2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ベルギーでは1日平均5人が安楽死 多くが高齢者

ベルギーの大手新聞 Sudpresseが発表したデータによると、 2013年にベルギーで行われた安楽死は 1816件で、 前年2012年の1432件から26.8%の増加。 同紙は 「現在ベルギーでは一月に150件の安楽死がある、と言ってよい。 それは、一日に5人が安楽死にされて…

障害児者に「無益」論で肺炎治療を差し控え: WI大訴訟で障害者団体が「意見書」

5月23日、 自閉症アドボケイトのASAN、Not Dead Yet さらに12の障害者団体が連盟で ウィスコンシン州の最高裁に「法廷の友」意見書を提出。 ウィスコンシン大学病院(UWHC)が、 障害児者が肺炎など、治療が可能な病気にかかったさいに、 抗生剤や栄養と水分…

ケベック州のAid in Dying合法化法案、議会に復活。脳性まひの女性と家庭医が提訴。

カナダ、ケベック州のAID(Aid In Ding 死に際しての援助)合法化法案については、 これまでも以下のエントリーなどで追いかけてきましたが、 ケベック州の安楽死合法化法案、とりあえず通らず、このまま廃案か?(2014/3/13) その続報です。 あの法案Bill 52…

ぷろぺと

最近、ウチの娘はなぜか プロペト(白色ワセリン)がえらく気に入っている。 前の看護科の担当職員の方が 療育園でお風呂上りに塗ってくださっていて、 いつのまにか我が家の引き出しにも常駐するようになったもの。 お風呂上りに 前はちゃんと海用に買った…

死に瀕した子どもの権利「トリエステ憲章」

2012年に、専門家グループによって 不治の病で死に瀕した子どもの権利を謳った憲章を作成するプロジェクトが開始され、 そこで作られた草稿がさらに多くの専門職や専門機関、社会の様々な立場を代表する 50人の専門家によって改訂されて、 このほどイタリア…

スイスのExit, 病気の高齢者なら終末期でなくても自殺を幇助

Exitというのは、有名なディグニタスと違って スイスに1年以上在住した人に限定で自殺を幇助する団体。 2013年には459人の自殺を幇助している。 その中の、フランス語圏で活動するExit A.D.M.D.が 対象者の終末期以外の高齢者への拡大を公式に決めた。 ドイ…

笑える動画「医師、生命倫理学者と出会う」

22日、尊厳死法制化に反対して多くの方が集まられた某所でも 何人かの方からピーター・シンガーの名前が出ていましたが、 シンガーや功利主義的な生命倫理学について 批判的に興味をお持ちの方、必見の動画です。 投稿者はWesley Smith。 The Doctor Meets t…

2014年5月20日のメモ

田口ランディさんが12年8月に書いた「尊厳死についての断片的な思考」というブログ・エントリー。「死ぬ権利」がいかに“コントロール幻想”や「科学とテクノで簡単解決バンザイ」文化と根っこのところでつながっているか、そこにいかに我執が関わっているか。…

フランスの医学生グループが「医学教育で終末期ほとんど学ばないのに」と、安楽死とPASに反対

フランスの医学生のグループ Cure With Dignityが、 安楽死と自殺幇助への反対を表明しているのだけれど、 その理由として、 安楽死にしても自殺幇助にしても、2つの問題を回避することになる、と。 ひとつは、他所でもよく言われている、 「まず緩和ケアを…

オランダとベルギーの安楽死法で起こっていること

5月18日の毎日新聞(大阪版)の1面(3面に続き)に 「「いのち」と向き合う旅」「最期 自ら決める」と題して 「スイス、オランダ 安楽死という選択」という中見出しの大きな記事があり、 特にオランダの安楽死については「一人称の死」という視点から、 特定…

「死ぬ権利」の次は、未承認の実験的新薬を「トライする権利」

「死ぬ権利(the Right to Die)」の次は the Right to Try トライする権利――? 何をトライするかというと、 FDAがまだ認可していない実験的な新薬。 その権利の理念は、 コロラド州の議員さんの言葉に簡潔に要約されている。 For people who are facing dea…

NZの8歳少女に“アシュリー療法”

いずれ、こうなっていくのだろうということは予想していましたが、 現実になってしまうと、やっぱり腹の底から無念。 NZの重症心身障害のある少女に“アシュリー療法”が行われたことが TVで報じられて論争に。 Charley Hooperさんは現在8歳。 4歳の時に韓国で…

ERまで“人工冬眠”療法の実験場に? 「インプライド・コンセント」という名のIC不要論

これも以下の“ぐるぐる”や 「自己決定権」と「医療の不確実性」の関係をぐるぐるしてみる 1(2014/4/22) 「自己決定権」と「医療の不確実性」の関係をぐるぐるしてみる 2(2014/4/22) 昨日のエントリー ↓ の関連。 臨床現場を医療研究の実験場に転じるLearni…

臨床現場を医学研究の実験場に転じるLearning Healthcare Systemと、IC不要論

実は、こちらのエントリーで書いた“ぐるぐる”の関連でもあるのですが ↓ 「自己決定権」と「医療の不確実性」の関係をぐるぐるしてみる 1(2014/4/22) 「自己決定権」と「医療の不確実性」の関係をぐるぐるしてみる 2(2014/4/22) ちょっと気になる論文を読ん…

【拡散希望】尊厳死法制化に反対する共同アピールへの賛同のお願い

尊厳死法制化に反対する共同アピールへの賛同のお願い(2014年4月25日) 私たちは、2012年に尊厳死法制化を考える議員連盟が発表した「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案」に対して、障害者団体の立場から様々な疑問を呈し、法制化反対の…

地域ドゥーラ・プログラム

ドゥーラといえば、 エヴァ・キテイの『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』で読んだ記憶がある。 関連はこちらに ↓ サンデル教授から「私の歎異抄」それからEva Kittayへ(2010/11/25) ACからEva Kittayそして「障害児の介護者でもある親」における問題の…

「もう十分に生きたから、これでお仕舞い」という「理性的自殺」も「死ぬ権利」

「completeする」といえば、 カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』の中で、 臓器庫クローンとして生まれてきた主人公たちが 何度かの臓器提供を経て、最後に心臓や肺など生きることに不可欠な臓器を提供して死ぬのが 「死ぬ」のではなく「completeする…

朝日新聞の耕論 尊厳死法は必要か

(耕論)尊厳死法は必要か 周防正行さん、鈴木裕也さん、安藤泰至さん 朝日新聞、2014年5月9日 周防氏はご存知、映画監督。 2012年に終末期医療を扱った映画「終(つい)の信託」を公開。 鈴木氏は、内科医で 日本尊厳死協会副理事長。 安藤氏は当ブログでも…

2014年5月6日のメモ

こどもとおとなのパートナーシップ誌「はらっぱ」2014年1・2のP.10~11に安積遊歩さんが「大切な命を大切に生きよう 自分のからだに向き合うこと」として、アシュリー事件のことを詳細に書いてくださっている。「まずこの事件で一番恐ろしいのは、親の…

『死の自己決定権と「無益な治療」論の現状』

死の自己決定権と「無益な治療」論の現状 この連載では2006年の開始から、海外の「死の自己決定権」や「無益な治療」論の周辺で起こる事件や議論を折に触れて紹介してきた。06年からだけでも、すでに数え切れないほどの事件や訴訟が起こり、議論も多くの変遷…