2016-09-06から1日間の記事一覧

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 4

(前のエントリーから続きます) そうして、私にはずっと気がかりだった 安楽死や医師幇助自殺に対する著者のスタンスは 最終第8章「勇気」で明らかになる。 人の死をコントロールできると示唆する見方に対して私は懐疑的である。今までは本当に死をコントロ…

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 3

(前のエントリーからの続きです) ウィスコンシン州のラ・クロッセ市は 事前指示書を書く人が増えて、終末期の医療費削減に成功した。 が、実際に重要なのは、形式としての事前指示書が書いてあることではなく、 同市の救急専門医、グレゴリー・トンプソン…

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 2

(前のエントリーからの続きです) 著者が丁寧に取材し、描いている何人かの高齢患者と家族の物語の一つが 老いた老年科医フェリックス・シルバーストーンと妻のベラ。 心臓発作とヘルニアの手術、胆石の手術、関節炎、脊椎の圧迫骨折、難聴を経ても 臨床を…

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 1

『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 アトゥール・ガワンデ 原井宏明訳 みすず書房 2016 Amazonの内容紹介は以下。 「豊かに死ぬ」ために必要なことを、私たちはこんなにも知らない 今日、医学は人類史上かつてないほど人の命を救えるようになった…