「施設に入るよりも死んだほうがマシ」かどうか、自分の「終末期の問題」としてちゃんと考えておこう……?

米国の「死の自己決定権」に
また新たな拡大ヴァージョンが出てきて、びっくり。

ミシガン州セント・ジョセフで
77歳の夫が同い年の妻を銃で撃って殺害、その後
自分も同じ銃で自殺したという事件が起こり、
「慈悲殺」事件というタイトルで報道されているのだけれど、

2人がそれぞれいくつもの病気を抱えていたこと、
アシスティッド・リビング(自立度の高い人向けの入所施設)には
入らないと決めていたことから、

子どもたちは、両親がそういう行動をとったのはわかる、と語っており、

記事にあるニュース映像では
スタジオのキャスターが「私たちにとっても、このような終末期の問題は
彼らと同じような状況になった時に自分ならどうするか、
きちんと考えておくべきですね」とコメント。

それを受けて現場のレポーターが
「8割が介護施設に入るくらいなら死んだほうがマシ」と答えている、という調査データを紹介……。



植物状態になるくらいなら、
認知症になるくらいなら、
寝たきりになるくらいなら、
死んだほうがマシ……ヴァージョンはさんざん目にも耳にもしてきたけれど、

今度はよもやの「家を出て施設に移るくらいなら死んだほうがマシ」への拡大?

そのうちに「施設に入るのがイヤだったから、スイスへ」という人も
出てくるのだろうし、もしかしたら、すでにいるのかもしれない。

“アシュリー療法”の正当化でも
施設入所の回避策として、というのが一番ウケのよい論点だった。

施設に入ったらレイプされる確率が高い、とまで言われて、
子宮摘出が正当化される一方で、

そんなに米国の施設ケアが劣悪なんだったら、
その改善をこそ議論しなければ、という声はどこにもないままに。