2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2014年7月31日のメモ

連載を書くために、Livingstoneらの論文2本を始め、ケアラーをコーピング戦略で支援しようという試みについてあれこれ読んだ。読んでいたら、だんだんと「これ、本当に『支援』なんだろーか。むしろ介護を続けさせるための『教育』や『養成』や『操作』『コ…

ネットで世界に広がる「死のコーチング」

以下の話題の続報といってもよいニュース。 ニチキ医師、「理性的自殺」幇助で豪医事当局より医師免許停止(2014/7/24) 元記事は以下のAustralianの記事。 http://www.theaustralian.com.au/news/health-science/death-coaching-a-mourning-mothers-rage-at-s…

「終末期だけを特別にしない意思決定の一般原則」Sheperd提案と、そこから重心の意思決定について思うこと

ヴァージニア大学の法学者/生命倫理学者のLois Shepherdが North Carolina Law Review誌に発表した論文“The End of End-of-Life Law”。 ネットでは全文どころかアブストラクトも読めないのですが、 Popeの「無益な治療ブログ」によると、 終末期医療のみをそ…

リトアニアの保健相「安楽死は、貧困層向けの安上がりな選択肢」

リトアニアの新保健相、Rimante Salaseviciute氏が 同国は福祉国家ではなく、すべての国民が緩和ケアを受けられる状況にないので、 貧しくて緩和ケアを受けられず、親族の苦しみを見ているのが耐えられない人々にとって 安楽死は選択肢として必要となる、と…

「脳死者は法的な死者。病院側には介入義務はない」とKY州裁判所

米ケンタッキー州で7月22日火曜日、 脳死と診断されたIsaac Lopez君(生後2ヶ月)から 病院側に生命維持装置が外すことを認める判決が出た。 その数時間後、 実際に装置が外され、その2時間後にIsaac君は亡くなった。 Isaac君は6月29日に 両親にNorton Immed…

ワクチン未接種の子どもの入学拒否、裁判所が認める(米)

NYの3家族が、 ワクチンを受けていないという理由で子どもが学校への入学を拒否されたのは 人権侵害である、として訴えた訴訟で、 ブルックリンの連邦地方裁判所から 入学拒否を認める判決が出ている。 原告側は上訴。 この問題でKlugmanという生命倫理学者…

『言葉を育てる 米原万理 対談集』

『言葉を育てる 米原万理 対談集』(ちくま文庫) ……でも、地球規模で貧富の格差が広がってきているから、景気が悪いとはいえ経済先進国の日本にも合法的非合法的に経済移民はどんどん入ってきている。当然、低賃金無権利の彼等に仕事を奪われる。それがまた…

ニチキ医師、「理性的自殺」幇助で豪医事当局より医師免許を一時停止

7月13日のメモで拾った話題の続報。 オーストラリアで何かと物議をかもしてきた Dr. Deathこと Dr. Philip Nitschkeの医師免許、一時停止。 45歳の男性 Nigel Brayley氏が、ニチキ医師とのやりとりの後で 違法に輸入したNembutalで自殺した事件について、 Au…

2014年7月23日のメモ

日本。Yahoo!Japan 知恵袋の「弱者を抹殺する。不謹慎な質問ですが、疑問に思ったのでお答えいただければと思い…」へのアンサーが実にすばらしい。 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1463546664 英国国民は理念としては自殺幇助を…

今度はゲノム読解関連研究でのIC不要論:「統治されることへの同意」で

ヘイスティング・センター・レポートの以下の論文。 Have We Asked Too Much of Consent? Barbara A. Koenig, Hastings Center Report, Article first published online:9 JUL 2014 アブストラクトは Paul Appelbaum and colleagues propose four models of …

「命を救うため」途上国の女性への不妊手術でIC条件緩和を説く、オランダの医師

13日のメモで拾ったオランダの医師による女性の不妊手術へのIC要件緩和提言の論文、 ネット上で全文を読めるようになっていたのでプリントアウトして 読んでみた……というか、読もうとトライしてみた。 FIGO’s ethical recommendations on female sterilizati…

小沢浩『愛することからはじめよう 小林提樹と島田療育園の歩み』

『愛することからはじめよう 小林提樹と島田療育園の歩み』 小沢浩 大月書店 2011 小林提樹と島田療育園については 高谷清著『重い障害を生きるということ』(岩波新書)でも書かれていたので まったく知らなかったわけではないのだけれど、 西の近江学園と…

土井健司『キリスト教を問いなおす』

『キリスト教を問いなおす』土井健司 (ちくま新書) 土井先生のお話は昨年、お聞きする機会があって、 とても心に残っている。 トニー・ブランドの本当の悲劇とは何か(前)(2013/11/8) トニー・ブランドの本当の悲劇とは何か(後)(2013/11/8) ついでに、…

9歳の子どもを一人で公園で遊ばせてたら“遺棄”で親を逮捕(米)

米国社会が親に対する監視社会化を強めていることは 谷口輝世子さんの本でも読んで気になっていたし、 前のブログでも何度か関連記事を拾ってきたけれど、 「子どもがひとりで遊べない国、アメリカ」から「メディカル・コントロールの世界」へ(2011/12/20) …

英議会でオランダの安楽死委員会委員が「すべり坂は起きた。我々の過ちを繰り返すな」

以下のDaily Mail記事より、 http://www.dailymail.co.uk/news/article-2686711/Dont-make-mistake-As-assisted-suicide-bill-goes-Lords-Dutch-regulator-backed-euthanasia-warns-Britain-leads-mass-killing.html オランダの安楽死委員会の委員として約40…

2014年7月13日のメモ

「幇助死は市場資本主義の最後の勝利」とGuardian紙記者。:これ、実際のところ、今日のメモの下のほうに出てくる、優生思想を復活させようとしている富裕層の顔ぶれ見ると、すごく説得力のある説だと思うし。 http://www.theguardian.com/commentisfree/bel…

フランスで5~6世紀のダウン症児の骨を発掘 差別されていなかった?

The International Journal of Paleopathologyに掲載の論文によると、 フランス北東部のSaint-Jean-des-Vignesから発掘された 5または6世紀のものと見られる5-7歳の子どもの骨は これまで発見された最古の、また最年少のダウン症児のもの。 性別は不明。 ダ…

介護者の自殺念慮&ヤングケアラーについて、書きました

介護者の自殺念慮に関する研究はじまる(豪) オーストラリアのグリフィス大学のシオバン・ドゥワイア博士らが、家族介護者の自殺念慮に関する研究を進めている。これまでの論文を眺めてみると、ドゥワイア博士は認知症の人のケアの改善をテーマにしてきた学…

【拡散希望】「尊厳死」法制化に反対する集会(大阪・東京)のご案内

●「尊厳死」法なんて要らない!尊厳ある生を全うしよう ~「尊厳死法いらない連絡会(仮称)」結成にむけて~ 日時:7月5日(土)13時30分開始(開場13時15分) 会場:難波市民学習センター 講堂(OCATビル4階) 地下鉄御堂筋線・四つ橋線・千日前線「なん…

ケアラーの「体験知」、病院スタッフは尊重を

昨日のメモにリンクを取りまとめた英国のExpert Patients Program(EPP)の関連で、 6月16日のメモで拾ったこの記事がとても重要だと思えてきたので。 タイトルはズバリ、 「病院スタッフはケアラーのスキルと知識を認識すべし」 副題は 「ケアラーにはNHSス…

2014年7月3日のメモ

英国NHSの自己管理プログラム、「エキスパート患者プログラム」関連。 http://www.nhs.uk/NHSEngland/AboutNHSservices/doctors/Pages/expert-patients-programme.aspx http://selfmanagementuk.org/ http://selfmanagementuk.org/blog/2013/10/active-self-…

減圧開頭術で重症障害を負った人の大半が「生きられてハッピー」

重症の脳損傷を負った患者さんに 脳浮腫で頭蓋内の圧が高まらないよう、救命措置として 頭蓋骨の一部を外す減圧開頭術が行われる場合がある。 この治療法の問題は、 患者に重症障害が残ることが多い点。 患者の多くは健康な若年者で、 術後の障害が本人にと…