ケベックの緩和ケアセンター、PAS“サービス”提供開始へ

医療的死の援助(medical aid in dying)を合法化する法律が来月12月10日に施行となる
カナダのケベック州、Sherbrooke緩和ケアセンターが、

カナダ全国でPASが合法となる期限の直前に当たる来年2月1日から
終末期の患者に医師による自殺幇助“サービス”を提供することを決めた。

スタッフの投票の結果、61%が賛成し、
理事会は全員一致で賛成したとのこと。

今年5月までは運営サイドは
ホスピスではPASは許されないというスタンスだったが、
9月になって改めて意見聴取をして決めたという。

(合法化に前向きだった)ケベックの保健大臣からの
圧力があったわけではない、とも。

対象はがんの患者で「例外的な」ケースのみ。
道徳観から抵抗のある医師にはサービス提供は強要されない。

医師をはじめとするスタッフの研修は今月から始まり、
12月と1月には内部のプロトコルができる予定。


【5日追記】別記事
5月段階では、PASは治療者としての医師の役割と一致しないと明確に主張する医師が2人いたらしい。
記事のタイトルと本文が一致していない気がするのだけれど、
希望する患者がいた場合に外部の医療機関にアウトソースすることを避けたかったための決断だった?
http://montrealgazette.com/news/sherbrooke-hospice-may-outsource-doctor-assisted-suicide



私は「死ぬ権利」議論の「滑り坂」の一つの現象として、
PASや安楽死が「緩和ケアの一端」に位置づけられつつあるという認識を持っていて、

その一つの形がシアトルの癌センターの「尊厳死プログラム」だと考えており、



今回、ケベックの緩和ケアセンターがPAS“サービス”を開始することは
それに次いで具現化される「緩和ケアとしてのPAS」ではないか、と。