書いたもの
長いこと、書けずにいたのですが、 5年かかって書いた本が、来月、刊行の見通しとなりました。 『殺す親 殺させられる親 ―重い障害のある人の親の立場で考える尊厳死・意思決定・地域移行』 生活書院から、2300円です。 詳細は生活書院さんのHPにあります ↓ …
Amazonでしばらく品切れ状態が続いていた 以下の拙著ですが、2刷りが出来てきました。 『新版 海のいる風景 重症心身障害のある子どもの親であるということ』 (2012 生活書院) 絶版になった地味な本を 新版として復活してくださったばかりか、 さらに増刷…
7月31日のエントリーで紹介した英国高等法院の判断について、 英国で初めて植物状態の人からの栄養と水分引き上げを認めた1993年のブランド判決から、 2013年の最小意識状態の人からも認めた判例までの流れに簡単に触れながら、 英国の意思能力法(MCA2005)…
日本ケアラー連盟のニュースレターNO.7に、 以下の記事を書きました。 刊行は2月下旬の予定です。 医療的ケアを必要とする子どもをめぐる現状と課題 日本ケアラー連盟理事 児玉真美 急増する「医療的ケア児」 近年、医学の発達で新生児の救命率が上がり、経…
「地域医療ジャーナル」2月号に 「『無益な治療』論とDNAR指示」という文章を書きました。 「無益な治療」論を 「患者や家族の決定権」と「医療職のインテグリティ」との対立と捉え、 米国、カナダ、英国の無益論関連の事件と議論を振り返りつつ、 12月に出…
11月4日(金)に、慶応大学経済学部の大学院で(慶應義塾経済学会の報告会も兼ねて) 最首悟先生が「社会学としての『いのち論』」と題して講義をされ、 (企画、司会をされた高草木光一教授が依頼されたタイトルは 実は「社会科学としての『いのち論』」だ…
7月26日未明に起こった相模原障害者殺傷事件について、 以下の一つは書き、もう一つはしゃべりました。 ① 『現代思想』10月号 緊急特集=相模原障害者殺傷事件に 「事件が『ついに』起こる前に『すでに』起こっていたこと」という論考を 書きました。 9月26…
CMJこと「地域医療ジャーナル」の2016年9月号に 「お医者さんたちの『まさか?』な死に方から『人を癒せる医療』に必要なものを考えてみる」 という記事を書きました。 7月30日のメモで拾ったWPの記事、 ”The Sobering Thing Doctors do When They Die”から…
ご報告がちょっと遅くなりましたが、 「地域医療ジャーナル」5月号に、 「黒人の皮膚は白人よりも厚い……? ~痛みとdiagnostic overshadowingを考える~」 という記事を書きました。 こちらのエントリーの話題を中心に ↓ 痛みのアセスメントと治療における人…
ウェブ・マガジン「地域医療ジャーナル」の4月号に、 「『臓器不足』問題は私たちをどこへ連れて行くのでしょう?」という記事を書きました。 3月18日の最終第10話で終わったTBSドラマ「わたしを離さないで」と、 イシグロの原作小説、映画の話から、 …
以下のエントリーでお知らせしたように 今年の8月から「地域医療ジャーナル」というウェブ・マガジンに 記事を書いています。 【お知らせ】ウェブ・マガジン「地域医療ジャーナル」の記者になりました(2015/7/3) 「地域医療ジャーナル」7月号増刊号「EBMの父…
ウェブマガジン「地域医療ジャーナル」8月号 「集うことの意味」が刊行になりました。 http://cmj.publishers.fm/issue/1545/ 私はこの回が記者デビューとなるので 自己紹介を兼ねて「アシュリー事件をご存知ですか?」という記事を書きました。 このブログ…
思いがけないお誘いをいただいて、 bycometさんが3月に創刊されたウェブ・マガジン「地域医療ジャーナル」に 記者として参加させてもらうことになりました。 bycometさんの創刊の言葉(2015年2月27日)はこちら ↓ 地域医療ジャーナルとは 読者のみなさま、は…
論文「地域における知的・発達障害者の医療」を読む 知的・発達障害(IDD)のある人々が適切な医療を十分に受けることができていない問題と、その解決に向けた米国のクリニックの取り組みについて、先月号の当欄で紹介した。その後、この問題をめぐって米国…
知的・発達障害者のためのクリニック(米) 大晦日、ウェブ版の『ニューヨーク・タイムズ』で“the Challenging Patients”というビデオが目に付いた。「処遇困難な患者」とはどういう患者のことかと観てみたら、知的・発達障害(IDD)者のことだったので、関…
ケアラーズ・ウィーク(介護者週間):豪州 4月に千葉県で高次脳機能障害がある同居の義兄(当時38)を殴り、死亡させた男性(35)に対して、10月20日、千葉地裁から懲役3年、執行猶予4年の判決が言い渡された。もちろん事件の詳細が分からないまま記事を読…
知的障害者仕事体験週間(英国) 11月10日から16日まで、英国では「知的障害者仕事体験週間(Learning Disabilities Work Experience Week)」が開かれる。昨年に続き2回目。主催は、知的障害者チャリティであるメンキャップMencapと、インクルーシブ(包摂…
【7日追追記】 この本を読んでくださる方へお願い。 ウーレットの本書での終末期に関する考えは、 本書刊行後にさらに変化しております。 それについては最後の「補論」にも書いておりますが、 今年、ウーレットはこの記事にTBしたエントリーで紹介した論文 …
先月号の『介護保険情報』の連載「世界の介護と医療の情報を読む」で書いた 「VSED(自発的飲食停止)」と「理性的自殺」こそ、 「死ぬ権利」運動の最先端で起こっている「自殺の勧め」と「自殺への支援」なのですが、 ブリタニー・メイナードさんの死は「医…
認知症介護者支援プログラムSTART(英国) 英国では認知症ケアのコストは現在、年間約3.9兆円。30年後には3倍に膨らむと予測されている。認知症の人の約3分の2に当たる67万人が主として家族の介護を受けて自宅で暮らしており、これら介護者による英国経済へ…
「エキスパート患者プログラム」英国 重い障害のある子どもの親となってから27年近く、ずっと医療と生活の関係が気になっている。「患者や障害者は、自分の体の状態とつき合いながら『生活』してゆかねばならないのに、そのことの全体像を念頭におきながら考…
孫を育てながら働く高齢女性、不況で増加 英国労働組合会議(TUC)から2月27日に、50歳以上の働く女性に関する詳細な報告書、「年齢なんて関係ない 50歳以上の働く女性たち(Age Immaterial Women Over 50 in the Workplace)」が刊行された。2012年の労働者…
介護者の自殺念慮に関する研究はじまる(豪) オーストラリアのグリフィス大学のシオバン・ドゥワイア博士らが、家族介護者の自殺念慮に関する研究を進めている。これまでの論文を眺めてみると、ドゥワイア博士は認知症の人のケアの改善をテーマにしてきた学…
死の自己決定権と「無益な治療」論の現状 この連載では2006年の開始から、海外の「死の自己決定権」や「無益な治療」論の周辺で起こる事件や議論を折に触れて紹介してきた。06年からだけでも、すでに数え切れないほどの事件や訴訟が起こり、議論も多くの変遷…
染色体異常と「無益な治療」論 昨年11月3日に行われた医療的ケアを必要とする児者の地域生活支援を巡るシンポで、ちょっと気になる話を耳にした。全く別の2つの報告の中で、「トリソミーの子は短命なので手術はしません、と親が医師から告げられた」と、偶然…
認知症ケアのガイド『ケアの三角形』(英国) 『ケアの三角形 The Triangle of Care』――。昨年秋、英国の介護者支援チャリティ、ケアラーズ・トラストが英国看護協会との協働により刊行した認知症ケア・ガイドのタイトルである。表紙には交通標識のような三…
シノドスに以下のレポートを書かせてもらいました。 『どうせ高齢者』意識が終末期ケアにもたらすもの―英国のLCP報告書を読む』 http://synodos.jp/welfare/6606 リバプール・ケア・パスウェイ(LCP)の機械的適用問題については ↓ “終末期”プロトコルの機会…
広がる“ゼロ時間契約”労働(英国) 先日、ある福祉施設の幹部との会話で話が介護職の非正規化に及んだので、「英国で問題になっているらしいのですが、“ゼロ時間契約”という雇用形態をご存知でしたか」と聞いてみた。この夏、英国で“zero-hours contracts”と…
これもエントリーにし忘れていた 『介護保険情報』2013年1月号の 連載「世界の介護と医療の情報を読む」第79回 高齢者施設の人権擁護NPOキャナー(米国) シンポジウム「日米の高齢者施設における人権擁護の現状」が10月26日に都内で開催され、高齢者施設の…
エントリーにするのをうっかり忘れていた 『介護保険情報』誌9月号の連載「世界の介護と医療の情報を読む」第87回。 全国介護者カウンセリング・プログラム(豪) オーストラリア健康高齢化省は2012年8月に「全国介護者レスパイト・プログラム(NRCP)」を発…