2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

2015年11月26日のメモ

カリフォルニア大学アーヴィン校医学部の医療倫理プログラムのディレクターで精神科教授のAaron KheiriatyがWPのオピニオン欄で、自殺幇助を合法化した州で自殺件数が増加していることを指摘し、PAS合法化は自殺に対する社会の姿勢を変える、と警告。 https:…

製薬会社の臨床試験はまだまだ透明性が低いとの調査結果

Bioethics InternationalというNPOがBMJ誌に発表した調査結果によると、 2012年の新薬の臨床試験でディスクローズされていたのは3分の2のみ。 さらに、レビューを受けた薬の約半数は、 臨床試験の第2または第3フェーズの少なくとも1つがディスクローズされ…

ケベック州の安楽死法の実施ガイドは「死亡診断書にMADとは書くな」と指示

12月10日に施行となるカナダ、ケベック州のAct Respecting End of Lifeでは、 死亡診断書の「死因」の欄にMAD(medical aid in dying)ではなく 安楽死を認められた理由となった、もともとの病気を書く、という話は、 2015年9月11日のメモで拾っていますが、…

海老原宏美・海老原けえ子『まぁ、空気でも吸って 人と社会:人工呼吸器の風がつなぐもの』

海老原宏美・海老原けえ子『まぁ、空気でも吸って 人と社会:人工呼吸器の風がつなぐもの』(現代書館) 著者の一人、海老原宏美さんは、 以下の映画の、いわば「主役」の人工呼吸器ユーザー ↓ 【拡散希望】ドキュメンタリー映画「風は生きよという」 (風と…

保護裁判所、最小意識状態の68歳女性の生命維持停止を命じる(英)

保護裁判所ということは、 MCA(文末に関連エントリー)に法った手続きがとられたということなんだろうと思うのですが、 最小意識状態と診断された患者から栄養と水分が引き上げられる 英国で初めての事例とのこと。 (ただし、患者の死後に判断が出たとはい…

今日は「ケアラー(家族など無償の介護者)の権利の日」

英国とスコットランドでは、今日は「介護者の権利の日」。 ここ数日、介護者の権利にまつわる さまざまなニュースやメッセージが出てきています。 調査によると、 英国やスコットランドで週35時間以上の無償の介護を担うケアラーのうち、 半数以上が、ケアラ…

英国裁判所、Tracey訴訟に続きWinspear訴訟でも「DNA指定には患者や家族との相談が前提」

英国では法的にはDNR(蘇生無用)指定に患者や家族の同意は無用とされていますが、 患者も家族も知らない内に一方的に蘇生不要(DNR指定)がされるケースが続発して 訴訟になったり、大きな論争になってきました。 大きな事件としては以下など。 Carl Winspe…

2015年11月18日のメモ

やっぱりドイツのユダヤ人はPAS合法化に反対していた。 http://www.jewishjournal.com/world/article/german_jewry_applauds_defeat_of_liberalized_assisted_suicide_laws 【関連エントリー】 ドイツ議会にPAS合法化法案(2015/6/11) 2015年11月11日のメモ …

ネバダ州最高裁、米国神経学会の脳死基準の合法性に疑問

2015年10月21日のメモで拾った Aden Hailuさんの脳死診断の妥当性をめぐる米ネバダ州の裁判。 なんだか、面白いことになっているみたい。 Aden Hailuさん(20)は今年5月28日に St. Mary’s Regional Medical Centerの医師によって脳死と診断されたが 代理人…

C&Cとポウプらが緩和ケア医学会誌に“AID”臨床基準&ガイドラインを発表

まるでどこかで国際的な統一でも図られたのかと勘繰りたくなるくらい、 ある時期からどこの国でもPAS推進派が PAS(physician-assisted suicide)をAID(Aid in Dying)と称するようになり、 何度もこのブログで書いてきたように PASは自殺ではない、むしろ緩…

精神障害で安楽死希望の24歳女性、安楽死を取りやめ(ベルギー)

6月に以下のエントリーで拾ったニュースの続報。 (ここでは女性はLauraという仮名になっています) ベルギーで進む精神障害者の安楽死:24歳の女性もこの夏に安楽死予定(2015/6/24) 以下の安楽死防止連合EPCのシャデンバーグのブログ記事によると、 The Eco…

デジタル・スーパーリッチの個人的好みで科学研究にゼニが分配されていく新・優生思想の時代

IT長者と科学研究の関係性について 非常に気になるニュースが2つ。 ① ロシアの億万長者 Yuri Milner他、 FacebookのMark Zuckerbergと彼のパートナーのPriscilla Chan、 グーグルのSergey Brin、ブリンの元妻でDNA解析サービス23andmeのAnne Wojcicki、 それ…

2015年11月11日のメモ

ドイツが利他的自殺幇助を合法化。ただし商業的PASは禁止。 http://citizentv.co.ke/lifestyle/germany-votes-to-criminalize-euthanasia-105119/ http://www.ibtimes.com/assisted-suicide-law-germany-passes-despite-concerns-over-nazi-association-2172…

日本病院会の「尊厳死」文書に、OTさん「おいおい、みんな俺の患者さんですけど」

日本病院会から4月に出されたターゲットの広い「尊厳死」推進文書については 以下の2つのエントリーで触れてきました。 日本病院会が「認知症者も高齢者も重症ならみんな自然死で」 次の狙いは神経難病と重症心身障害者?(2015/6/4) 日本の「尊厳(平穏)死」…

日本の「尊厳(平穏)死」、実は日本型のパターナリズム誘導「無益」論では?

ずっと前から考え続けてきたことなので、 まだ煮詰まっていないところもあるけれど、だいぶ整理できてきたので、 今の段階で一度ちゃんと書いておきたいと思って。 日本の「尊厳死」とか「平穏死」というのは みんな疑うこともなしに欧米の安楽死や自殺幇助…

ケベックの緩和ケアセンター、PAS“サービス”提供開始へ

医療的死の援助(medical aid in dying)を合法化する法律が来月12月10日に施行となる カナダのケベック州、Sherbrooke緩和ケアセンターが、 カナダ全国でPASが合法となる期限の直前に当たる来年2月1日から 終末期の患者に医師による自殺幇助“サービス”を提…

難病の5歳児の「死の自己決定」を「尊重」する両親(OR州)

オレゴン州の話題。 Julianna Snowさん(5)はシャルコー・マリー・トゥース病で、 酸素マスクをつけている。 体力が落ちているので、ちょっと風邪をひいても肺炎になる可能性がある。 次に病気になった時に救命できるかどうかは不透明で、 仮に救命できた…

ダニエル・キャラハンのBioEdgeインタビュー: コミュニタリアン生命倫理学について

個人的なメモとしてーー。 インタビュアーはBioEdgeの副編のXavier Symons。 Daniel Callahanは1970年代にいわゆる「生命倫理学」の創設を率いた人物。 当時は60年代の科学研究の発達で、 倫理問題やジレンマが噴出した時代。 生命倫理学でそれが解決できる…

思考力

海の入浴時、 ネット製のシャワー・ベンチに寝転んだ海の両側に親が座ります。 身体を洗うのは母がメインで父親がサブ。 シャンプーは父親がメインで母親がサブ。 で、シャンプー時、何度か父親から 「はい。お母さんのほうを向いて」 「じゃぁ、今度はお父…

2015年11月2日のメモ

ヘイスティング・センターの創設者で著名生命倫理学者のDaniel CallahanへのBioEdgeインタビュー。シンガーについてとか、あれこれ、おもしろい。これはせめてメモ・エントリーくらいにはしたいけど。 http://www.bioedge.org/bioethics/interview-with-dani…