2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

米FDAが女性版「ピンク・バイアグラ」を認可

これまで2回、認可申請を却下されてきた バイアグラの女性版で「ピンク・バイアグラ」とも呼ばれる、 Addyiが米国でついに認可された。 FDAの米国薬ライセンス委員会で証言した女性の中には かつての情熱とロマンスを取り戻すことができると訴える声もあった…

松繁卓哉著『「患者中心の医療」という言説 患者の「知」の社会学』5:第6章& 終章

前のエントリーからの続きです。 第6章「患者中心の医療」と「専門性」 終章 総括と展望 どちらかというと第6章のほうが結論めいて感じられたので、 ここは分けずに。 認識論的転回としての「患者中心の医療」の問題点として 著者が挙げているのは、 EBMにお…

松繁卓哉著『「患者中心の医療」という言説 患者の「知」の社会学』 4:第4章& 第5章

前のエントリーからの続きです。 第4章 英国Expert Patients Programmeにおける患者の「専門性」 ……英国保健省とNHS(National Health Service:英国国民保健サービス)が主催するExpert Patients Programme (EPP)である。EPPは慢性的な症状を持つ人々が、そ…

松繁卓哉著『「患者中心の医療」という言説 患者の「知」の社会学』 3: 第1章―第3章

前のエントリーからの続きです。 第1章「健康と病の社会学の誕生」 医療社会学の中から70年代になって「健康と病の社会学」が確立され、 生物医学への批判的分析によって、医療実践の政治性・社会性が明らかにされてきた。 ……先に挙げた「患者役割」「専門家…

松繁卓哉著『「患者中心の医療」という言説 患者の「知」の社会学』 2: 序章

前のエントリーからの続きです。 「患者中心の医療」が言われるようになってきたが、 その曖昧さに著者は冒頭、四つの疑問を呈している。 1. 「患者中心」とは具体的にどのような状態を示しているのか。 2. 「患者中心」を実現するために専門職従事者がなす…

松繁卓哉著『「患者中心の医療」という言説 患者の「知」の社会学』 1

「患者の知」はなぜ尊重されにくいのか……を、アトピー治療をめぐって考察する牛山論文で紹介されていた 松繁卓哉著『「患者中心の医療」という言説 患者の「知」の社会学』(立教大学出版会)。 前にbycometさんがブログで紹介しておられた時にも 興味を引か…

2015年8月28日のメモ

25週の未熟児で生まれて、てんかん他の重い障害を持ち、医師らの生命維持停止の決定に両親が抗って提訴し、とりあえず治療続行が決まっているカナダのMary Jane Peirce無益な治療訴訟、判決は9月に。両親ともにてんかんがあるため、親権が剥奪された経緯など…

英国で介護写真展 This is Caring 支援予算拡充訴え

スコットランド議会の議員ロビーで8月31日から9月3日、CarersUKの主催で 写真家 Chris Steele-Perkinsによる介護写真展 This is Caring が開催される。 その後、英国議会での展示を経て、全国を回る予定。 現在、英国には障害のある人や高齢者を介護している…

街角で見かけた税理士事務所の貼り紙

右手にロマン 左手にそろばん 背中にがまん 人間関係も経営もこれぞ極意 最後の1行は、 たしか、こんな感じだった、という程度のうろ覚え。

FEN事件でミネソタの裁判所、FENに3000ドルの支払いを命じる

米国のいくつかの州で 自殺幇助アドボケイトのFinal Exit Networkのボランティアたちが 自殺をそそのかしたり幇助したとして幹部ら4人が逮捕されたFEN事件については 2009年の発覚当時から追いかけてきました。 詳細はこちらにリンク ↓ 米TV番組“The Suicide…

湯原悦子氏講演「介護殺人と介護者支援」メモ

2015年6月21日に明治薬科大学の剛堂会館で開催された 一般社団法人 日本ケアラー連盟主催、ケアラー支援フォーラム2015での 日本福祉大学 湯原悦子先生による基調講演「介護殺人と介護者支援」から メモしておきたいことを。 ① 要介護者等の数の推移 ・介護…

英国の生命倫理センターから報告書『PASと安楽死:エビデンスへのガイド』: PASはコントロール不能

PAS合法化法案が審議中の英国でAnscombe Bioethics Center から、 各国の公的報告書やピア・レビュー・ジャーナル(PRJ)の文献を網羅しつつ、 世界各国の医師幇助自殺と安楽死のエビデンスを検討した報告書が出ている。 Assisted Suicide and Euthanasia: A…

2015年8月18日のメモ

豪のDr. DeathことNitschke医師がスコットランドで、自殺方法を指南するセミナーを開こうと違法性回避のためコメディアンに。自作の自殺装置を紹介し、模擬利用させるため、警察がガスの有無を調べるなどリハーサルでひと悶着。 http://www.mirror.co.uk/new…

eggsploitation:卵子提供産業における若い女性の搾取

The Center for Bioethics and Cultureが “eggsploitation”に関するビデオをシリーズで出しており、 その第4作目 “Maggie’s Story”が公開されている。 eggsploitationとは、eggs (卵子)と exploitation(搾取)とを合わせた造語で 卵子提供産業による若い…

サンフランシスコの高等裁判所、州法によるPAS禁止を堅持

以下の訴訟の続報。 CA州のがん患者が、現行法でのPAS合法性の認定求めて提訴(2015/2/12) 末期がん患者のChristy O’DonnellさんとRobert Brody医師が 意思決定能力のある終末期の患者へのPASを求めて起こしていた訴訟で、 14日、サンフランシスコの高等裁判…

Pharaoh事件から「“本当の私”を残したい」自殺幇助のナルシズム「自己教」の指摘

Spikedというサイトに、Kevin Yuillという人が、 健康なのにスイスで自殺した75歳の看護師 Gill Pharaohさんのケースに触れて 「自殺幇助のナルシズム」という論考が掲載されている。 Pharaohさんについては ↓ 英国の健康な75歳の元看護師、家族にもNHSに…

NM州の上訴裁、地方裁判所のPAS合憲判断を覆す

2013年1月に地方裁判所が自殺幇助を合憲と判断したニュー・メキシコ州では 昨年3月に州検察長官が上訴していましたが、 その上訴裁判所の判決が出て、 2対1で地方裁の合憲判決を覆しました。 たしか、もともとの病気で死に瀕している人の場合には 医師によ…

カメ and トカゲ

10年以上前に中学生だった息子がどこかで拾ってきた小さなカメを 今も飼っている、という人の話を聞いた。 今や25センチくらいになっているそうだ。 拾ってきたのも、もう一人も 息子は2人とも家を出ていき、 夫婦はカメと3人(?)暮らし。 すっかり家族の…

JAMAにベルギーとオランダの安楽死実態調査、カプランがコメンタリーで「すべり坂」用心

【追記】 JAMA Internal Medicineに終末期、安楽死、PASに関する論文が掲載になっている、として、 最初にエントリーを書いた時点での情報源は以下ですが、 JAMA Internal Medicine: Package of articles on end-of-life, physician-assisted suicide Medica…

斎藤茂男『生命かがやく日のために』(講談社+α文庫)

私が読んだのはこちらの1996年の文庫ですが、 初版は1985年のこちら ↓ 『生命かがやく日のために―ルポルタージュ 日本の幸福』 斎藤茂男 共同通信社 1980年代に、 腸閉塞を合併したダウン症の赤ちゃんの手術を両親が拒否している事例を 看護師の手紙をキッカ…

花を買いました

夕方、花を買いました。 自分のために花を買う、ということを 久しく忘れていました。 初めて、そういうことをしたのは、 拙著『アシュリー事件』の原稿を書いていた時でした。 花を買うということ(「私は憎みます」を改題)(2012/3/6) 書こうとすると、 何…

スイスに新たな自殺幇助組織 Eternal SPIRIT財団、AVDという新たな呼称でPASと安楽死を全世界に

2日に以下のニュースを拾った際、 英国の健康な75歳の元看護師、家族にもNHSにも迷惑かけたくないとスイスで幇助自殺(2015/8/2) Gill Pharaohさんが自殺したのは 「ディグニタス式のクリニック」とあったので、 たぶん、 以前2月のエントリーで取り上げ…

南アの医療職団体、医師会、PAS容認判決に反対

以下の話題の続報。 南アフリカで末期がんの男性に安楽死もPASも認める判決(2015/4/30) 南ア続報:医師会など合法化反対を表明、保健相と法務相も反対スタンス、判事は「死ぬ権利」擁護、今後は憲法裁判所へ?(2015/5/5) 南アフリカ医療専門職委員会(The He…

「高齢理性的自殺協会」それから「人間にとって理想的な賞味期限は70歳」……

以下のエントリーで取り上げたニュースの続報はあれこれと出てきていますが、 その中から2点ばかり、気になる情報を。 英国の健康な75歳の元看護師、家族にもNHSにも迷惑かけたくないとスイスで幇助自殺(2015/8/2) ① Gill Pharaohさんのスイスでの自殺幇…

2015年8月3日のメモ

McMath訴訟の続報。脳の活動が認められて、脳死が誤診であった可能性があるとしても、いったん死亡診断書が出た以上は、その人は死体なのか? コメント欄でCarol Eblenという人が書いていることに同意。 In those states that have legalized PAS, the actua…

英国の健康な75歳の元看護師、家族にもNHSにも迷惑かけたくないとスイスで幇助自殺

特に重大な病気があるというわけではないのだけれど、 加齢と共に弱ってきて、前のような活動的な生活を送れなくなってきたと感じていた Gill Pharaohさん(75)が、夫とスイスのBaselへ向かい、 川沿いのディナーを楽しんだ翌日の7月21日、 ディグニタ…