ハリウッド映画 ”Transcendence”は、THニズムとシンギュラリティがテーマ

トランスヒューマニズムとシンギュラリティ(特異点)については、
アシュリー事件にやたらトランスヒューマニストが登場したのを機に
2007年からしばらく、前のブログであれこれ拾ってきた。

2007年に初めて書いたTHニズムについてのエントリーはこちら ↓
トランスヒューマニズムとは?(2007/9/29)

その後の関連エントリーは前のブログの
「トランスヒューマニズム」の書庫に多数。

シンギュラリティ(特異点)とは、
各種新興テクノロジーの進歩がある段階に達したところで
それらの総合的な影響力が一気に爆発的な効果をもたらし、
俄かに人間の能力を超人的な次元へと引き上げる……その地点のこと。

実際には、50年代にJohn von Neumannという数学者が語ったり、
93年にもSF作家のVernor Vingeが使った用語で、

Ashley事件でお馴染みTH二ストのJames Hughesが言っているように、
「KurtzweilはSingularityという用語をハイジャックしたのだと言う人は多い」のだけれど、

最近では「特異点」はもっぱらカーツワイルの十八番。
彼が言っていることについては ↓
カーツワイル「ポスト・ヒューマン誕生」(2007/9/29)
多数のため少数の犠牲は受け入れよ、とカーツワイル(2007/10/1)
Kurtzweil「今より10億倍もベターな世の中に(2008/4/15)

こんなエントリーも ↓
人工知能が人間をペットに?(2008/2/29):07年の「特異点サミット」について書いてます
Googleとトランスヒューマニストらが“シンギュラリティ(特異点)大学”を立ち上げ(2010/6/14)


で、この映画のテーマは、
そのTHニズムへの懐疑なんだとか。

それで、すでに予告編の段階で
世界中のTHニストからケチがついているらしい


監督はWally Pfister。

こちらのBioEdgeのページに予告ビデオがあります ↓
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10913



そういえば、
私が最初にJulian Savulescuを知った時には
彼はどちらかというと生命倫理学者というよりも
トランスヒューマニストという趣の人だった。
(私がものを知らなかっただけかもしれないけど)

でも、考えてみれば
直前エントリーでリンクしたように
遺伝子診断で頭のいい子どもを産むことは道徳的義務だとか言ってて、

彼の言っていることは
今でも生命倫理学者というよりもトランスヒューマニスト