2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

2016年9月26日のメモ

ヤングケアラーは学業や就業で不利になるため、介護負担が終わった将来、社会的弱者となって社会保障の負担となる、という捉え方が豪で出てきている。彼らが介護を担っていることで社会保障費は削減されているし、そうでなくても自分の人生を家族のために犠…

英国産婦人科学会「ダウン症の人のケア・コスト削減効率考え、全妊婦に新型出生前検査を」

新型非侵襲的出生前検査(NIPT)、dfDNAの認可を検討中の the National Screening Committeeに対して、英国産婦人科学会が、 この検査によりダウン症の人を生涯ケアするコストを削減できる効果を考え、 すべての妊婦に行うことを提唱し、物議をかもしている…

浅野一恵他「重症心身障害児施設入所者の家族に終末期医療に対するアンケート調査を施行して(原著論文)」

「重症心身障害児施設入所者の家族に終末期医療に対するアンケート調査を施行して(原著論文)」 浅野 一恵(小羊学園つばさ静岡), 山倉 慎二 日本重症心身障害学会誌 (1343-1439)38巻3号 Page455-461(2013.12) アブストラクトは 当施設に入所している重症心身…

【相模原障害者殺傷事件関連】『現代思想』10月号に寄稿しました:NHKハートネットTVのブログ取材を受けました

7月26日未明に起こった相模原障害者殺傷事件について、 以下の一つは書き、もう一つはしゃべりました。 ① 『現代思想』10月号 緊急特集=相模原障害者殺傷事件に 「事件が『ついに』起こる前に『すでに』起こっていたこと」という論考を 書きました。 9月26…

こばと学園のガラス

先々週、 愛知県心身障害者コロニー こばと学園(重症心身障害児者施設)にお邪魔して、 6月に引越しを終えられたばかりの、ぴかぴかの施設を見学させてもらいました。 いよいよ「いざ、見学へ」という時に、 麻生園長が「実は、見てほしいガラスがあるんだ…

ベルギーの子どもの安楽死、第1例は17歳

ベルギーは2014年に 追加条件を課して未成年にも安楽死を認める法改正を行いましたが、 ベルギー議会、子どもの安楽死認める(2014/2/14) 先々週、ターミナルな病気で耐え難い身体的な苦痛のある17歳(ほぼ18歳)が 安楽死を認められ、初めての未成年の安楽死…

「DNR(蘇生無用)&臓器提供」意思表示のタトゥーが米国で流行

Thaddeus Popeの「無益な治療」ブログが、 拾っているタトゥーの写真がすさまじい。 http://medicalfutility.blogspot.jp/2016/09/a-dnr-tattoo-is-not-polst.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed:+MedicalFutilityBlog+(Medical+…

たんじょうび

本日 月 日 をもって…… 還暦 ぐはは

2016年9月11日のメモ

2010年のサビュレスキュとウィルキンソンの論文以降、臓器提供安楽死を提唱する論文は例えば今年3月にもオランダの学者からも出てきていますが、Journal of Medical Ethicsにまたも。今度はWarwick 大学の生命倫理学者、 Zoe B. Fritz。ただし、論文中にどう…

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 4

(前のエントリーから続きます) そうして、私にはずっと気がかりだった 安楽死や医師幇助自殺に対する著者のスタンスは 最終第8章「勇気」で明らかになる。 人の死をコントロールできると示唆する見方に対して私は懐疑的である。今までは本当に死をコントロ…

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 3

(前のエントリーからの続きです) ウィスコンシン州のラ・クロッセ市は 事前指示書を書く人が増えて、終末期の医療費削減に成功した。 が、実際に重要なのは、形式としての事前指示書が書いてあることではなく、 同市の救急専門医、グレゴリー・トンプソン…

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 2

(前のエントリーからの続きです) 著者が丁寧に取材し、描いている何人かの高齢患者と家族の物語の一つが 老いた老年科医フェリックス・シルバーストーンと妻のベラ。 心臓発作とヘルニアの手術、胆石の手術、関節炎、脊椎の圧迫骨折、難聴を経ても 臨床を…

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 1

『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 アトゥール・ガワンデ 原井宏明訳 みすず書房 2016 Amazonの内容紹介は以下。 「豊かに死ぬ」ために必要なことを、私たちはこんなにも知らない 今日、医学は人類史上かつてないほど人の命を救えるようになった…