『臓器移植における倫理的な看護場面での看護師の苦悩』

例によって、
いただきものの興味深い論文。


『臓器移植における倫理的な看護場面での看護師の苦悩 ――1事例の分析を通して――』
林優子、谷水名美、赤澤千春、山浦晴男
大阪医科大学看護研究雑誌 第3巻(2013年3月)

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http://www.osaka-med.ac.jp/deps/dns/pdf/zasshi3/14.pdf

結論は、

看護師の苦悩は,「移植医療の自身の推進姿勢:他者との見解の相違とマイナスイメージ体験による信念のぐらつき」,「レシピエントとその関係者及びそれぞれの立場の違いに対する自身の対応姿勢:間に巻き込まれる不安と対応の難しさに困惑」,「対レシピエントの看護:重々しい移植医療に対する安易なダメモト姿勢に苛立ち」,「対レシピエントの看護:移植への安易な依存姿勢と移植に伴う困難に対する行き詰まり感」,「対ドナーの看護:ドナーの思いとケアが後回しになることへの危惧」,「対レシピエントとドナーの医療:社会への情報発信と移植医療体制の不十分さへの困惑」であった。本研究では,1名の看護師の分析であったが,臓器移植看護に携わる看護職全体の苦悩を立証することが今後の研究課題である。