2016年9月11日のメモ

2010年のサビュレスキュとウィルキンソンの論文以降、臓器提供安楽死を提唱する論文は例えば今年3月にもオランダの学者からも出てきていますが、Journal of Medical Ethicsにまたも。今度はWarwick 大学の生命倫理学者、 Zoe B. Fritz。ただし、論文中にどうやら安楽死後臓器提供との混同もあるんだけど。
http://www.bioedge.org/bioethics/acts-omissions-and-euthanasia-for-organ-donation/11987

カナダで安楽死と医師幇助自殺が合法化されたが、政府が同法に基づいて死んでいく人に適正なトラッキングを行っていないため、一体どれだけの人が同法によって死んでいるのか不明だ、とのこと。CBCによると、オンタリオとBC州だけでも施行から少なくとも120人といい、何百人もに及んでいる可能性がある。
https://news.vice.com/article/assisted-suicide-is-legal-in-canada-but-no-one-knows-how-may-are-choosing-to-die
http://www.miragenews.com/over-120-canadians-euthanized-since-law-passed-in-mid-june-media/




西オーストラリアの家庭裁判所で、6歳のがん患者、Oshin Kiszko君の抗がん剤治療をめぐって、続行を求める病院と中止を求める両親が争っていた裁判で、両親が勝訴。
http://www.bioedge.org/bioethics/australian-court-rules-against-hospital-in-controversial-cancer-case/11986

NYTに、Sheila BlackさんというX染色体連鎖性低リン血症性くる病(XLH)を持ち、同じ病気の子ども2人を含め3人の子どもの母親でもある女性が、遺伝子診断やデザイナー・ベビーについて、読み応えのある論考を書いている。I know what the “designer baby” people would say: the more “advantages” ― beauty, height, intelligence ― the better the life chances, the better the life. But I am not sure I believe them. Life is more than that.
http://www.nytimes.com/2016/09/07/opinion/passing-my-disability-on-to-my-children.html?_r=0

英国で口蓋裂を理由にした中絶の件数が急増。英国の法律では、こちらのエントリーで紹介したように、出産途上も含め口蓋裂や内反足程度の障害理由での中絶が合法。
http://www.bioedge.org/bioethics/are-abortions-for-cleft-palate-rising-in-the-uk/11994

日本。これからの医師は“病気を治す”だけではやっていけない? AI時代の医療とは
https://dot.asahi.com/dot/2016090800244.html

トロントのヨーク大のJonathan Obar氏が、興味深いICに関する調査報告を発表している。ネット上でSNSに参加する際に、ほとんどの人はプライバシーに関する方針もサービス利用条件もろくに確認せずに手続きを行っている。
http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2757465

日本。かいこ、飼育で介護 生活にリズム・「できる」につなぐ:藤原茂先生が、いよいよ妖怪然としてきた。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12550567.html

日本。中野区。重度障害者グループホーム、19年に新設 /東京:定員は17名。それでもGH。
http://mainichi.jp/articles/20160909/ddl/k13/010/173000c

看護・医療 しゃべり場 インタビュー編「胃瘻はまさに『お腹のお口』」その1 社会福祉法人小羊学園 つばさ静岡:こういう情報が日ごろから親に流れていることが、いざという時に親の知識となり覚悟を準備することにつながる。 
http://www.nurse-star.jp/colum/detail/280

日本。難病の子どもや家族の支え…「こどもホスピス」を3ヶ月にわたり取材
http://www.mbs.jp/voice/special/archive/20160624/

相模原殺傷事件を問う(1)重度障害者は生きている意味がないのか (矢野宏/新聞うずみ火):高谷清先生「許されへんやろ、こんな一番弱い命に手をかけるなんて」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160901-00010001-asiap-soci

日本。<重度障害児の行き場は?>(上)突然の倒産 (下)限界の介護:よく言われる「地域で当たり前に暮らせる」ということと、「家族が介護負担を背負わざるを得ない状況だから家族の介護で家で暮らしている」ということは、区別するべきだと最近、考え始めている。そのいずれも「地域移行」や「地域で暮らす」という言葉でくくるのは、問題の本質を見えなくする。
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2016090102000002.html
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2016090202000040.html

佐藤祐輔論文「重症心身障害者の社会生活に向けた支援についての研究-支援者側からみた促進要因に焦点を当てて-」:ネットで行き当たったので、出典が不明。
http://www.shitennoji.ac.jp/ibu/toshokan/images/in09-05.pdf

日本。認知症の人も家族も安心して暮らせるための要望書2016年版
http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=10203

厚労省概算要求>社会保障上限超す 1400億円削減必要
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160904-00000027-mai-pol

日本。「感動か笑いか、だけではしんどい」24時間テレビとバリバラに出演 義足の女優が語るリアル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160831-00010001-bfj-soci&p=1

NHKハートネットTV取材班が“シリーズ戦後70年”で「貧困ジャーナリズム大賞」を受賞。
http://antipoverty-network.org/award2015

日本。語られてこなかった障害者の戦争体験 日本や独ナチスでも抑圧の歴史 ハートネットTVのチーフ・プロデューサーの熊田佳代子さんインタビュー。
https://thepage.jp/detail/20150823-00000003-wordleaf

Vale of YorkのNHSが肥満の人とスモーカーには命にかかわらない手術は行わない、との方針を出し、それは差別だと物議をかもしている。
https://www.theguardian.com/society/2016/sep/03/hospitals-to-cut-costs-by-denying-surgery-to-smokers-and-the-obese

スタンフォード市(郡?)に肥満を理由に養子縁組希望を却下されたZoe Youngさんが、差別だと訴え。
http://www.manchestereveningnews.co.uk/news/greater-manchester-news/salford-too-fat-foster-student-11836525

Lancetに発表された調査で、スタチンは英国で年間8万人の心臓発作と脳梗塞を防止しており、副作用がおおげさに騒がれると、今後の10年で2000人が心臓発作と脳梗塞を起こすかも。
https://www.theguardian.com/society/2016/sep/08/statins-prevent-80000-heart-attacks-and-strokes-a-year-in-uk-study-finds

幹細胞から人造気管を作成したと発表し、当該患者の死で不正が発覚したスウェーデンカロリンスカ研究所のPaolo Macchiarini医師のスキャンダル。2月8日のメモでも拾った話題なのだけれど、いよいよ研究不正と同研究所の姿勢に問題があったことが明らかになり、スウェーデンの倫理会議の前議長は、患者と家族への謝罪として、2年間ノーベル賞を停止しては、と提言。
http://www.bioedge.org/bioethics/swedish-medicine-in-turmoil-over-stem-cell-researcher/11995

顔面移植手術の光と影 世界初の女性が死亡するまでに 2016年はじめにディノワールさんの体が移植に拒絶反応を示し、口唇が一部使えなくなったという。ル・フィガロ紙によると、移植への拒絶反応を抑えるために受けていた治療で、2種類のがんにかかったとみられる。 ディノワールさんには、2008年に既に腎臓障害と拒絶反応が出てました。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/07/face-transplant_n_11885600.html

体外受精の際に使われる培養液の組成は、実は明らかになっていない、という問題。私たちは食品については原材料をきちんと表示してもらう消費者としての権利を意識しているのに。
http://www.bioedge.org/bioethics/whats-in-the-ivf-petri-dish/11983

上の問題の日本語報道。<体外受精>培養液の種類で出生児の体重に影響
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160902-00000014-mai-soci

成人では効果が認められたがん患者への免疫療法について、子どもへの効果と安全性が未確認である問題。脳腫瘍の6歳少女 Eden Oyelolaさん、治験に。
https://www.washingtonpost.com/national/health-science/for-a-6-year-old-with-cancer-a-future-staked-on-medicines-hottest-field/2016/09/01/4a87bf92-63e5-11e6-96c0-37533479f3f5_story.html

米国でオピオイド鎮痛剤濫用で死ぬ人の半数は処方薬を使ってることから、オピオイドオーバードース死撲滅には医師が積極的に貢献するよう、サージャン・ジェネラルが呼びかけ。:この問題については、CMJ2015年6月号に米国のオピオイド鎮痛剤のファーマゲドンという記事を書いています。
http://www.nytimes.com/2016/08/30/opinion/doctors-will-play-a-critical-role-in-the-opioid-epidemic.html

日本語。本来100円もしないエピペンが6万円超えっておかしいだろ。Mylan製薬に怒り拡大:Valeantスキャンダルと同じ構造?
http://www.gizmodo.jp/2016/08/the-epipen-mylan.html



ジョージタウン大学、かつて財政難の解消のため、大学所有の奴隷を大量に売却した行為について、公式な謝罪へ。
https://www.washingtonpost.com/news/grade-point/wp/2016/09/01/georgetown-panel-urges-university-to-apologize-for-its-role-in-slavery/