉じ込められるのは非人間的で耐え難い…

「人工呼吸器の音がジャマ」と電動車いすの筋ジス男性が映画途中で追い出される(英)

英国Surrey州、Epsom在住のデュシェンヌ型筋ジストロフィーの男性 Richard Bridgerさん(31)が介護者と映画 Taken 3を見に行き、 車イス席で鑑賞していたところ、 人工呼吸器が迷惑だと他の観客から苦情が出たとして、 映画館の職員から退場を求められた。 …

2015年1月14日のメモ

米国で去年5月以降、「(FDA未承認の新薬を)トライする権利」法の制定が相次いで、現在、コロラド、ミズーリ、ルイジアナ、アリゾナで法制化。記事冒頭にある患者さんの言葉は It’s my life, and I want the chance to save it.:死ぬことが「権利」になっ…

川口有美子『末期(まつご)を超えて ALSとすべての難病にかかわる人たちへ』

『末期を超えて ALSとすべての難病にかかわる人たちへ』(川口有美子著 青土社 2014) 川口有美子さんと、難病患者やその周辺の人々との対談集。 初出時に読んだものも本書で改めて再読すると それぞれに理解も味わいも深まってくる。 特に現在考えている問…

「ケアラーズ・ウィーク(介護者週間):豪州」

ケアラーズ・ウィーク(介護者週間):豪州 4月に千葉県で高次脳機能障害がある同居の義兄(当時38)を殴り、死亡させた男性(35)に対して、10月20日、千葉地裁から懲役3年、執行猶予4年の判決が言い渡された。もちろん事件の詳細が分からないまま記事を読…

死が単なる「ライフスタイルの選択」と化した国、オランダ

オランダ、アムステルダム近郊に住んでいたAndre Verhoevenさんは 65歳で中学校の教師を退職したら、妻と世界旅行をしようと計画していたが、 急性白血病と診断されて、首から下が麻痺した。 治療法はないとも告げられ、64歳でケアホームに入った。 カップを…

知的・発達障害者に特化したKY州のクリニックから、「迷惑な患者」問題について考えてみる

昨日のエントリー、知的障害者に包括的な医療を提供、the Lee Specialty Clinic(米)で取り上げた KY州の取り組みについて、院長の一人、Holder医師が去年8月にExceptional Parent誌に書いた 記事を見つけたので、読んでみました。 A NEW WAVE OF PROGRESS …

知的障害者に包括的な医療を提供、the Lee Specialty Clinic(米)

「知的障害のある人たちは、 良質な医療を受けることができず、困っています」 そう語るのは ケンタッキー州ルイズビルのMatthew Holder医師(41)。 「知的障害のある人の親や介護者がクリニックや歯科医院で 『お宅の子どもさんを連れて、出て行ってくださ…