2015年11月26日のメモ

カリフォルニア大学アーヴィン校医学部の医療倫理プログラムのディレクターで精神科教授のAaron KheiriatyがWPのオピニオン欄で、自殺幇助を合法化した州で自殺件数が増加していることを指摘し、PAS合法化は自殺に対する社会の姿勢を変える、と警告。
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-dangerously-contagious-effect-of-assisted-suicide-laws/2015/11/20/6e53b7c0-83fb-11e5-a7ca-6ab6ec20f839_story.html

英国の45歳未満の男性では、死因の第1はダントツで自殺。
http://www.express.co.uk/life-style/health/620511/Male-suicide-killer-International-Men-s-Day

来月行われる第7回国際脳死シンポで、「我々の死を決めるのは誰か? ジャハイ・マクマスのいのちからの教訓」として、AdyanthayaとDoranらによる脳死診断の再検討が予定されている。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2015/11/who-decides-when-we-die-lessons-from.html

ベルギーで終身刑の囚人Frank Van Den Bleekenが安楽死を希望し、いったんは認められたものの中止された事件の影響で、15人の囚人から安楽死希望が出ていたが、安楽死委員会の委員長は彼らの耐えがたい苦痛は不治の病によるものではないとして、却下すると発表。
http://www.bioedge.org/bioethics/belgian-prisoners-denied-euthanasia1/11666

アイルランドの有名ミュージシャンが、パーキンソン病のため、幇助自殺を計画中。スイスへは行かずに自宅で家族や有人に囲まれて。それでも医師が罪に問われないで済む方法を編み出したんだとか。:メーナードさん以降、幇助自殺というのは、どうやら世の中に向けて公言してから行うものになったらしい。
http://www.irishexaminer.com/ireland/iconic-musician-tony-macmahon-is-planning-his-assisted-suicide-366651.html

ドイツの自殺幇助関連新法に関して、すべり坂を警告するCharlotte Lozier Instituteの論考。
https://lozierinstitute.org/germany-bans-business-like-assisted-suicide-but-new-regulation-reminds-us-killing-can-never-be-safe/


ADHDの治療薬 methylphenidateの効果に疑問。コクラン・レビュー
http://www.medicalnewstoday.com/articles/303090.php


日本語。降圧目標が変わる! AHA2015でSPRINT試験発表 SBP 120mmHg未満目標群でイベント25%,総死亡27%の減少; 高リスク例対象のSPRINT試験,一般診療と異なる:米国発というのが……。米国の不整脈学会とか高血圧学会とか、製薬会社とめっちゃ仲良しなのよね(詳細は以下の関連エントリー
https://medical-tribune.co.jp/news/2015/1112037780/
https://medical-tribune.co.jp/news/2015/1118037839/



the Global Energy Balance NetworkなるNPOを立ち上げて、摂取カロリーよりも運動量の問題でコークは肥満の原因になっていないとするデータを捏造するなどしてきたコカコーラ社の主任科学者 Rhona S. Applebaum氏が辞任。同社は昨年、このNPOに150万ドル、その社長の勤務先であるコロラド大医学部に100万ドルのグラントを支出。NYTが夏に両者の繋がりを指摘していた。
http://well.blogs.nytimes.com/2015/11/24/cokes-chief-scientist-who-orchestrated-obesity-research-is-leaving/

DNA編集クリスパー技術には、倫理問題の指摘や慎重論が多い中、中国の研究機関は既に様々な動物でクリスパー技術を使っている。
http://www.bioedge.org/bioethics/crispr-mania-in-china/11670

日本語。出産前に子どもの【ダウン症確率】が分かるクアトロテストって?:
http://news.ameba.jp/20151125-596/

日本。■ご報告■ 茨城県教育委員の発言問題について、茨城県庁に抗議に行ってきました‏ DPI Vooo!
http://dpi.cocolog-nifty.com/vooo/2015/11/post-8966.html

日本。長谷川智恵子茨城県教育委員の不適切な発言についての申し入れ 日本共産党茨城県議会議員団
http://www.yuiyuidori.net/jcp-ibaraki/moushiire/data/2015/151120_01.pdf

日本。虐待告発職員に賠償請求 埼玉など障害者施設;虐待通報で賠償請求 「報復」は防止法の理念に反する; 佐藤教授 提訴は違法の可能性も:日本経済新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201511/CK2015112302000124.html
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201511259488.html
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG22H11_S5A121C1CR8000/

日本。障害者差別解消法、内容を知らない企業が4割超 - LITALICO調査
http://news.biglobe.ne.jp/it/1120/mnn_151120_4680137059.html

日本。<障害児者問題>日常で医療的ケア必要なケースの支援提言
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1124/mai_151124_2919286612.html

日本。小中学校で障害児の保護者付き添い、「合理的配慮」で論議も‐斎藤剛史
http://benesse.jp/blog/20151126/p1.html

日本。県内初の市民後見人…福山の谷本さん選任
www.yomiuri.co.jp/local/hiroshima/news/20151125-OYTNT50283.html

日本。人工呼吸器異常気付かず死亡 京都の病院、当直同時に仮眠
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151126-00000022-kyt-l26

日本。「医師から医師への疑義照会」の実態調査報告書 多くの医師が他院の処方内容を見て、「明らかにおかしい」と思ったことがあることがわかった。ただし「明らかにおかしい」と思っても、疑義照会・意見・相談を「全くしない」医師がほとんどであった :最近、というか前からつくづく思うのだけれど、医師にとってプロフェッションとしての使命に忠実であることよりも、一人ひとりの患者の命よりも何よりも大切なのは、「あらゆる批判を超越したアンタッチャブル」として医師という職業の権威を守ることなのではないか、と。
http://www.qlife.co.jp/news/151125qlife_research.pdf

「薬の適正使用を促すのなら調剤の拒否権をよこせと言いたい」と薬剤師さんのツイート。
https://twitter.com/pharmasahiro/status/667864617939398656

日本。「天国と地獄」の差も…薬の費用対効果:出た! QALY。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151122-00010002-yomidr-hlth&p=1



日本。小児在宅医療と機能強化型在宅療養支援診療所
http://kagayaki-clinic.com/archives/780

日本。重症児の受け入れ実績を機能強化型訪問看護ステーションの要件に
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t239/201511/544689.html

「パーソンとペルソナ パーソン論再考」森岡正博 『人間科学:大阪府立大学紀要』5 2010年3月 91~121頁 :パーソン論の問いを立てる者には、「私が属するカテゴリは他のカテゴリよりも優越している」という信念があるということである。その信念がなければ、パーソン論の問いを立て、その議論を駆動していく動因が生まれない。その信念に哲学的な議論でもって正当化をほどこしていくことがパーソン論である。この点だけに注目して見れば、それは優生学や、人種差別主義者の議論と同型である。; すなわち我々は、ある存在者が自分たちと同類かどうかを判断するときに、自己意識と理性だけではなく、人間の細胞でできているかどうか、人間の形をしているかどうか、長い時間をかけて培われてきた関係の歴史性があるかどうか、将来パーソンになる潜在性があるかどうか [36] 、などの要因をそれぞれ重く見ている。それらの要因が複雑に絡み合うことによって、我々の「自分たちの同類」を見るリアリティは構成されている。パーソン論とは、それら多様な側面をもったリアリティから、自己意識と理性だけを特権的に取り出してきて、それをオールマイティの価値基準とみなして自分たちの同類の範囲の線引きをしようという試みである。それは一つの判断基準によって論を構成するときの首尾一貫性を確保することと引き替えに、我々の多くが実際に絡め取られているところの多層的なリアリティの呪縛の頑強さをとらえそこなった理論であると言える。それは、複雑な要因によって構成された頑強なリアリティに束縛されながら悩みつつ生きる我々の生に深いインパクトと指針を与えることの乏しい、ナルシスティックな論理ゲームとみなされても仕方ないであろう。ここにパーソン論の限界がある。哲学あるいは人間学に問われているのは、この呪縛の頑強さの根源を解明し、その本質を探っていくことではないだろうか。 :これ読んでたら、「あらゆる批判を超越したアンタッチャブル」として自らの職業の権威を守ろうとする医師の意識の根っこにあるのは、まさにこの「私が属するカテゴリは他のカテゴリよりも優越している」という信念なんだろうなぁ、いわば「医療限定型パーソン論」みたいなものなのかも、と思えてきた。だから医療的価値観はパーソン論と親和しやすいのか……。
http://www.lifestudies.org/jp/persona01.htm


スウェーデン生命倫理学者Kalle GrillとKristin VoightがJournal of Medical Ethics誌の論文で、個人の自由と自律を制限することになったとしても、健康増進という利益のほうが大きいので、喫煙は禁止するべき、と主張。
http://www.bioedge.org/bioethics/th-case-for-banning-smoking/11668

かつてのように救命のための臓器移植ではなく、顔や子宮、ペニスなど、QOL向上のための臓器移植が増えてきている。その倫理問題について、Caplan。These are manifestly ethical goals. But the shift away from saving lives to making them better involves a shift in the ethical thinking that has long formed the foundation of organ transplantation. They require doctors, patients, regulators and the rest of us to rethink the risk and benefit ratio represented by these new forms of transplant.
http://www.bioedge.org/bioethics/a-quiet-revolution-in-organ-transplant-ethics/11663




FDAが遺伝子操作で大型化させたサーモンの販売を認可。写真見たら、大きすぎて気味が悪い。これ、2010年に検討中になっていた ⇒今度は遺伝子組み換えサーモン:市場解禁を米国FDAが検討中(2010/9/21)
http://www.nytimes.com/2015/11/20/business/genetically-engineered-salmon-approved-for-consumption.html

インディアナ州の医療博物館に忍び込んで、脳など人体組織の標本を盗み出し、ネット・オークションで売った男性、逮捕。この博物館、もと精神病院だったというんだけど、その標本ってどういうものなのか、ちょっと気になる。
http://www.theguardian.com/us-news/2015/nov/26/man-stole-brains-from-former-insane-asylum-and-put-them-on-ebay

丸腰の黒人が警官に射殺された事件に抗議していたデモに何者かが発砲し、5人が怪我をしたミネアポリスの事件で、3人を逮捕。
https://www.washingtonpost.com/news/post-nation/wp/2015/11/24/minneapolis-police-arrest-two-people-after-shooting-injures-five-near-protests/

ProPublicaに、米国で社会保障に頼っている貧困層が多い州ほど、人々が弱者に狭量になっていく傾向を指摘する記事。最も困窮している層はそもそも選挙になんか行っている余裕もない。ただ、この記事の結論は、そういう地域でこそ経済成長を、というもの。
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-dangerously-contagious-effect-of-assisted-suicide-laws/2015/11/20/6e53b7c0-83fb-11e5-a7ca-6ab6ec20f839_story.html

日本。「明日の食費がない」「子育ては苦しみばかり」【ルポ】シングルマザーの貧困:胸をヒリヒリさせながら読み、こういう暮らしをしている女性、子ども達がいるということが、頭から離れない。米は高いから買えない……。「食事」という意味ではなく、米飯という意味の「ごはん」を食べられない子どもがいるなんて。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44272

日本。報告書入手!老人ホーム連続転落死はこうして殺人ではなく「事故」で片づけられた
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46452

日本語。トランプ氏、米当局による「水責め」復活を呼び掛け
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151123-00000019-jij_afp-int

日本語。パリ同時多発テロを戦争へと誘導する未確認情報の不気味
http://www.newsweekjapan.jp/kawakami/2015/11/post-3.php