【お知らせ】守田憲二さん講演「死体とされた人からの臓器摘出に、なぜ麻酔や筋弛緩剤を使うのか」2月2日

貴重な情報を教えてくださるなど
いつもたいへんお世話になっている守田憲二さんが2月2日、
臓器移植法を問い直す市民ネットワークの第5回市民講座で講演されるそうです。

タイトルは
「死体とされた人からの臓器摘出に、なぜ麻酔や筋弛緩剤を使うのか?」

2月2日(日) 午後1時30分~5時
会場は 豊島勤労福祉会館 第3・第4会議室

死亡宣告がされた死体のはずの人から移植用臓器を摘出する際に、麻酔や筋弛緩剤を投与するべく手配をされていることはご存知でしょうか?この実態は、法的脳死判定・臓器提供を検討する家族にも知らされることがなかったため、臓器提供後に薬物を投与されることを知り「なんとむごいことをしてしまったんだろうと思いました。かわいそうなことをした、むごいことをした」と後悔しているケースも報告されています。

 2013年に開催された日本麻酔科学会学術集会で、大阪大学医学部付属病院麻酔科の林 行雄医師は「(脳死ドナーの)循環管理のために麻酔薬を投与することで生じる誤解を、たとえそれが医学的に正しいとしても、国民の方々に理解していただくことは現状では容易ではない。“李下に冠を正さず”とするのが現実的であろう」と講演しました。近年は、「臓器摘出時に麻酔は不要」とマニュアル化され、筋弛緩剤だけ投与する脳死臓器摘出が一般化しています。

 ザック・ダンラップ事件では、脳死判定で死亡宣告され臓器ドナーとされた男性が社会復帰しました。法的脳死判定30例目では「脳死ドナーには効かない」と周知されているアトロピンが敢えて投与され、そして効きました。このように脳死判定の誤診は現実問題ですが、「脳死判定を誤る危険性は全くない」との前提で麻酔をかけない臓器摘出を行うことは、生体解剖されるリスクを善意の臓器ドナー候補者、その家族に何も知らせずに、全て負わせることに他なりません。

 心停止後の臓器提供でも、人工呼吸器を停止して死ぬまでの苦しみを軽減する、あるいは苦しみながら死に至る断末魔状態を患者家族に見せないようにする、そして早期に死なせて獲得できる臓器を増やすために麻酔薬や筋弛緩剤が投与されます。心臓死の死亡宣告後に人工呼吸と心臓マッサージを行ない、麻酔器につないで臓器を摘出する手術室に運ぶことが1960年代から行われています。

 日本弁護士連合会は、和田心臓移植事件に対する調査報告書(1973年)で麻酔薬と筋弛緩剤が手配された事を指摘して、「患者が生きている証拠である。死んでいる者や死にかかっている者には無用の薬である」と指摘しました。それから半世紀を経た現代でも「理解していただくことは現状では容易ではない」と隠ぺいされ続けることは、人を死体として移植用臓器を摘出する行為に根本的な問題のあることを示します。


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