2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

看護師さんの会話

今日のお昼に 隣の席にいた女性2人。 どうやら別々の病院に勤める看護師さんのようだった。 若い方の女性が、 最近、看取りケアに関する研修に参加したばかりのようで、 とても感動した、と熱っぽい口調でその内容を語っているみたい。 年上の方の女性は「…

ハロウィーン

もう20年近くも前から、 仕事が煮詰まったり、頭の中に解きほぐしたいことがあったり ケリや始末をつけなければならない気持ちを抱えた時などに、 年に数回、“独りドライブ”にいく県北の町がある。 行き始めたのは、ある桜の季節がきっかけだった ⇒ 桜並木(2…

「周辺」を先進国内に作っていく「帝国」

昨日の毎日新聞の文化面で 『パラダイムシフト――2100年への思考実験 第2部 脱「成長」への道 6」として 水野和夫さん(エコノミスト、日本大教授)による 『資本主義の「過剰」性、、是正を』という寄稿が 掲載になっており、 どすん、どすん……とばかりに…

【レポート】10代の介護体験を考えるセミナー

日本でも少しずつ ヤングケアラーへの支援への模索が始まっています。 10月6日に開催された「介護なんでも文化祭」で 日本ケアラー連盟の主催により「10代の介護体験を考えるセミナー」が開催され、 16歳から認知症の祖母の介護を担い、22歳の時に看取りを終…

高谷清氏の「重症障害者の意識」を巡る考察

高谷清氏による、 『重い障害を生きるということ』より3年も前の 重症児者の「意識」のあり方についての考察。 『人間発達研究所通信』2009年3月号の「発達論的エッセイ⑦」 タイトルは『「外在意識」と「内在意識」』(p. 3-8) このエッセイの冒頭、高谷氏は…

佐野洋子「死ぬ気まんまん」

佐野洋子『死ぬ気まんまん』(光文社文庫) ジュリー(沢田研二)が好きだという話のくだりで、 今、ジュリーのような退廃的なムードを持っている人はいないし、あんなに歌がうまい人もいない。私はしみじみ、ジュリーが江戸時代の人でなくて、ナマを見れた…

「人格」と「尊厳」をめぐる偶然

この数日、たいへん興味深い「偶然」が続いていて、 その偶然が私の頭の中で「糸をつむぐ」ような感じに 人が考えていることを繋ぎ、まとめていくような印象でもあるので書いておこうと思って。 まずは、ここしばらく私自身が考えていることを 10日に以下の…

死にゆく人のかたわらにただ寄り添って

茨木のり子さんの詩 「マザーテレサの瞳」の一節。 外科手術の必要な者に ただ包帯を巻いて歩いただけと批判する人は 知らないのだ 瀕死の病人をひたすら撫でさするだけの 慰藉の意味を 死にゆく人のかたわらにただ寄り添って 手を握りつづけることの意味を

英国保健相が「アジアの家族介護の伝統に学べ」

日本の我々が目指すべきモデルとして憧れをこめて その福祉制度に何度も言及してきた国、英国が 逆に「アジアの家族介護の伝統と敬老の精神に学べ」と言い始めている。 ジェレミー・ハント保健相は 18日の児童・成人サービス・カンファでのスピーチで、 親や…

医師は障害については知っていても障害者の生活について知っているわけではない

昨日、オーストラリア、タスマニア州議会に提出されていた 医師による自殺幇助(PAS)合法化法案が 13対11の僅差で否決されました。 それを受けて、オーストラリアの骨形成不全症と思われる女性が 死なせてほしいと願いつつ老衰で死んだ祖父の看取りの体験を…

認知症の人々にもっと良い痛みの管理を

カナダ医師会雑誌CMAJのサイトに9月23日に先行掲載された論説 「認知症の人々にはもっと良い痛みの管理が必要」がとてもよかった。 こちら ↓ http://www.cmaj.ca/content/185/14/1195.full 内容は、大体以下のような感じ。 (面倒なので、よく分からない専門…

ロイス・ローリー 『ギヴァー 記憶を注ぐ者』 2

『ギヴァー』について、もうちょっと詳しく書いておきたいと思いながら 果たせずにいるうちに図書館の返却期限が来てしまったので、大急ぎ、 この物語で描かれているコミュニティで行われる「解放」についてのみだけは メモしておきたいと思って。 この作品…

パラトランジットは「不平等な制度」という認識も

『介護保険情報』の連載「世界の介護と医療の情報を読む」の 2011年10月の回で、こんな文章を書いたのだけど、 障害者に交通アクセスを保障するパラ・トランジット(米国) ジョセフ・シャピロの 『哀れみはいらない 全米障害者運動の軌跡』(現代書館)を読…

ぐりぐり

親子3人で近所のスーパーで買い物をしていると、 「あらっ? 海ちゃん……?」と声がして、 海の車いすに駆け寄ってきた人があった。 なんと、 幼児期の海が散々お世話になった総合病院の小児科の処置室にいた、 点滴を入れるのが、むっちゃ上手だった”神の手”…

「そこで何が語られているか」ではなくて、「そこで語られていないことは何か」が問題

アシュリー事件との出会いからの来し方を振り返って、 その間に学んだ、とても大切なことの一つだと思うのは、 大事なのは 「そこで何が語られているか」ではなくて 「そこで語られていないことは何か」の方だということ。 「そこで語られていること」に目を…

16歳は中絶するには未成熟だから、生んでその子を養子に出せ……って?

一昨日、前のブログでのaccelerationさんとのコメントのやり取りから、 英国、米国の未成年の医療をめぐる意思決定で、 自分の意思を尊重してもらったり、時により自己決定権を認められる だいたい12歳、13歳以上とされているらしい Mature minor (成熟した…

生から死への passage

ケベック州で州政府主導の自殺幇助合法化法案が審議され、それに対して 中央政府が「議論するのは州の権利だけど政府はあくまで合法化反対」と 明言したばかりのカナダで、 Toronto Starにコラムニスト Rosie DiMannoが なかなか心に沁みる文章を書いている…

ロイス・ローリー『ギヴァー 記憶を注ぐ者』

この本、何日かかけて読み、 最後のあたりに差し掛かった、ある日の夜に、 これまで見たうちでも1、2を争うような極め付きの悪夢にうなされて 夜中の2時に汗びっちょりで目が覚めた。 しばらく恐ろしくて布団の中で震えていた。 それくらい怖い夢だった。 …

園長室の所在の不思議

今日、ふっと頭に浮かんで、 何重にもビックリしたのだけれど、 療育園の園長室って、 どうして療育園の建物内ではなくて、 渡り廊下を渡って2つも向こうの建物である管理棟の5階にあるの……??? そこに医局があるから? それとも「偉い人」の部屋だから…

「介護保険情報」連載 第86回: モラルと信頼性を失っていく製薬会社-米国

「介護保険情報」連載 第86回 モラルと信頼性を失っていく製薬会社-米国 ノバルティス社のドル箱降圧剤、バルサルタンを巡る臨床研究論文のデータねつ造問題がメディアをにぎわしている。これでは日本の医学研究の信頼性が失われると危惧する声もあるけれど…

昨日の朝から、家を空けていた。 とても素敵な時間を過ごして、 夕方、ゆったりと満ち足りた気分で帰ってきたら、 家の近所で、 今年初めて、きんもくせいが香っていた。 一日にして、秋――。

これまでに書いたもの

こちらでspitzibaraのブログに初めて来てくださる方もあると思うので、 自己紹介に代えて、これまでに書いてきたものを――。 (順次、追記しております) 継続して書いているもの ・ウェブ・マガジン「地域医療ジャーナル」(2015年7月から) 障害のある子ど…

はじめまして、spitzibaraです。

初めまして。 spitzibaraと申します。 Yahoo!では2つめのブログです。 タイトルの「海」は、 26歳になったばかりのウチの娘です。 重い障害があります。 「アシュリー」は、 米国ワシントン州シアトル在住の そろそろ15歳になったかなぁ、という少女です。 …