武田製薬の新社長はグラクソのワクチン社から

もうこの手の話題には触れずにおきたいと思ったのだけれど、
やっぱり気になるというのか、

このところ拾った話題のあれこれが
一見すると互いに繋がりなんかないように見えるけれど、
実はこれらはみんな繋がっていて、

さらに、これから日本で起こることにも
重大な意味と関連があるんだということを
どうしても考えてしまう。

その話題を、順不同で以下に。



ウェバー氏は現在、GSKのワクチン社社長。


② 米国の心臓病学会と心臓協会が新たに出したスタチンのガイドラインを巡って、
NYTを始め、あちこちから「根拠の怪しいリスク計算方式で心臓病予防を言い募って
投薬対象を広げた」と大批判が起こっている。



③ ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に
11月28日付で掲載された論文。


早速にNYTが取り上げて、
「ワクチン効果:予防された重大な感染症1億件」と。
The Vaccination Effect: 100 Million Cases of Contagious Disease Prevented
NYT, November 27, 2013

 それで元論文のサイトで
 論文著者のディスクロージャー情報を確認してみたところ、
 http://www.nejm.org/doi/suppl/10.1056/NEJMms1215400/suppl_file/nejmms1215400_disclosures.pdf


ロタウイルス・ワクチンは痙攣予防効果もあって
医療費700万ドルの削減効果が見込まれるとの研究結果が
Clinical Infectious Diseases誌に。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/269186.php

この論文に関する論説もあって、
そこには、

In addition, the work provides us an opportunity to reflect on the fact that sometimes, unexpected effects of vaccination are beneficial and are a cause for celebration, rather than the more commonly publicized concern for unexpected adverse effects.


副作用が騒がれていることが
ずいぶんと意識されているのね。

                ――――


だから何なんだと言われれば、

“科学とテクノの簡単解決”文化とその利権構造が振りまいてゆく
“コントロール幻想”の一端に位置づけられてしまったみたいな予防医学
なんだかグローバルなネオリベ帝国の草刈場の匂いがふんぷんとして……という、

前のブログで散々書いて書き倦んでしまったから
そちらを休止してこっちを始めたんだった……てな話なんだけれど。

やっぱ武田製薬かぁ……というところで、

「これから日本でこういうことが起こってくるぞ」と予想した通りが
これからも次々に現実になっていくんだろうか……と改めて、暗澹。

それにしても、そういうことが次々に起こってゆく日本で
こうしたグローバルな政治経済の「大きな絵」と
あくまでもその中に位置づけられた医療の危うさに気づいている医師と
全然気づかず相変わらず予防医学は医療の問題だと素朴に信じている医師とでは、

厚労省や各種学会から流れてくる情報や
権威ある医学雑誌の論文が流す情報なんかも含めて、
リテラシーに相当な違いが出てくるんじゃないのかなぁ。