2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

利光恵子著/松原洋子監修 『戦後日本における女性障害者への強制的な不妊手術』メモ (後)

前のエントリーからの続きです。 ② 佐々木千津子さんの事例 佐々木千津子さんについては多少のことは知っており、 これまでに以下のエントリーを書いているのですが、 佐々木千津子さんの強制不妊手術(2010/5/18) 佐々木千津子さんから山田嘉則氏のintegrity…

利光恵子著/松原洋子監修 『戦後日本における女性障害者への強制的な不妊手術』メモ (中)

前のエントリーからの続きです。 本書の中心は、4人の女性への聞き取り調査。 ① 飯塚淳子さん(仮名) 全国的に1955年をピークに不妊手術は減っていくが、 宮城県では1965年をピークに1970年代まで続いた。 飯塚さんが手術を受けさせられた宮城県中央優生保…

利光恵子著/松原洋子監修 『戦後日本における女性障害者への強制的な不妊手術』メモ (前)

利光恵子著/松原洋子監修 『戦後日本における女性障害者への強制的な不妊手術』 (立命館大学生存学研究センター 2016年3月) 詳細と購入はこちらから ⇒ http://www.arsvi.com/b2010/1603tk.htm 構成は、 戦後日本における優生施策の概要と分析と 3人…

2016年4月26日のメモ

米国で、宗教上の理由による脳死判定の拒否を認めているのは現在4州。Thaddeus Popeがこれを他州にも拡げることを提言する論文を書いている。:マクマス事件などでの彼の発言を見る限り、え? http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2699983 …

ケベックの障害者、VSED後に安楽死の要件を満たしていると認定

VSED(自発的飲食停止)については、 単に合法化されていない場所や合法化されていても対象要件を満たさない人の 安楽死や医師幇助自殺(PAS)の代替手段とされるだけでなく、 VSED希望者への緩和ケアという名目で、 鎮静による安楽死への煙幕・アリバイとな…

CA州で脳死と診断された17歳めぐり、「無益な治療」係争事件

CA州で、交通事故後に脳死と診断された17歳の少年、 Alan Sanchezさんをめぐり、「無益な治」事件。 LA County-USCメディカル・センターで脳死と診断されたが、 カトリック教徒の家族は、Alanさんは言葉による指示に反応すると主張し、 生命維持の継続と共に…

イラクで違法な臓器売買

イラクでは近親者以外からの臓器提供は認められていないにもかかわらず、 違法な臓器売買が横行している。 イラク人口の4分の1を占める貧困層が食い詰めては、 自ら進んでドナーとなっているほか、 シリア難民のイラク英語圏への流入も要因。 闇売買で腎臓1…

2016年4月16日のメモ

日本語。災害時における障害のある子どもへの配慮 http://www.nise.go.jp/cms/7,0,70,272.html カナダ、MSの女性、裁判所の個別許可によるPAD、BC州の第1号に。 http://www.cbc.ca/news/canada/british-columbia/assisted-suicide-granted-by-b-c-supreme-c…

カナダの生命保険業界「PADは自殺とは別の扱いで」

以下のエントリーで整理してみたように ↓ 「死ぬ権利」議論と「無益な治療」論の“すべり坂”の形態を整理してみた(2014/4/10) 2013年にケベック州の合法化法案が提出された時から、 medical aid/assistance in dying とか、physician-assisted death(PAD)な…

カナダ政府、安楽死と医師幇助自殺合法化法案を議会に提出

昨年2月のカーター訴訟の最高裁判決が1年以内の法整備を命じたものの、 政権交代による6月までの猶予が認められているカナダ政府が、 昨日、安楽死と自殺幇助を合法化する法案を議会に提出。 多くの報道が流れており、 「医師幇助自殺(PAS)合法化法案」と…

痛みのアセスメントと治療における人種間格差 (米)

痛みの治療における人種差別意識の影響について、 気になる調査結果が報告されている。 元論文はこちら ↓ Racial bias in pain assessment and treatment recommendations, and false beliefs about biological differences between blacks and whites Kelly…

ウーレット『生命倫理学と障害学の対話』(批判的)再読メモ: 第8章

これまでのシリーズ・エントリーで批判的に振り返ってきたように、 個々のケースをめぐる議論の細部については、 原著初読の時から多々の疑問や不満を抱えていた私が、 それでもこの本を日本で紹介したい、と考えたのは、 総体としてこの本が説いている、 メ…

2016年4月1日のメモ

NYTマガジンの“成長抑制療法”記事を受けて、報道あれこれ。上は過去のロボトミーの過ちの繰り返しだとする批判記事。下は肯定的な重症児の親の発言。こちらの記事でも、単に会員を対象にしたフォストらの調査を「米国内分泌学会が発表した調査」と書いている…

米国の研究者らから731部隊の非道な人体実験に、道徳的修復行為の提案3つ

昨日の「臓器提供安楽死」の論文を探しにジャーナルのサイトへ行った際に、目に付いたもの。 米国の哲学者らが、 日本の731部隊の非道な人体実験が総括されていな問題をめぐり、 道徳的修復行為を3つ提言している。 (1) 適切な説明と自発的な同意なしに人…