16歳は中絶するには未成熟だから、生んでその子を養子に出せ……って?

一昨日、前のブログでのaccelerationさんとのコメントのやり取りから、
英国、米国の未成年の医療をめぐる意思決定で、
自分の意思を尊重してもらったり、時により自己決定権を認められる
だいたい12歳、13歳以上とされているらしい Mature minor (成熟した未成年)という概念を
振り返ってみたところだったのだけれど、

米国ネブラスカ州
16歳の少女(親権は州にある)の中絶希望に対して、州最高裁から
中絶を認められるだけ成熟していること、十分に説明を理解しているとの
明白で説得力のあるエビデンスを少女側が示すことができなかったとして、
中絶を認めず、そのまま妊娠を継続して産むように、という決定が出ている。

生んだあとで養子に出すのはいいんだそうな。

同州は17歳未満の少女の中絶には
両親の書面での同意を必要とする米国で7つの州の1つ。

少女は両親からの虐待のために親権が州にある。
血が繋がった両親は宗教上の理由で絶対に同意などしないと裁判所に許可を求めた。

判事7人のうち6人が男性で、
判決は5 対 2。 

女性判事は5人のうちの一人。



最後のあたりを読むと、
単に弁護士の作戦ミスみたいな感じなんだけれど、

裁判所って、こんなふうに、
法律上の議論の進め方の問題だけ考えてればいいんだろうか。

血の繋がった親から虐待されて、
州に親権を預けられて、そういう少女が16歳で妊娠して、
いいお母さんになりたいけど、たぶんなれないから、と
中絶を希望した時に、その少女の身の上とか気持ちとか、
そういうことは???

生んだ子どもを養子に出すには
別に裁判所にお伺いを立てる必要はないというんだけど、

じゃぁ、この子は
中絶を認めてあげるには成熟度が足りないけど、
このまま子どもを生むには十分成熟しているとでもいうんだろうか。

そして産んだ後で、
その子を手放して養子に出すという経験をするには十分に成熟している、と?