2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

2014年2月28日のメモ

Cambridge Quarterly of Healthcare Ethics誌になぜ731部隊の医師らは戦後、責任追及をまぬかれたのかという問題に関する論文。米国の政治的判断でナチスに協力した医師らは処刑され、日本の731部隊の医師らは免罪された、と。 http://journals.cambridge.or…

痛みスケール

兄が手術をした。 麻酔から覚めてしばし、 何度も顔をしかめては「傷が痛い」と訴える。 義姉が呼びにいき、 やがて看護師さんが入ってくると、 「今まで経験したことのない痛みを10として 全く痛みがない状態を0としたら、今の痛みはどのくらいですか?…

米国小児科学会から、オランダの新生児、ベルギーの子どもの安楽死に批判声明

米国小児科学会から オランダの周産期の安楽死とベルギーの子どもの安楽死合法化について 「医師は癒すものであり、殺すものではない」とのタイトルのプレス・リリース。 米国小児科学会はそれらにappalled (唖然としている)など、 非常に強いトーンの文言…

Bill PeaceとBarbara Farlowがシラキュース大でシンポ!!

4月4日金曜日、シラキュース大学で Bill PeaceとBarbara Farlow他がシンポを開く。 http://watsonsymposium.syr.edu/ (Bill Peaceについてはアシュリー事件の最初から もう数え切れないほどのエントリーを書いてきた。 2009年の「障害者差別反対ブログを書…

85歳のイタリア女性、容貌の衰えを苦にスイスで自殺

はあああああ? ……と思わずモニターの前で口にしてしまうニュースが 「死の自己決定権」の周辺では続発していますが、 今度は 心身ともに健康な容貌自慢のイタリア人女性Oriella Cazzanelloさん(85)が 年をとって自慢の容貌が衰えてきたことを苦に、 スイ…

オランダ安楽死運動のパイオニア精神科医が「ここ2年で安楽死法は脱線してしまった」

2月5日のエントリーで オランダの安楽死クリニックでの精神障害者の安楽死が 報告されていることを取り上げましたが、 2月3日付の以下の記事には、 さらに気になる内容があるので。 The Dutch Debate Doctor-Assisted Suicide For Depression The Daily Beas…

「施設に入るよりも死んだほうがマシ」かどうか、自分の「終末期の問題」としてちゃんと考えておこう……?

米国の「死の自己決定権」に また新たな拡大ヴァージョンが出てきて、びっくり。 ミシガン州セント・ジョセフで 77歳の夫が同い年の妻を銃で撃って殺害、その後 自分も同じ銃で自殺したという事件が起こり、 「慈悲殺」事件というタイトルで報道されているの…

いや、トロいんじゃなくて……

今日のエスキー・テニス教室で あんまり前衛として攻撃に失敗ばかりするものだから 後衛の人(くじ引きで決まる。ほとんどベテラン)に試合途中で 「私、やっぱり前に出るのがトロいんですかね~」と 聞いてみたら、 「いや、そんなことはないよ。 トロいっ…

スイスの自殺幇助の実態に関する調査報告

スイスの自殺幇助の実態について 死ぬ権利運動組織から提供された 2003-2008の自殺幇助1301件の匿名データを分析した結果が The International Journal of Epidemiologyに Mattias Egger教授らベルン大学の研究者から報告されている。 データの詳細は元記事…

2014年2月18日のメモ

カナダ、ケベック州の尊厳死法は安楽死と医師による自殺幇助の両方を緩和ケアの一環として認め、「死の幇助」の新たな地平を開くんだとか。 http://www.cbc.ca/news/canada/quebec-s-dying-with-dignity-law-would-set-new-standards-1.2537259 それに対する…

Jahi McMath事件は「脳死」概念の道徳的問題をあぶりだしている、と医師のブログ

いただきものの Jahi McMath事件関連のブログ・エントリー。 ブログ主は医師。 Rreal(Cardiac) Death and Invented (Brain) Death: the Oakland Case Status latrogenicus、Jaunary 5, 2014 特に興味深かったところを抜きます。 When I tell a family that t…

老夫婦がネットで毒物を入手し心中、検死官が「2人は尊厳のある死に方を選んだ」(英)

某MLに投稿したので、 それでこっちにもエントリーにしたつもりになっていた英国のニュース。 余裕がないので、ML投稿のままを以下に。 こういう事件はもう大きく騒がれることすらなくなりつつあるみたいですが、 英国で69歳のがんの夫と不調は諸々あるけ…

「未成年に殺人罪での死刑は認めないけど安楽死は認める国」 米の法学者

WPに 「ベルギーの子どもの安楽死法がアメリカとアメリカ憲法にとって意味するもの」 と題した憲法と国際法を専門とする法学者の論考。 米国は16歳から死刑を適用する野蛮な国だと ヨーロッパ諸国は非難し続けており、 2005年に米国最高裁もRoper v Simmon…

「英国でも子どもへの安楽死は密かに行われている」とDr. Death

全然読めていないのだけど、 このごろ、すぐ記憶から飛ぶので、とりあえずメモ。 ベルギーのニュースを受け、 英国のDr.Death、 Irwin医師が 英国でも子どもへの安楽死はすでに行われている、と発言し、 保健相が調査を指示した、というニュースが出ている。…

ベルギーの「緩和または終末期の鎮静」8割が患者の明示的要望なし

BioEdgeが1月末に以下のエントリーで ベルギーの終末期医療の実態に関する論文を紹介していることは、 2月4日のメモの冒頭で拾いました。 More questions about Belgian euthanasia BioEdge, January 31, 2014 この元論文をゲットしてくださった方がある…

ぶち恐ろしい空目

ベルギーの「子どもの安楽死」やら その他もろもろで頭が「安楽死」や「死ぬ権利」の周辺を ぐるぐるぐるぐるぐるぐるしている最中に、 Carer で設定してあるアラートが以下の記事を拾ってきた。 http://www.theinformationdaily.com/2014/02/14/digital-ski…

ベルギーの重病の子どもたちの願いは「まだ人間でいる間に死なせて」?

ベルギー議会が子どもの安楽死を認める法案を可決したことについては 以下のエントリーでお知らせしましたが、 ベルギー議会、子どもの安楽死認める(2014/2/14) 某MLでいただいたBBCの記事とビデオ。 Belgium’s parliament votes through child euthanasia B…

ベルギー議会、子どもの安楽死認める

ベルギー下院が昨日13日、年末の上院に続いて 安楽死法の対象者要件から年齢を削除し 子どもにも安楽死を認める改正法案を可決したとのこと。 すぐに読めないので、取り急ぎ、 見つけたニュースを以下に随時追記していきます。 http://www.dw.de/belgium-app…

シャイボ事件を巡る米国障害者運動内の溝:メアリー・ジョンソンの論考(2005)

テリ・シャイボさんが亡くなったのは2005年3月31日。 その2日後に障害者運動の活動家、Mary Johnsonが シャイボ事件の論争とイーストウッドの映画『ミリオンダラー・ベイビー』を巡る論争を取り上げて、 Ragged Edgeに書いた長文の論考。 シャイボ事件での障…

2014年2月11日のメモ

米ミネソタ州で、法定代理人に被代理人の生命維持の中止に同意する権限があるかどうかが焦点となった訴訟が起きている。 http://medicalfutility.blogspot.jp/2014/02/in-re-tschumy-can-guardians-consent-to.html NYTに「『死のほう助』運動、いくつかの州…

マグナス、ウィルフォンド、カプランが「脳死は死、スタンダード死守せよ」とNEJMに

McMath事件については、以下のエントリーで追いかけてきました。 脳死と診断された少女の生命維持をめぐるMcMath訴訟(2014/1/4) 続報から考えるMcMath事件、「脳死は死」と「無益な治療」論の問題点(前)(2014/1/22) 続報から考えるMcMath事件、「脳死は死…

カナダのジェシカちゃん一家からベルギー国王に「子どもの安楽死、認めないで」訴えビデオ

ベルギー議会に提出されている未成年に安楽死の対象を拡大する法案について これまでのエントリーはこちら ↓ ベルギー社会主義党「未成年と認知症患者にも安楽死を」(2012/12/22) ベルギーでは既に未成年にも安楽死が日常的に行われていた(2013/3/3) なお同…

オランダの安楽死クリニックで精神障害者9人に安楽死(2013)

オランダに2012年初頭に立ち上げられた安楽死専門クリニックと そこを拠点とする「起動安楽死チーム」に関する情報が オランダのメディアから英語記事として出ている。 In The Neitherlands, nine psychiatric patients received euthanasia Nrc.nl, 日付? …

2014年2月4日のメモ

ベルギーで終末期の鎮静の8割が本人の明示的な要望なしに行われている、22%では医師が死なせる目的で鎮静している、などの調査結果が出てきている。:元論文を送ってくださった方があるので、近く読んでエントリーにするつもり。ちょっと気になるのは2007年…

お母さんが泣いたりしたら、困る……

夕方のNHKで 避難生活が続く福島の子どもたち(小学5年生)への インタビューをやっていて、 学校で「フクシマ」とか「放射能」とか言われた、という体験を 複数の女の子が話し、 その中の一人が、 「親に相談したらって、よく言われるけど、 でも、お母さん…

今度は「ペースメーカーのスイッチを切る」患者の自己決定が問題に

去年もこんなニュースを拾っていますが、 「ペースメーカーを切ってほしい」と希望する患者が増えている(米)(2013/5/6) 心臓のペースメーカーや除細動器を入れたりつけたりしている人が もともとの心臓病や別の病気から非常に重篤な状態になった場合に、 …

【お知らせ】シンポジウム「介護を担う10代・20代の子どもたち」2月23日

日本ケアラー連盟からのお知らせです ヤングケアラー・シンポジウム 「介護を担う10代・20代の子どもたち」 日時:2014年2月23日(日)13:00~16:00 会場:成蹊大学 8号館 202教室 (東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1) 参加費: 2000円(学生&ヤングケアラ…

McMath事件:「自己決定」と「脳死」をめぐる生命倫理学者の発言の不思議

McMath事件について いろいろ調べてくださっているえりさんのツイッターに いくつも興味深いリンクがあって、取り急ぎ、その中の一つからメモ。 Jahi McMath, Brain Death, and the Lies of the Medical Establishment Gratiaetnatura’s Blog, December 31, …