2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

母親仲間の記事「楽しかった保育」を紹介します

娘がお世話になっている重症児者施設でご一緒している K君のお母さんが園の新聞(3月25日発行)に書かれた記事 「楽しかった保育」を、ご本人の了解を得て、転載させていただきます。 「楽しかった保育」 息子は2歳の時、急性脳症で一夜にして寝たきりになり…

四肢麻痺男性の恋とPAS ― 映画“Me Before You”に批判

6月3日に米国でワーナーから公開される 四肢麻痺男性の恋と医師幇助自殺を描くハリウッド映画 Me Before Youをめぐって、 障害のある人たちの間から「ステレオタイプで描かれている」 「障害のある生を生きるに価しないとみなす価値観の肯定」など 批判が続…

オランダでは、安楽死要件外の高齢者向けに「自殺ピル」の実験開始?

前のエントリーで紹介した カナダ議会でユニセフが未成年の安楽死を提言したニュースを読んで 思い出したのがこちらの記事。 オランダでも、ベルギーについで子どもへの安楽死の合法化が検討されている中、 NVVEなどが安楽死の対象者要件を満たさない75歳以…

ユニセフが「未成年にも“AID”の権利を」議会で提言(カナダ)

6月9日の法制化の期限を前に、 法案審議の進むカナダ議会の上院委員会で、5月12日、 ユニセフ・カナダが 「成熟した未成年 mature minors」にも aid in dying (安楽死&医師幇助自殺)の権利を認めるべきだと主張。 根拠として、2009年の AC対 Manitobaの判決…

【拡散希望】広島で重症児者の生活支援を考える研究会 6月18日

昨年度、今年度と「看護と倫理」の講義を5回担当させていただいた 広島都市学園大学で、以下の研究会が開催されることになりました。 お近くの方、当日、会場でお目にかかれると嬉しいです。 よろしくお願いいたします。 第2回 教育医療・ケア研究会 【テー…

2016年5月19日のメモ

日本。与野党駆け引き 障害者拒む 障害者差別解消法施行40日の国会 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201605/CK2016051202000141.html 中村利仁さんのツイート。終末期医療費の議論って、専門家の間ではだいたい7~8年前には出尽くして…

8割の医療職が中等度以上のALS患者で”AID”を支持(カナダ)

Neurology誌の最新号に掲載された論文で、 医療職の8割が中等度から末期のALSでは“AID”の対象とすべきだと考える一方、 自ら進んで実施したいと考えているのは一部に過ぎないとする 調査結果が報告されている。 6月6日のAid in Dying 合法化期限を前に、 Su…

子ども時代に性的虐待に遭った女性がPTSDを理由に安楽死 (オランダ)

匿名の20代の女性。 15年前の性的虐待からPTSDその他を発症。 拒食症、慢性のウツ状態、自殺念慮を気分変動、自傷、幻覚、強迫症があり、 身体的にもほとんど寝たきり状態だった。 2人の医師がこれらの症状について 回復の見込みも希望もなく、不治だと判断…

「黒人の皮膚は白人よりも厚い……? ~痛みとdiagnostic overshadowingを考える~」を書きました

ご報告がちょっと遅くなりましたが、 「地域医療ジャーナル」5月号に、 「黒人の皮膚は白人よりも厚い……? ~痛みとdiagnostic overshadowingを考える~」 という記事を書きました。 こちらのエントリーの話題を中心に ↓ 痛みのアセスメントと治療における人…

オランダで精神障害者と認知症の人の安楽死、増加

オランダ政府から出された最新の統計によると、 2015年のオランダの死者は147010人で、 そのうち安楽死または自殺幇助による死者は5516人で、 (ただし自殺幇助は208人のみ) 2014年から4%の増加。 特に目立っているのは、 精神障害の末期(end-stage p…

2016年5月6日のメモ

オランダの小児科医らから子どもの安楽死合法化を求める声が上がり、保健大臣がその妥当性の研究に40万ユーロを予算措置。 http://www.bioedge.org/bioethics/dutch-paediatricians-seek-child-euthanasia/11857 日本語。自殺幇助が合法化されているスイス …

Quill医師らによるNY州のPAS訴訟、上訴裁も訴えを却下

以下のエントリーの続報。 現行法でのPAS合法性を訴え、ALS患者や医師らがNY州最高裁に提訴(2015/2/5) その後、10月に提訴は却下され、 ALSの患者とQuill医師を含む原告が上訴していたようですが、 NY州上訴裁判所は3日、Quill医師らの訴えを却下。 NY Law J…

英国で年間4万人以上の患者が本人も家族も知らないうちにDNR指定にされている

英国内科医学会が死に瀕している患者9000人について公式の調査を行ったところ、 5家族に1家族の割合で、患者のDNR(蘇生不要)指定を知らされていないことが 明らかになった。 年間4万人の患者に、家族の知らないままDNR指定が行われていることになる。 また…

山口三重子論文「重症障害新生児の治療決定過程における手続き的配慮の類型化の試み」(後)

前のエントリーからの続きです。 Ⅳ.重症障害新生児の治療決定に至る類型化と手続き的配慮 1) 重症障害の類型化の試み 著者は最初に、「重症障害」の多義性について 医療技術の高度化およびその標準化により重症障害が治癒する可能性が高まるならば、それ…

山口三重子論文「重症障害新生児の治療決定過程における手続き的配慮の類型化の試み」 (中)

前のエントリーからの続きです。 Ⅲ. 我が国における重症障害新生児の治療についてのこれまでの考え方 親の治療拒否に対して医師が訴訟を起こした事例はなく、したがって司法判断もない。 著者は 「子どもの治療を受ける権利の実効化については、裁判外紛争処…

山口三重子論文「重症障害新生児の治療決定過程における手続き的配慮の類型化の試み」(前)

山口三重子論文「重症障害新生児の治療決定過程における手続き的配慮の類型化の試み」 岡山大学大学院文化科学研究科紀要第13号(2002.3) こちらから、フルテキスト読めます ↓ http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/metadata/1232 Ⅰ.はじめに 自己決定権の法…