英国で介護写真展 This is Caring 支援予算拡充訴え

スコットランド議会の議員ロビーで8月31日から9月3日、CarersUKの主催で
写真家 Chris Steele-Perkinsによる介護写真展 This is Caring が開催される。

その後、英国議会での展示を経て、全国を回る予定。

現在、英国には障害のある人や高齢者を介護しているケアラーが650万人いる。
2037年までにはフルタイムのケアラーは40%も増加して900万人に達する見通し。
そうなると国民5人のうち3人は一生のどこかでケアラーとなる。

CarersUKのトップ、Helen Herklotsさんは
「今が分水嶺です。これからは介護を必要としている人の数が
介護を提供できる家族の数を上回っていきます」

2011年の国勢調査によると、
週50時間以上の介護を担っているケアラーの6割が女性。
介護者手当を受給している人の73%が女性。

なので、写真展も女性に焦点が当てられている。

Steele-Perkins氏は、介護は外からは見え難く、ストイックに行われていて
そういう人がカメラに向かって微笑んでいるという写真ではなく、
介護し介護されている関係性が見えるような写真を撮りたかった、と。

例えば、ジャーナリストの仕事を辞めて
障害のある2人の子どものケアラーとなったDawn Hartさん。
かつての人生や、二度と生きることのできない人生を惜しむ気持ちはあるし、
いい時ばかりではないけれど、子ども達との暮らしは何ものにも変えがたい、という。

その他、認知症その他の病気のある夫をケアする高齢の妻。
3年間老親をケアして看取った57歳の女性。
障害のある娘の命を支える医療機器の支払いに追われながら
24時間の介護を担う51歳の母親など。

政府の社会保障費削減策のあおりを受けて、
みんなそれぞれに金銭的な悩みを抱えている。

Hartsさんが住むWarwickshire郡では
子ども向けサービスの予算が300万ポンドもカットされた。
障害児のための通学バスもなくなって送迎が親の負担となり、
それまで無料だった感覚統合療法も有料化された。
レスパイトも昨年、月4時間も減らされた。

これから高齢化に伴う要介護者の増加を前に、
予算拡充が必要だとCarersUK。