2013-01-01から1年間の記事一覧

出雲大社

出雲大社へ行った。 スーパーまつかぜ1号で米子から出雲市駅へ。 あいにくの本降りの雨。 でも出雲市駅前からバスで大社へ向かううちに 空が明るんできて、少しずつ小降りとなり、 正門前のバス停で降りた時にはやんでいた。 出雲大社には何度も来たことがあ…

企業パワーによる民主政治崩壊 & 大学での人文系学部の衰退

民主的選択の崩壊の理由はこれである。政治への我々の幻滅の根本もこれである。口にすることもはばかられる強大な力(spitzibara注:『ハリー・ポッター』のヴォルデモートのように)とはこのことである。すなわち企業の権力のことだ。メディアはその名をささ…

Adrienne Asch 死去

生命倫理学者/障害学者のAdrienne Aschが 19日火曜日にがんのためマンハッタンの自宅で死去。享年67。 ちょうどコメント欄で話題に出たばかりのEva Feder Kittayのコメントが NYTに出ていて、 “She certainly was one of the pioneers in disability studies…

シャンプー

よく行くショッピング・モールへ 海といつもの「買い物&ランチ」。 レストラン街に新しいお店がいくつもできていて、 その中の中華のお店をチョイス。 メニューはいちおう見せるけど、 海のオーダーは大好物だから、 「やっぱり坦々麺?」 「ハ!」 時々、…

今日のボケ: トニー・ブランド

来週、某所でちょいとしゃべることになっていて、 やっとできたレジュメを前に、しゃべる内容を確認していたところ、 トニー・ブランドに関する箇所で、 なんと、私は以下のように書いているではないか。 1998年 ヒルズボロの事故 1993年 栄養と水分の中止に…

今日のボケ: おでん

正しくは「昨日のボケ」なのですが……。 友人の家に行くので、 帰ってきてからラクができるように おでんを作ってから出かけました。 夜、 今年初めてのおでんに喜んで 嬉しそうに箸を取り、鍋の中を物色する夫に、 「あ、ニンジンも入ってるからね」と 私は…

友人宅

再発したガンが全身あちこちに転移して 杖をついて暮らしている友達から ランチのご招待があった。 最初はお弁当にしようと言っていたのだけれど、 いったんは私が「山下のお好み焼き」(むっちゃ美味しい)を買っていくことになり、 そのうちに彼女が「私が…

豪・NZ緩和医療学会の安楽死・自殺幇助への反対声明

オーストラリアとニュージーランドの緩和医療学会(ANZSPM)から 安楽死と自殺幇助の合法化に反対声明が出ています。 こちらからフル・テキスト読めます ↓ http://www.anzspm.org.au/c/anzspm?a=da&did=1000948&pid=1383782594 まずポジション・ペーパーの目…

パンダ

交差点で信号待ちをしていたら、 右側の道からこっちへ曲がってきた軽乗用車の助手席に、巨大なパンダが座っていた。 ちゃんと一人前にシートベルトをしている。 カーブを切って車が傾いた拍子に、一瞬、 運転している小柄な女性(30代後半くらい?)の方に …

全身麻痺になった翌日に「自己決定」で人工呼吸器とり外して死亡(米)

米国インディアナ州のTim Bowersさん(32)は 11月2日に鹿のハンティングに出かけた際、木から落ちた。 医師らは首から下が麻痺して、おそらく生涯、人工呼吸器が必要となるだろうと診断。 看護師の姉を中心に家族から 本人の意思を確認するために鎮静をといて…

小林三旅『男一代菩薩道』

『男一代菩薩道 インド仏教の頂点に立つ日本人、佐々井秀嶺』 小林三旅 アスペクト 2008 カバーの折り返しに書かれているのは (アマゾンの「内容説明」もこれと同じ) インド仏教の最高指導者、佐々井秀嶺は、 宗教家としての使命感と持ち前の義侠心から、 …

マミの本棚

私の住んでいる町は アメリカの西海岸のある町と姉妹都市の縁組をしていて、 16歳の夏に私は一ヶ月間、交換学生としてその町で過ごした。 以来40年間、 私には「アメリカのお母さん」がいる。 ずっと前には「アメリカのお父さん」もいたんだけれど、 2人が…

斎藤貴男『安心のファシズム』

『安心のファシズム――支配されたがる人々――』 斎藤貴男 岩波新書 (2004、2010 第10刷) ……日一日と荒廃し、弱者の怒りがより弱い立場の人々へと仕向けられているこの国の社会…… (p. 106) 騙されつつ、しかし多くの人は自らの置かれた立場にどこかで感づい…

トニー・ブランドの本当の悲劇とは何か (後)

ブランド事件を巡るシンガーの論理は ブランドの第1の悲劇は事故に遭ったことであるとしても 生物学的な意味において人命であるにすぎない状態で生かされるという「第2の悲劇」は避けよう、 というもの。 それに対して、土井氏は以下のように言う。 トニー・…

トニー・ブランドの本当の悲劇とは何か (前)

関西学院大学の土井健司氏の講義を拝聴する機会があった。 (「読んだ」わけじゃないけど「聴いたもの」として、「読んだもの」の書庫に) テーマは、人間の尊厳で、 前のブログで2つのエントリーを書いている英国のトニー・ブランド訴訟(1993)をめぐって…

『働くケアラーへの支援』書きました

働くケアラーへの支援【英国】 英国政府は8月27日、Employers for Carers、Carars UKという2つのケアラー支援組織と共同で報告書“The Supporting Working Carers Report (働くケアラー支援報告書)”を刊行した。 現在、英国には、働きながら家族や友人を無償…

『臓器移植における倫理的な看護場面での看護師の苦悩』

例によって、 いただきものの興味深い論文。 『臓器移植における倫理的な看護場面での看護師の苦悩 ――1事例の分析を通して――』 林優子、谷水名美、赤澤千春、山浦晴男 大阪医科大学看護研究雑誌 第3巻(2013年3月) 全文がこちらで読めます ↓ http://www.osa…

A・オウェンらの植物/最小意識状態患者の意識に関する新論文

まだ読んでいないのですが、 メモをかねて速報的に。 エイドリアン・オウェンを含むケンブリッジなどの研究者らが 新たな論文を発表。 植物状態と見える患者に 音として指示された単語に意識を集中することができた、 注意を集中する、また指示に従う能力が…

森達也『A3 上』

『A3 上』 森達也、集英社文庫、2012 アマゾンの内容紹介 新しい視座で迫る、オウムと日本人の本質 あの事件はなぜどのように起きたのか。ドキュメンタリー『A』『A2』でオウムの側から日本社会を描いた著者が、裁判、元信者たちへの取材を通して、事件の真…

幹細胞ドナー候補となったきょうだいのトラウマ

以下の大変興味深い論文をいただいた。 幹細胞移植ドナー候補となったきょうだいに対するトラウマの視点からの心理的評価 東飛鳥, 小林明雪子, 小澤美和, 細谷良太, 子どもの心とからだ, 2013 May, Vol.22, No.1 要旨は 小児がん患児に幹細胞移植が必要と判…

アルコール依存症治療薬 レグテクト

レグテクトとは ↓ http://kusuri-jouhou.com/medi/sonota/acamprosate.html で、 「新薬で広がる断酒治療法」と題した 10月29日の毎日新聞の記事によると、 今国会に議員立法で「アルコール健康障害対策基本法案」が提出される見通し ……なんだって。

看護師さんの会話

今日のお昼に 隣の席にいた女性2人。 どうやら別々の病院に勤める看護師さんのようだった。 若い方の女性が、 最近、看取りケアに関する研修に参加したばかりのようで、 とても感動した、と熱っぽい口調でその内容を語っているみたい。 年上の方の女性は「…

ハロウィーン

もう20年近くも前から、 仕事が煮詰まったり、頭の中に解きほぐしたいことがあったり ケリや始末をつけなければならない気持ちを抱えた時などに、 年に数回、“独りドライブ”にいく県北の町がある。 行き始めたのは、ある桜の季節がきっかけだった ⇒ 桜並木(2…

「周辺」を先進国内に作っていく「帝国」

昨日の毎日新聞の文化面で 『パラダイムシフト――2100年への思考実験 第2部 脱「成長」への道 6」として 水野和夫さん(エコノミスト、日本大教授)による 『資本主義の「過剰」性、、是正を』という寄稿が 掲載になっており、 どすん、どすん……とばかりに…

【レポート】10代の介護体験を考えるセミナー

日本でも少しずつ ヤングケアラーへの支援への模索が始まっています。 10月6日に開催された「介護なんでも文化祭」で 日本ケアラー連盟の主催により「10代の介護体験を考えるセミナー」が開催され、 16歳から認知症の祖母の介護を担い、22歳の時に看取りを終…

高谷清氏の「重症障害者の意識」を巡る考察

高谷清氏による、 『重い障害を生きるということ』より3年も前の 重症児者の「意識」のあり方についての考察。 『人間発達研究所通信』2009年3月号の「発達論的エッセイ⑦」 タイトルは『「外在意識」と「内在意識」』(p. 3-8) このエッセイの冒頭、高谷氏は…

佐野洋子「死ぬ気まんまん」

佐野洋子『死ぬ気まんまん』(光文社文庫) ジュリー(沢田研二)が好きだという話のくだりで、 今、ジュリーのような退廃的なムードを持っている人はいないし、あんなに歌がうまい人もいない。私はしみじみ、ジュリーが江戸時代の人でなくて、ナマを見れた…

「人格」と「尊厳」をめぐる偶然

この数日、たいへん興味深い「偶然」が続いていて、 その偶然が私の頭の中で「糸をつむぐ」ような感じに 人が考えていることを繋ぎ、まとめていくような印象でもあるので書いておこうと思って。 まずは、ここしばらく私自身が考えていることを 10日に以下の…

死にゆく人のかたわらにただ寄り添って

茨木のり子さんの詩 「マザーテレサの瞳」の一節。 外科手術の必要な者に ただ包帯を巻いて歩いただけと批判する人は 知らないのだ 瀕死の病人をひたすら撫でさするだけの 慰藉の意味を 死にゆく人のかたわらにただ寄り添って 手を握りつづけることの意味を

英国保健相が「アジアの家族介護の伝統に学べ」

日本の我々が目指すべきモデルとして憧れをこめて その福祉制度に何度も言及してきた国、英国が 逆に「アジアの家族介護の伝統と敬老の精神に学べ」と言い始めている。 ジェレミー・ハント保健相は 18日の児童・成人サービス・カンファでのスピーチで、 親や…