2017-02-14から1日間の記事一覧

藤原里佐『重度障害児家族の生活 -ケアする母親とジェンダー』 4

(前のエントリーからの続きです) 第5章は「家族の生活に表れるリスク―『問題のない家族』を演じることの矛盾」 ここで著者が考察しているのは、 家族はなぜ自分の負担感や葛藤を抑制せざるを得ないのか、という問い。 障害児のケアが全面的に母親に集中す…

藤原里佐『重度障害児家族の生活 -ケアする母親とジェンダー』 3

(前のエントリーからの続きです) 第2章 第5節のタイトルは「ケアする母親」であることの強制。 調査の中で、ある母親から 「親にすべてがかかっている」という発言が出てくる。 そうした事態の深刻さは、母親自身以外には、障害児の関係者にすら共有されて…

藤原里佐『重度障害児家族の生活 -ケアする母親とジェンダー』 2

(前のエントリーからの続きです) 序章と第1章「分析視角の設定」で明確にされているのは、 これまでの、主として身体障害者とその親を念頭に展開されてきた 母親を「差別者」とみなしたり、本人との対立関係で捉える視点への不同意。 例えば、 横塚晃一の…

藤原里佐『重度障害児家族の生活 -ケアする母親とジェンダー』 1

藤原里佐『重度障害児家族の生活 -ケアする母親とジェンダー』(明石書店 2006) 著者は保育士、養護学校教員を経て、北星学園大学短期大学部助教授(刊行時)。 初読はいつだったのか、記憶が曖昧なのだけど、 2010年ごろじゃなかったかと思う。 3500円も…

海が「意見」表明をしました

今日、娘の施設で何年ぶりかの個人懇談でした。 私はこういう場面では、なるべく海を同席させてもらうことをお願いしてきたのですが、 今回はそうしないつもりでした。 海を同席させてもらうことを考えてみたいと思ったのは、 アシュリー事件からのあれこれ…