2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

2014年4月30日のメモ

介護者と自殺念慮に関するDwyerらの研究。13年に2本。この4月に1本。まだ、こうした研究は緒に就いたばかり。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23611756 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23456660 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24602554 英国…

C&Cの「VSED(自発的餓死)で死にましょう」キャンペーン

ここしばらく、あちこちで目につき始めたのが、 VSED=Voluntarily Stopping Eating and Drinking 「自発的に飲食をやめること」 すなわちVSEDとは「自発的餓死」のこと。 ちょうどこのところの自己決定権をめぐるグルグルにつながる問題でもありそう。 患者…

「事前指示を書いたメディケアの高齢者には75ドルあげるよ」と米法案

たぶんオバマ大統領肝いりの医療制度改革、オバマ・ケアの一環だと思うのだけど、 今月上程された法案、the Medicare Choices Empowerment and Protection Actでは、 メディケアの受給者(つまり高齢者)が保健省の基準を満たした事前指示書を書いて それを…

「自己決定権」と「医療の不確実性」の関係をぐるぐるしてみる 2

前のエントリーで書いたようなことをぐるぐる考えていたら 思い出したのが以下の論文。 【論文】研修医は<説得の儀式>や<希望つぶし>で誘導する(2013/5/6) この論文の著者は、 「倫理的な葛藤」への答えを見つけようと試るのではなく、 むしろ医療職側の…

「自己決定権」と「医療の不確実性」の関係をぐるぐるしてみる 1

しばらく前から、訳あって「自己決定権」ということを考えていたのだけれど、 そうすると、そこから「医療の不確実性」のことが気になり始めて、 その両者の関係というところで、この頃ずっとぐるぐるしている。 簡単に言ってしまうと、ぐるぐるしているのは…

五味太郎『大人問題』

五味太郎『大人問題』(講談社 1996) 目次で、すでにして「おー!」と目が輝いてしまう。 とにもかくにも心穏やかではない大人たち もうとっくにすっかり疲れきっている大人たち なんだかんだと子どもを試したがる大人たち どうしても義務と服従が好きな大…

処刑に参加し、息子を殺した男の顔面すっぱたいて許した両親(イラン)

「目には目を」のイランの処刑は公開で行われ、 殺人犯の絞首刑には被害者遺族が参加し、 囚人の乗った椅子をはらう部分を担当するという。 で、この日 7年前に18歳の息子Abdollahさんを殺されたHosseinzadeh夫妻は 犯人であるBalalの処刑の場にいた。 目隠…

オランダで安楽死を実施しようとする医師の約半数が薬剤師の拒否にあっている

テレビ番組の調査だし、 どういう調査なのか詳細は分からないけれど、 オランダで安楽死の要望に応じようとする医師の約半数が 薬剤師からの毒物提供拒否に遭っている、 という調査結果が出ている。 理由としては、 倫理的または宗教上の理由、あるいは、 認…

4月13日のメモ

これはすごい! ノーベル平和賞候補になった「憲法9条を保持し続けている日本国民」 ブログ【学院倶楽部】科学と宗教ならびに教養と民俗の【協働と連帯】 http://blogs.yahoo.co.jp/solidussolidarity/37837944.html チャットのネタにするために、勤務先の高…

ベルギーの集中治療医学界が同意なき安楽死を容認

子どもの安楽死を合法化して、 世界を驚かせたばかりのベルギーで、 集中治療医学会(the Belgian Society of Intensive Care Medicine)が 自己決定ではない安楽死まで容認する姿勢を明確にしている。 shortening the dying process by administering sedat…

あなたは、ドリームワークスのキャラで言うと?

「あなたは、ドリームワークスのキャラで言うと?」 こちらで、どうぞ ↓ http://www.buzzfeed.com/h2/fbsp/boov/which-dreamworks-character-are-you 私は「シュレック」でした。 You are outspoken, assertive, and a natural leader. You’re pretty intens…

「死ぬ権利」議論と「無益な治療」論の“すべり坂”の形態を整理してみた

「死ぬ権利」議論や「無益な治療」論の周辺で起こっている“すべり坂”は、 よくあげつらわれるような「対象者の歯止めなき拡大」だけではなく 実は様々な形で起こっている、という思いはずっとあったので、 今の段階でのとりあえずの試みとして、 いくつかの…

「貧困層に拡大していないから“すべり坂”は杞憂だ」と言えるか?

3月14日の読売新聞の平川克己氏との討論記事で、 日本尊厳死協会の岩尾総一郎氏が以下のように語っている。 安楽死が認められている米オレゴン州では14年に及ぶ調査が行われ、安楽死が貧困層などに広がっていないことが実証されている。『尊厳死を認めるこ…

ハリウッド映画 ”Transcendence”は、THニズムとシンギュラリティがテーマ

トランスヒューマニズムとシンギュラリティ(特異点)については、 アシュリー事件にやたらトランスヒューマニストが登場したのを機に 2007年からしばらく、前のブログであれこれ拾ってきた。 2007年に初めて書いたTHニズムについてのエントリーはこちら ↓ …

IT時代の希薄な人間関係に絶望し、英国人女性がディグニタスで自殺

89歳の元美術教師の英国人女性が 3月27日に姪に付き添われてディグニタスで自殺。 加齢に伴う健康の悪化はあったものの 終末期でもなければ障害があったわけでもない。 (この記事の書き方に、少なくとも記者の頭の中では すでに「障害がある」が「死ぬ権利…

スコットランドのPAS推進の中心的存在、マクドナルド議員、逝く

今朝一番の驚きのニュース。 スコットランドでPAS合法化を強力に推進してきた パーキンソン病のMargo McDonald議員が死去。 http://www.bbc.com/news/uk-scotland-scotland-politics-26883278 http://www.heraldscotland.com/news/home-news/battle-for-the-…

TX州の子どもを含めた安楽死キャンペーンと、その論理のねじれ

テキサス州で子どもも含めた安楽死を求める動きが始まっているらしいのだけれど、 そこに「死ぬ権利」議論の典型的な「ねじれ」が見られる、と思う。 安楽死を求める運動を始めたのは Newtonさん一家。 孫のNatalieちゃんが1歳7ヶ月の時に家のプールに落ちて…

ウーレット論文「終末期の議論は、障害者の声に耳を傾け、そこから学ぶことから」

米国の法/生命倫理学者のアリシア・ウーレットについては 前のブログから何度も触れていますが、 そのウーレットの最新論文がこちら。 『大切なのは文脈:障害、終末期、そして対話がこんなにも難しいわけ』 Context Matters:Disability, the End of Life, …

Diekema医師11日に講演「アシュリーX再考:成長抑制と重症発達障害のある子どもたち」

Douglas Diekema医師が 4月11日にミネソタ大学で講演。 タイトルは Ashley X Revisited: Growth Attenuation and Children with Severe Developmental Disabilities. 「アシュリーX再考:成長抑制と重症発達障害のある子どもたち」 http://medicalfutility.b…

染色体異常と「無益な治療」論&『運命の子 トリソミー』を読む

染色体異常と「無益な治療」論 昨年11月3日に行われた医療的ケアを必要とする児者の地域生活支援を巡るシンポで、ちょっと気になる話を耳にした。全く別の2つの報告の中で、「トリソミーの子は短命なので手術はしません、と親が医師から告げられた」と、偶然…

『運命の子 トリソミー』の松永医師インタビュー

『運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』(小学館)の著者 松永正訓医師のインタビューが、ハッフィントン・ポストに掲載されています。 新型出生前診断で問われる“命の選別”「13トリソミーの子」と家族に寄り添う医師、松永正…

英国MCA報告書 「結論と提言」

直前エントリーでのサマリーに引き続き、 MCA報告書「結論と提言」部分の内容を 項目ごとに簡単に取りまとめてみました。 (前後の指摘も含めて提言内容として要約したものがほとんどになります。 私のMCAに関する知識は、上記の直前エントリーにリンクした…