製薬会社の臨床試験はまだまだ透明性が低いとの調査結果

Bioethics InternationalというNPOBMJ誌に発表した調査結果によると、
2012年の新薬の臨床試験でディスクローズされていたのは3分の2のみ。

さらに、レビューを受けた薬の約半数は、
臨床試験の第2または第3フェーズの少なくとも1つがディスクローズされていないと判明。

10社について検証したところ、
ラクソ、J&J、ファイザーの3社は少なくとも検証されたうちの1つの薬については
すべての臨床試験の結果を公開していたが、

Gilead社はHIV治療薬Stribildの試験結果の21%しか公開しておらず、
SanofiのMS治療薬Aubagioは一般の人が手に入れられる情報という点で最低ランクだった。

Bioethics Internationalでは
R&Dと臨床試験の透明性を始め、主要な倫理問題、人権、保健医療基準などに基いて
独自にGood Pharma Scorecardという製薬会社の成績表を出すプロジェクトを立ち上げ、
今後毎年ランキングを発表する予定。

Bioethics Internationalのトップで今回の論文の筆頭著者の
NYTランゴーン医療センターの助教授のDr. Jennifer E Millerは
近年の製薬会社に対する一般の信頼感の低下を問題視。

エビデンスに基いた医療(EBM)のためにはエビデンスが必要です。
人々は、製薬会社が新しい薬やワクチンに関する臨床情報、
つまりそれらの安全と効果の情報を利益のために隠蔽していると案じています」

同じくランゴーン医療センターの倫理学者、A・カプランは、
「透明性は医療研究の倫理的な実施には最重要の要素ですから、このランキング制度には
望ましい実践のアウトラインを示し、改善が必要なエリアを特定することによって
変革を起こすための有益なツールとなる可能性があります」

Drug companies flunk transparency test
BioEdge, November 21, 2015