シャンプー

よく行くショッピング・モールへ
海といつもの「買い物&ランチ」。

レストラン街に新しいお店がいくつもできていて、
その中の中華のお店をチョイス。

メニューはいちおう見せるけど、
海のオーダーは大好物だから、

「やっぱり坦々麺?」
「ハ!」

時々、隣の席の老夫婦にじっと見入ったり、
ウエートレスさんたちの動向に注目したりしては
親にたしなめられつつ、

1本ずつのくせに、いつのまにか、ほとんど食べた。

その合間に、持参した介護食のお弁当
(牛肉のオイスターソース焼きと野菜のコンソメ煮:すべてスプーンで潰せる)も
ほとんどきれいに平らげた。

それからモールの中をあちこちしながら

海の冬用パジャマを3組買い
(施設だと各シーズン6組くらい必要なんですわ。
また機械洗いだから、すぐに痛む)、

母のエスキーテニス用のウエアを2枚買い、
父の仕事用の靴を探すもよいものがなく諦めて、

コーヒーとスイートポテト(海と母で分ける)&アップルケーキ(父)で
ちょっと休憩してから、引き上げた。

いつもよりも人が多かったので、
海はちょっとお疲れモード。

それでも車で「おかあさんといっしょ」のCDがかかると
キャーキャー言いつつ、手を振り足を蹴って踊る。

そりゃ、疲れるで。

ゴハンの時には、まだ元気が残っていたのだけれど、
お風呂に入る頃になると、目がとろんとしてきて、湯船でうとうと。

シャワーベッドで体を洗っていると、
ついにモロ寝息になってしまった。

それでも、
シャンプーしゃかしゃかしながら父親が(体は母、頭は父が洗う)
「海、ちょっとお父さんの方に向いて」と、いつも通りの声をかけると、

うちの娘は、すーすー眠りこけたまま、
それでも言われたとおりの方に顔を向けた。

親は2人で思わず吹いた。
そして母は心につぶやいた。

この子のことを「どうせ何もわからない人」と決めつける人間を、わたしゃ許さんよ。