9歳の子どもを一人で公園で遊ばせてたら“遺棄”で親を逮捕(米)

米国社会が親に対する監視社会化を強めていることは
谷口輝世子さんの本でも読んで気になっていたし、
前のブログでも何度か関連記事を拾ってきたけれど、



昨日のWP記事が取り上げている4つの事例のうち、
妊娠中の違法薬物摂取を胎児への暴行とみなす州法が絡んでいる1例を除き、3つとは。

① サウス・カロライナ

マクドナルドで働いているDebra Harrellさん。
夏の間、9歳の娘は母親の働くマックでノートPCで遊んでいたんだけれど、
家に泥棒が入ってPCが盗まれてしまったために、
途中の公園で遊んでいってもいいか、という娘に
母親はいいよと答えて、携帯電話を持たせた。

遊具もあって、
だいたい40人くらいの子ども達が常に遊んでいるような公園だったし。

3日目に、公園にいた大人が「お母さんはどこ?」と聞き、
「お仕事」と答えたために、聞いた人がビックリして警察に電話。
警察は子どもが「遺棄された」ものと判断して母親を逮捕。

WPは「貧困の犯罪化」だと批判している。



Jeffery Williamsonさんの子どもたちは
水曜日と日曜日には教会の無料送迎バスを利用してミサに行く。

その日曜日も、子どもたちはいつもと同じように
父親に手を振って出かけていったのだけれど、その後、
8歳の息子ジャスティンは教会をサボって友達と遊びに行ってしまう。

最初は近所で遊んでいたんだけれど、そのうちに、ちょっと離れたところに店に入る。
そこに、ジャスティンを見知っている大人がいて、警察に連絡。

Williamsonさんは、
「なにも分けがわからず、いきなり警官がやってきて『逮捕します』ですよ。
子どもたちはなんで父親が逮捕されるのか分からないから大泣きになるし」

罪状は child endangerment 
子どもを危険な目に合わせたこと。

ニュースとして報道されて
Williamsonさんは仕事をクビになった。


③ Kim Brookさんのエッセイ

1歳と4歳の子どもを連れて実家に戻っていたBrookさんは
家に帰るために空港に向かう途中で、子どものヘッドセットを買いに店に立ち寄る。
入り口のすぐそばに車を停められたので、一瞬迷った後に
子どもを車に残したまま、走っていって買い物をしてきた。
その間、約5分。特に暑くはない曇り空の日だった。

Brookさんが子どもを車に残して店に向かうのを見ていた人が通報し、
警察が駆けつけたときにはBrookさんはもう立ち去った後だったのだけれど、
警察は車のナンバーから身元を割り出していて、弁護士を雇う騒ぎに。

罪状は contributing to the delinquency of a minor 。
未成年の非行を促した罪。

納得できないBrookさんに弁護士がしてくれた説明とは
「未成年を社会サービスが必要な状態に置くこと」がそれに含まれるのだ、とのことだった。

BrookさんのSalonのエッセイはこちら ↓
http://www.salon.com/2014/06/03/the_day_i_left_my_son_in_the_car/


WP記事は、

The mere fact that state officials were essentially micromanaging these parents’ decisions is creepy enough. That the consequences for the “wrong” decision are criminal is downright scary.

要するに州警察がこうした親の意思決定を事大的に扱っているということで
その事実だけでも十分に不気味だが、

ちょっと判断を誤ったというだけの顛末が犯罪にされてしまうのは、まさしく恐ろしい。