2013-01-01から1年間の記事一覧

広がる“ゼロ時間契約”労働(英国)

広がる“ゼロ時間契約”労働(英国) 先日、ある福祉施設の幹部との会話で話が介護職の非正規化に及んだので、「英国で問題になっているらしいのですが、“ゼロ時間契約”という雇用形態をご存知でしたか」と聞いてみた。この夏、英国で“zero-hours contracts”と…

高齢者施設の人権擁護NPOキャナー(米国)

これもエントリーにし忘れていた 『介護保険情報』2013年1月号の 連載「世界の介護と医療の情報を読む」第79回 高齢者施設の人権擁護NPOキャナー(米国) シンポジウム「日米の高齢者施設における人権擁護の現状」が10月26日に都内で開催され、高齢者施設の…

「全国介護者カウンセリング・プログラム(豪)」

エントリーにするのをうっかり忘れていた 『介護保険情報』誌9月号の連載「世界の介護と医療の情報を読む」第87回。 全国介護者カウンセリング・プログラム(豪) オーストラリア健康高齢化省は2012年8月に「全国介護者レスパイト・プログラム(NRCP)」を発…

神経筋疾患ネットワーク『でこぼこの宝物』

この前、 全国自立生活センター協議会(JIL)の全国研修にお邪魔した際に買い、 帰りの新幹線で読んで、心に強く響いてきたもの。 この本 ⇒ http://www.j-il.jp/publications/dekoboko.html 何が響いてきたといって、 最初の「出版に寄せて」の最初の数行に…

NYT 「写真で振り返る1年」

ニューヨーク・タイムズに The Year in Pictures. 「写真で振り返る1年」 http://www.nytimes.com/projects/2013/year-in-pictures/?nl=todaysheadlines&emc=edit_th_20131227 80枚のスライド・ショー。 いかに自分が 世界のごく一部にしか目を向けずに暮ら…

「今日までそして明日から」

吉田拓郎のこの歌、私は今までずっと 「わたしは今日まで生きてきました」なんだと思い込んでいて、 今日、初めて知った。 「わたしは今日まで生きてみました」だったんだ……。 意味がずいぶん違ってくるなぁ。 意味がずっと深くなるなぁ。 やっぱ拓郎って天…

新ローマ法王のクリスマス・メッセージ

フランシスコ法王は初めてのクリスマス・メッセージを、「より良い世界を願い、身を低くして自らの義務を果たそうとしながら他者を思いやる」全ての男女に向けて送った。 ……法王の、率直でほとんど普段の会話のような語り口調、そして社会の周縁にいる人々へ…

BioEdgeが選ぶ「2013年の10大ニュース」

去年まで前のブログで拾ってきた自前の情報の中から その年の重大ニュースを問題ごとにまとめのエントリーにしていたのですが、 今年は途中でそちらのブログを休止しているので、 代わりに、 いつもお世話になっているBioEdgeの10大ニュースを。 1.「試験…

今日のボケ: 241円

コンビニで 飲み物を2つ買い、 「241円です」と言われたので、 財布の小銭を丁寧に数えつつ、 421円を出した

人工呼吸器ユーザーが語る尊厳死法制化への懸念

12月17、18日と全国自立生活センター協議会(JIL)の 全国研修にお邪魔してきました。 そこで「死の自己決定権のゆくえ」というタイトルで 同名の拙著『死の自己決定権のゆくえ 尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』の内容を ざっくり取りまとめたようなお…

「仕事」は不変であって不可侵

白状すると、 ここしばらくメゲていました。 理由はいろいろある。 似たような理由ばっかりだけれど。 メゲながら、 しばらく、メゲている自分と付き合うしかないな、と思っていた。 やっと少し気分が上向き始めた時に、 ちょっとだけ夫にグチってみた。 ち…

ビル・ピースが公聴会でPAS合法化反対の意見陳述(米MA州)

MA州議会に提出された医師による自殺幇助合法化法案を巡って、 17日、議会の両院公衆衛生委員会で公聴会があり、 当ブログがアシュリー事件から注目してきた 障害当事者のWilliam Peaceが意見陳述をしている。 前日に彼がブログにアップした陳述内容は以下。…

マイノリティ

ある障害当事者の方の言葉。 (厚労省での制度改革の細部をめぐる攻防の場で)何か言うと、 いろんなところから、その3倍の反論が返ってくる。 一つを言うと、必ず3倍返しにされる。 でも、こっちは マイノリティであることには慣れているんだ。 そのくらい…

“代理母不足”を解消して“生殖の平等”実現へ(イスラエル)

イスラエルのYael German保健相が 生殖法の改正計画を発表。 同性愛のカップルがイスラエル人の代理母に頼んで 子どもを持つことができるようにすることや、 結婚した男女が配偶者に知らせることなく 第三者との間で生殖医療を受けることも認める方向。 保健…

古本を送って、<もやい>に寄付できるんだって

今日、障害学のMLに流れていた情報。 こんなの初めて知りました。 もやいで、チャリボン 読み終えた本で困っている人を助ける仕組み 不要になった本、CD、DVDを送ると、 古本買取サービスのバリューブックスが査定して、 買い取り金額が<もやい>に寄付され…

マラリア問題を通して「帝国医療」の姿勢を問い直す論考

「マラリア問題」とは何か ナイジェリア・ラゴスの貧困層を事例に 玉井隆 アフリカNOW No. 94 (2012年発行) 著者はナイジェリア、ラゴスの「いわゆるスラムと呼ばれる場所」で 以下のような視点に立ち、マラリアに対する住民の医療実践について研究している…

今日のボケ: てんぷら

大学生になって京都で一人暮らしを始め、 慣れない料理にアワアワしていた頃のこと。 兄がどういう用事だったのか 京都にやってくることになった。 下宿に寄るというので、 てんぷらでもご馳走してあげようと、妹としては張り切った。 買ったばかりの料理の…

セーター

先週、片づけものをしていた夫が 珍しく声を弾ませて「こんなものが出てきたよ」と言い、 コタツの上に広げて見せてくれたのは、 小さな白いセーター。 「うわ~。これ、捨てずにとってあったんじゃ~」 「な~つかし~」 たぶん海が小学校に上がる前後くら…

トリソミー13、18の新生児の救命について、Janvierらの新論文を読む

前のエントリーで紹介したJanvierらの論文を いつもお世話になっているkar*_*n28さんがゲットしてくださったので 早速に読んでみました。 やはり思ったとおり、 「無益な治療」論が医療職の中にある障害への予見を体現する形で 障害像によって包括的に命を切…

トリソミー13、18の新生児の救命について、Janvierらの論文

Annie Janvierというと、 以下のエントリーで拾った論文で記憶に残っている学者。 トリソミー13・18、医師が描くより子も親もハッピーで豊かな生活(2012/7/26) そのJanvierの論文。 これもまたトリソミー13、トリソミー18の子どもの救命をめぐる内容です。 M…

リバプール・ケア・パスウェイに関する調査報告書(英) 3

(前のエントリーからの続きです) より広範な問題 しかし問題は個々のアプローチの手直しで解決できるものではなく、死にゆく人へのケアに関する、もっと広範な問題。 環境と備品 触れる人は少なかったが、患者に提供される環境と備品など施設面での問題も…

リバプール・ケア・パスウェイに関する調査報告書(英) 2

(前のエントリーからの続きです) ケアプランへの親族の参加 多くの親族と介護者がケアプランに関する議論に加えてもらっていないし、加わるよう求められたこともないと感じている。中には何の説明もなくパンフレットを渡されただけという人や、患者が死に…

リバプール・ケア・パスウェイに関する調査報告書(英) 1

【12月19日追記・訂正】 前のブログからこれまでずっとLCPについては 「終末期ケアのプロトコル」としてきましたが、そこには2つの誤りがあり、 ①「終末期」というと通常は余命6ヶ月とされているのですが、 LCPは「余命数日ないし数時間の臨死期」の患者さん…

今日のボケ: よそ見

ずっと昔、高校生か大学生の頃の、 いま思い出しても恥ずかしさに赤面のボケ。 市内の幹線道路に沿って歩道を歩きながら、 道の向かい側にある何か(何だったか忘れた)に注意を奪われること、しばし。 いきなり誰かに思いっきり追突してしまったので、 その…

『世界アルツハイマー・レポート2013』

世界アルツハイマー・レポート2013 国際アルツハイマー病協会(ADI)から『世界アルツハイマー・レポート 2013 介護の旅路:認知症介護の分析(World Alzheimer Report 2013 Journey of Caring: AN ANALYSIS OF LONG-TERM CARE FOR DEMENTIA)』が出たので、…

重症の自閉症/知的障害者の自立生活に年間7万ドル(米KS)

前のブログから 英米の障害者福祉のベースラインはどのあたりなのかということが気になって、 関連情報に出くわすと拾ってきているのですが、 以下の記事に興味深いケースが出ているので。 米国カンザス州ウィチタに住む Neil Carneyさん、18歳。 自閉症と知…

武田製薬の新社長はグラクソのワクチン社から

もうこの手の話題には触れずにおきたいと思ったのだけれど、 やっぱり気になるというのか、 このところ拾った話題のあれこれが 一見すると互いに繋がりなんかないように見えるけれど、 実はこれらはみんな繋がっていて、 さらに、これから日本で起こることに…

小松茂美編著『後白河法皇日録』

米子での某飲み会の席で話に出た本。 古筆学の大家、小松茂美氏の遺作。 平安貴族の数十の日記から抜き出した記述を並べて、 日ごとに後白河法皇の動静を明らかにしたもの、という。 この時代を描いた小説は血沸き肉踊って大好きなのと、 (その割に読んでも…

今日のボケ: やくも

前回、米子に行った際にかましたボケ。 米子駅前から 足立美術館への無料シャトルバスに乗りこんだ。 奥の席には先客が5,6人。 出発まではまだ10分ほどある。 前の方の一人がけの席に座ると、 運転手さんが振り向いて、 「アンケートとして一応うかがってい…

人はどのような存在なのか (meaningful life って……?)

11月26日に 鳥取大学医学部大学院の安藤泰至先生の「生命倫理学特論」という講義に お招きいただいて、1時間と少し、お話させていただきました。 (「しゃべったこと」として一応「書いたもの」の書庫に) 今年は初回と最後の5回目が安藤先生で、 2回目が金…