2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

McMath事件は、どんどん醜くなってゆく

McMath事件についてこれまでのエントリーは、こちらにリンク一覧とともに。 こちらのエントリーのコメント欄で えりさんから教えていただいた記事。 Jahiさんの転院に関わった支援者の周辺情報や 大手メディアが報じない詳細が書かれている。 Life or Death …

森達也『「自分の子どもが殺されても同じことを言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』

『「自分の子どもが殺されても同じことを言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』 森達也 ダイヤモンド社 2013 2007年10月から ダイヤモンド社のPR誌『経』に森氏が書いている連載 『リアル共同幻想論』をベースに手を入れたもの。 不安と恐怖を抱え込んだ社会は、…

「謎の円盤UFO」と「ザ・ビーチ」

昨日、人に教えてもらった話。 1970年から1971年にかけて日本で放映された 英国のTVシリーズ「謎の円盤UFO」の第1話は、 なんと、 宇宙人が地球人の臓器を移植しているという話だったんだとか。 それで、以下のウィキペディアを覗いてみたら、 http://ja.wi…

2014年1月28日のメモ

1月8日のメモで拾った、妊娠中に脳死状態となった女性の生命維持を巡るテキサスの係争、Munoz事の続報。脳死者は死者だからテキサスの事前指示法の適用外との判決。上はNYT。下2つは日本語記事。 http://www.nytimes.com/2014/01/27/us/texas-hospital-to-en…

McMath事件: 医療過誤と「生命維持停止」を巡る”倫理”問題のカラクリ

McMath事件についてのこれまでのエントリーは以下。 脳死と診断された少女の生命維持をめぐるMcMath訴訟(2014/1/4) 続報から考えるMcMath事件、「脳死は死」と「無益な治療」論の問題点(前)(2014/1/22) 続報から考えるMcMath事件、「脳死は死」と「無益な…

続報から考えるMcMath事件、「脳死は死」と「無益な治療」論の問題点 (後)

(前のエントリーからの続きです) それから、この論考について特筆しておきたいこととして、Drakeが メディアでコメントしているのも生命倫理学者も白人男性だという点を鋭く指摘していること。 (かつて「アシュリーが美しい白人の女の子でなかったら、世…

続報から考えるMcMath事件、「脳死は死」と「無益な治療」論の問題点 (前)

Jahi McMath事件をずっと追いかけておられる、えりさんのブログ・エントリーで知った2つの論考から、 気になる情報をピックアップ。 まず、続報としてメモしておきたいのは、 Jahiさんは1月6日に家族が発表したところでは 介護施設に移ったとのこと。 以下、…

日本社会臨床学会シンポ 「生命の変化を考える~胎児診断と延命医療の現状から」報告

いつもお世話になっているkar*_*an28さんからのいただきもの。 『社会臨床雑誌』第21巻第2号掲載の 「日本社会臨床学会第21回総会報告(201年5月18~19日)の シンポジウムⅡ 「生命観の変化を考える~胎児診断と延命医療の現状から」報告。 特に興味深かった…

2014年1月18日のメモ

カナダBC州のGloria Taylor訴訟、カナダ最高裁へ。これまでについてはこちらに ⇒カナダBC州最高裁からPAS禁止に違憲判断(2012/6/18) http://www.ottawacitizen.com/news/Supreme+Court+hear+appeal+assisted+suicide+case/9394542/story.html 英国の人気TVド…

LCP適用を巡って、家族と医療サイドに新たな係争(英国)

Robert Gooldさん(69)はアルツハイマー病だった。 転んで首、背中、頭蓋骨とほほ骨を骨折し、 その後、脳出血を起こしたために 2013年2月3日に、Lister病院から Addenbrooke病院のNCCU(神経科集中治療室)に転院した。 2月25日に死亡。 死後に検死解剖…

今日のボケ: 紅茶

朝、起きたら、 台所のシンクのそばに、 ティー・バッグを深く沈めたまま、なみなみと冷え果てて、 くすんだ色に出がらした“紅茶”のカップが ぽつねんと座っていた。 昨夜、お風呂上りに、 メールを一つだけ書こうと思いつき、 まずキッチンで ティー・バッ…

【お知らせ】守田憲二さん講演「死体とされた人からの臓器摘出に、なぜ麻酔や筋弛緩剤を使うのか」2月2日

貴重な情報を教えてくださるなど いつもたいへんお世話になっている守田憲二さんが2月2日、 臓器移植法を問い直す市民ネットワークの第5回市民講座で講演されるそうです。 タイトルは 「死体とされた人からの臓器摘出に、なぜ麻酔や筋弛緩剤を使うのか?」 2…

2014年1月14日のメモ

NM州でPAS合憲判断。もともとの病気で死に瀕している人への致死薬の処方は aid in dyingであって自殺幇助とは別、との主張が認められた格好みたい。こういう論法が出てきたこと、要注意。 http://www.abqjournal.com/335913/abqnewsseeker/judge-doctors-can…

松永正訓『運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』 2

(前のエントリーからの続きです) 朝陽君の事例で最も印象的だったのは 朝陽君が彼なりに成長していく姿と著者が“出会って”いくプロセス。 例えば、朝陽君がお風呂に入ったりマッサージしてもらうと、 脱力して気持ちよさそうな「ほっこり」した顔になるの…

松永正訓『運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』 1

松永正訓 『運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』 小学館 2013 (リンクから冒頭部分が試し読みできます) 2013年度 第20回小学館ノンフィクション大賞の大賞受賞作品。 まず、本書から 13/18トリソミーとその周辺について簡単に…

LCP報告書について、シノドスに書きました

シノドスに以下のレポートを書かせてもらいました。 『どうせ高齢者』意識が終末期ケアにもたらすもの―英国のLCP報告書を読む』 http://synodos.jp/welfare/6606 リバプール・ケア・パスウェイ(LCP)の機械的適用問題については ↓ “終末期”プロトコルの機会…

ファーロウ事件から松永正訓『運命の子 トリソミー』へ: トリソミー13/18を巡る生命倫理 3

(前のエントリーからの続きです) ⑤ ジャンヴィエ論文(2013) 11月のシンポから、この問題がずっと気にかかって、 頭の中でぐるぐると考え続けているうちに、 上記②の論文を書いたアニー・ジャンヴィエがもう一人の学者との共著で 新たに13/18トリソミーの…

ファーロウ事件から松永正訓『運命の子 トリソミー』へ: トリソミー13/18を巡る生命倫理 2

(前のエントリーからの続きです) ③ ダニエル君の手術を巡る倫理委の議論 その他のトリソミー13/18関連エントリーとしては、 2011年のJournal of Perinatologyに掲載された NICUでの「無益な治療」判断には倫理委を活用するよう提言した論文を読んで、 2つ…

ファーロウ事件から松永正訓『運命の子 トリソミー』へ: トリソミー13/18を巡る生命倫理 1

今年の最初の読書は以下の本だった。 松永正訓 『運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』 小学館 2013 (リンクから冒頭部分が試し読みできます) すばらしい本だった。 こんな柔らかな感性と強い使命感で 患者や家族と誠実に向き…

今日のボケ:好調

去年、書いておきながら うっかりそのままアップし忘れていたもの。 ――――― ある人に送ったメールにあった間違い3つ。 代金星 ← 大金星 人物造詣 ← 人物造詣 アマリンダ大学 ← ロマリンダ大学 上2つは誤変換ですが、 3つ目は 「似て非なるもの」に勝手に置き…

2014年1月8日のメモ

4日のエントリーで取り上げたMcMath事件と平行して、テキサスの「事前指示法」が思いがけない形で問題となっているMunoz事件。突然自宅で倒れて脳死状態になった女性は妊娠14週。家族が生命維持中止を決心するも、同法の規定が妊娠している女性では生命維持…

ハッサン・ラスーリさん、転院へ

前のブログから追いかけてきたカナダのラスーリ訴訟の続報。 「“治療停止”も“治療”だから同意は必要」とOntario上位裁判所(2011/5/17) 「患者に選択や同意させてて医療がやってられるか」Razouli裁判続報(2011/5/19) カナダのRasouli事件、最高裁へ(2011/12/…

2014年1月5日のメモ

今日から、「○月○日のメモ」として 前のブログの「○月○日の補遺」シリーズを復活しようと思います。 ざっと目を通した情報が ブクマしただけでは頭に留まらないし、 後で検索するのも困難になりそうなため、 主として自分自身の情報ファイリングとしてのシリ…

脳死と診断された少女の生命維持をめぐるMcMath訴訟

ここしばらくサッデウス・ポウプの無益な治療ブログが何度も追いかけていた 脳死と判定された少女の生命維持続行をめぐるサンフランシスコの訴訟。 少女はJahi McMathさん。13歳。 先月、オークランドの子ども病院に入院し、 小児睡眠時無呼吸症候群の治療…