2014年1月8日のメモ

4日のエントリーで取り上げたMcMath事件と平行して、テキサスの「事前指示法」が思いがけない形で問題となっているMunoz事件。突然自宅で倒れて脳死状態になった女性は妊娠14週。家族が生命維持中止を決心するも、同法の規定が妊娠している女性では生命維持の継続を求めており、病院は中止することができない昨日のエントリーの後半にリンクしたカプランのインタビューでも話が出てきていたけれど、その中で14週の胎児のviabilityと人格性の問題とともに、「女性が倒れて呼吸器に繋がれるまでの間に胎児には酸素が行かず、障害が生じている可能性」が云々されていた。(聞き取り能力が無いため詳細は不明)
http://www.star-telegram.com/2014/01/05/5461612/husband-says-texas-law-shouldnt.html?rh=1
http://www.nytimes.com/2014/01/08/us/pregnant-and-forced-to-stay-on-life-support.html?_r=0

ベルギーで強姦殺人罪医療刑務所の独房で長年服役してきたFrank van den Bleekenが安楽死を希望して論議に。:読まねば、と思いながら全然読めていない。
http://www.theglobeandmail.com/news/world/belgian-rapists-plea-for-euthanasia-stirs-debates-on-mental-health-and-right-to-die/article16157723/

日本語。全死者の30人に1人は自ら死を選ぶ 急増するオランダの「安楽死ユーロ危機で「充実した福祉」の先行きが見えなくなってきた今、安楽死法は貧しくて孤独な高齢者を死に追い込むワナにならないだろうか。 よき死とは自分で決める死なのだろうか。
http://www.gruri.jp/topics/13/11181630/

群馬県に人工呼吸器使用の高齢者のための安心の家「レスピこやぎ」がオープン。リンク、上は概要。下は東京新聞の記事。:こんな時代にも……と、涙でた。
https://www.facebook.com/koyaginaika/posts/284821054997962
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=389623494517717&set=a.219561474857254.1073741825.157332531080149&type=1

日本。Yahoo!ニュース 医療費の膨張が止まらない 「金の切れ目が命の切れ目」なのか「高齢化」と並んで医療費を押し上げているのが、新技術、薬、高度な検査機器の開発・普及といった「医療の高度化」である。あまり知られていないが、医療費増加要因としては高度化によるところが一番大きいのだ。 「あまり知られていない」ままにしておきたい人たちがずっといたし、だからなのかどうか、実際に「知らせる」ことを仕事にしているはずの人たちまでが、「あまり知られていない」状態を何年も維持させてきた、と思う。「ない」ことにしておきたいことは「知らされない」からといって、「ない」わけではない。だから、「語られていることは何か」に目を奪われるのではなく「そこで語られていないことは何か」に目を向けることが大事なんだと思う。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140106-00000502-san-soci

週間医学界新聞の1月6日号の特集「予防接種戦略 新たなステージに向けて」 リード部分は以下。「世界標準から遅れをとっている」。長らくそう指摘されてきた日本の予防接種体制。本邦では、いまだワクチンで予防できる疾患(VPD:Vaccine Preventable Diseases)のいくつかが蔓延している。人類が英知を結集して作り上げたワクチンを最大限に活用し、全ての人々がPVDから守られる社会を構築する――。そのためには、どのような予防接種戦略を練る必要があるのだろうか。ネクストステージへの道のりを探る。 HPVの副作用問題についての言及は皆無。:これをざっと読んでいて、モヤモヤしていた点がちょっとはっきりしてきた。①ワクチンが人類史上すばらしい発見であり、保健衛生施策として有効であるという問題と、そうであるためにはその前提として②それぞれのワクチンの有効性や安全性の検証はバイアスを排除し公正かつ十分に行われていることが必要であるという問題とがある、ということ。そして、①を理解したうえで、②の前提が崩れれば①も崩れてしまうという問題の捉え方はありうると思うのだけれど、「じゃぁ、お前らはワクチンを打たない人のせいで感染した人に対して、どう責任をとるのか」など、ワクチンの背後にビッグファーマによる向精神薬スキャンダルに類似の構図を懸念する人への非難は、そこの区別ができていない、というか、そこに②の問題も存在していることが見えてないんでは? 結果、②の問題を言っている人に対して①の問題を理解していないという批判を投げても、それは問題が違うと思うんだけれど。それ、前のブログで向精神薬のスキャンダルを取り上げると、医師がやってきて絡まれたのと同じ食い違い方のような気がする。「私が問題にしているのは特定の薬の是非ではなく、その背景にある構造的な問題です」と何度書いたことか。その「構造的な問題」は向精神薬では、やっと日本でも「ある」ことが社会に認識されてきている。これもまた英語圏ではずっと「あった」のに、日本では「語られない」ために「ない」ことにされてきただけ。

5日のメモでも拾ったけど、タミフル備蓄問題で製薬会社の治験データ隠蔽について。読まないと、と思いつつ、まだ全然読めていない。
http://www.theguardian.com/commentisfree/2014/jan/05/scandal-drugs-trials-withheld-doctors-tamiflu

日本語。国際賞をとっても報道されない日本人のアニメ:Abita(大田隆文監督の映画「朝日のあたる家」を応援するCTU湖西支部ブログ)「福島の子供たちが、放射能のため外で遊ぶことができない。彼らの夢と現実について描いたドイツ在住の日本人学生による作品。 」:日本のメディアはいまや本当にコワい。
http://asahinoataruie.hamazo.tv/e5041143.html

日本の介護者支援最先端の町、北海道栗山町の社会福祉協議会のHP。トップに「大切な人を介護しているあなたも大切な一人です。栗山町社会福祉協議会はケアラーの皆様を応援しています」と大きく。
http://kuriyama-shakyo.or.jp/

その栗山町が日本で初めて作った「ケアラー手帳」がネットでダウンロードできるようになりました! 上記の「大切な人を介護しているあなたも大切な一人です」はケアラー手帳の表紙に書かれたメッセージ。現在、いくつかの自治体によって「わが町ヴァージョン」が作られていますが、これが私にもいろいろ思い入れのあるプロトタイプです。以下のページの一番下にダウンロードのリンクがあります。
http://kuriyama-shakyo.or.jp/carer/index.html

厚労省平成24年度 高齢者虐待の防止、高齢者の擁護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果:すごく不思議なのは、この調査で介護者による虐待の原因として介護疲れが挙げられているにもかかわらず、厚労省が介護者支援の必要について考えようとしているとは思えないこと。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000033460.html

つるたさんの生活保護から考える(岩波新書)』読書メモ
http://tu-ta.at.webry.info/201312/article_3.html