「周辺」を先進国内に作っていく「帝国」

昨日の毎日新聞の文化面で
パラダイムシフト――2100年への思考実験 第2部 脱「成長」への道 6」として
水野和夫さん(エコノミスト、日本大教授)による
『資本主義の「過剰」性、、是正を』という寄稿が
掲載になっており、

どすん、どすん……とばかりに腑に落ちた。

例えば、

金利時代で資本の自己増殖ができにくくなったために、
英米が「電子・金融空間」を作って資産バブルで資本の自己増殖を図った結果、

金融の自由化とグローバリゼーションの掛け声のもと「犬の尻尾(金融)が頭(雇用)を振り回す」経済構造が出来上がり、その行き着いた先が2008年の9・15(リーマン・ショック)だった。

それから、何よりもドスンときたのは、

 先進国と新興国との間では20世紀末から所得水準が近づき、同時に先進国内では貧困問題が発生した。この事実は資本主義が周辺を必要とするシステムであることを示している。中心と周辺からなり、かつその両者を結びつけるイデオロギー的な諸力・諸装置を備えているのが英国である(17世紀以降は英国と米国が非公式の帝国)。グローバリゼーションは21世紀における「帝国」の諸装置であり、先進国の外側にあった「周辺」を先進国内に作るプロセスだ
(ゴチックはspitzibara)


一つだけ、
「17世以降は英国と米国が非公式の帝国」という部分に、
以下のような違和感があるんだけれど。

「電子・金融空間」資本主義による1%への富の集中現象が起き始めてからは
「非公式の帝国」は「英国と米国」(だけ)ではなくなっているんでは?

「人道帝国主義」なんて言葉だって出てきていることを思えば ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/66440401.html

(前のブログに、アントニオ・ネグりの『帝国』の一説を引いて、
だから、今の時代の帝国って……と、上のようなことを書いたエントリーがあったはずだと
散々検索して探してみたのだけれど、どうしても出てこない。
前に「ガイドライン違反で削除されました」と一方的に消されたことがあったけど、
それとは別に、噂に聞くように、いつのまにか消えているってこともある……のか??)