友人宅
再発したガンが全身あちこちに転移して
杖をついて暮らしている友達から
ランチのご招待があった。
杖をついて暮らしている友達から
ランチのご招待があった。
えー、あんたが作るのぉ?
大丈夫かぁ?
……って、もちろん味のことだけどさ?
大丈夫。簡単で美味しいもの作るから。
てなメールのやりとりを経て、
何を食べさせられるのかと不安を抱えて行ってみたら、
何を食べさせられるのかと不安を抱えて行ってみたら、
超豪華でおしゃれなご馳走が並んでいた。
直前まで手伝ってくれていたという旦那は
気を利かせて姿をくらましていた。
気を利かせて姿をくらましていた。
なんでも、
近所のショッピング・モールに
しょぼい昼ごはんを食べに出かけていったとか。
近所のショッピング・モールに
しょぼい昼ごはんを食べに出かけていったとか。
しゃべった、しゃべった。いや~、しゃべった。
これからの車椅子生活に備えて
全面改装したばかりのマンションの
広い窓から日がたっぷりと差し込んで、
全面改装したばかりのマンションの
広い窓から日がたっぷりと差し込んで、
良い午後でした。
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この時のドライブは、彼女の最初の入院の直後だった。
余命2年とか言われていた。
余命2年とか言われていた。
ばかたれ。そんなゼニがどこにあるか、と思ったんだけれど、
「余命2年」が頭に浮かんだので、仕方なく、私はインターネットでホテルと飛行機をとった。
「余命2年」が頭に浮かんだので、仕方なく、私はインターネットでホテルと飛行機をとった。
で、こいつは動物園で
トリでもサルでもゴリラでもシロクマでもライオンでも檻の前で大声で呼ぶわ、話しかけるわ、
その自由奔放な振舞いで周りから顰蹙を買い(私はちょっと離れて無関係を装った)、
トリでもサルでもゴリラでもシロクマでもライオンでも檻の前で大声で呼ぶわ、話しかけるわ、
その自由奔放な振舞いで周りから顰蹙を買い(私はちょっと離れて無関係を装った)、
その後、小樽の町の横断歩道を渡りながら、
またも平然とホザいた。
ばかたれ。
北海道までつき合わせておいて、
そんなゼニがどこにあるか、と思い、
北海道までつき合わせておいて、
そんなゼニがどこにあるか、と思い、
「そんなもん。一人で行きんさい」と突っぱねてやった。
で、彼女はスイスへは行きそびれた。
今日、食器棚に、
あの時に小樽で買ったガラスのぐい飲みが置いてあった。
あの時に小樽で買ったガラスのぐい飲みが置いてあった。