出雲大社
出雲大社へ行った。
高校生の時に学校からの旅行できた時以来かもしれない。
そういえばあの時は、
境内で友達数人と大声で「ハトがいる、ハトが」とはしゃぎ回っていたら
「ほんとだー。ハトポッポがいるねー」と背後で声がして、
境内で友達数人と大声で「ハトがいる、ハトが」とはしゃぎ回っていたら
「ほんとだー。ハトポッポがいるねー」と背後で声がして、
そんな、しょーもない記憶をたどりつつ、
背の高い松の葉から時々すべり落ちる雨粒攻撃を受けながら、
長い参道を歩く。
背の高い松の葉から時々すべり落ちる雨粒攻撃を受けながら、
長い参道を歩く。
思ったよりも人が少なく、
雨上りの参道には清浄な気が満ちて、すがすがしい。
雨上りの参道には清浄な気が満ちて、すがすがしい。
参拝を済ませて、また参道を戻っていくと、
洗われてゆくなぁ……という感じがした。
洗われてゆくなぁ……という感じがした。
実は前の日に、ちょっとがんばった。
がんばったけど、実は、ちょっと残念なところもあった。
がんばったけど、実は、ちょっと残念なところもあった。
洗われてゆくなぁ、と感じた時に、初めて、
自分の弱さとかみっともなさとか、そういうのに、
わたし、そっかぁ、ちょっと傷ついていたんだなぁ……と、気づいた。
自分の弱さとかみっともなさとか、そういうのに、
わたし、そっかぁ、ちょっと傷ついていたんだなぁ……と、気づいた。
境内の清浄の気に洗ってもらったのは
その、ちっこい傷口。
その、ちっこい傷口。
それから、
そんなちっこい傷口に平気なフリをしつつ実はぐずぐずと拘泥している、
そこのところも、まだまだちっこいままの自分。
そんなちっこい傷口に平気なフリをしつつ実はぐずぐずと拘泥している、
そこのところも、まだまだちっこいままの自分。
濡れそぼった参道をじゃりじゃり踏んで戻りながら
洗われてゆくちっこい自分に「いいじゃない」と心の中で声をかけてやる。
洗われてゆくちっこい自分に「いいじゃない」と心の中で声をかけてやる。
いいじゃない。
一生懸命の思いをこめて話したんだから。
一生懸命の思いをこめて話したんだから。
そして、その思いはちゃんと届いたし、
受け止めてもらえたんだから。
受け止めてもらえたんだから。
だから、いいんだよ。それで。
参道が終わるあたりで、
向こうから見覚えのある老夫婦が歩いてきた。
向こうから見覚えのある老夫婦が歩いてきた。
駅前でバスに乗る時に順番を譲り合って、
ほんの少しだけ言葉を交わしたご夫婦。
ほんの少しだけ言葉を交わしたご夫婦。
奥さんの方が私に気づいて「ほら」とだんなさんに知らせているので、
黙って会釈したら、2人から笑顔が返ってきた。
黙って会釈したら、2人から笑顔が返ってきた。
「お参りは終わられましたか?」
「は~い」
「は~い」
ただそれだけの言葉を行きずりの人と交わして
束の間ほのぼのとする。
束の間ほのぼのとする。
一期一会。
そんな言葉が頭に浮かぶ。