デジタル・スーパーリッチの個人的好みで科学研究にゼニが分配されていく新・優生思想の時代

IT長者と科学研究の関係性について
非常に気になるニュースが2つ。

① ロシアの億万長者 Yuri Milner他、
FacebookのMark Zuckerbergと彼のパートナーのPriscilla Chan、
グーグルのSergey Brin、ブリンの元妻でDNA解析サービス23andmeのAnne Wojcicki、
それからAlibaba.comのJack Maと彼の妻の Cathy Zhangが
科学者を一般大衆にとってのロックスターに昇格させるべく、
2012年に立ち上げた「ブレークスルー賞」。

今年は
スタンフォードのKarl Deisserothや
MITのEdward Boydenほか、生命科学のジャンルの6人の研究者に
総額で2190万ドルを賞金として授与。

科学界のオスカー賞に。





② 23andme, グーグル、フェイスブック、アップルが
医学研究に提供可能なデータベースの創設で競争している。

例えばグーグルは生命科学研究プログラムを立ち上げ、
従来型の臨床実験から研究者らを引き離しつつある。
FBの新型プログラムは、Genes for Good。
アップルのプログラムは Researchket。

23andmeの顧客の85~90%は
自分の遺伝情報が医学研究に使われても構わない、と回答。

23andmeがやっとFDAから消費者直結(DTC)の遺伝子検査の認可を得たことで、
23andmeでは、70万人の遺伝子情報を研究者に自由に使えるようになり、
医学研究は加速し、慢性病の患者への治療法がこれまでよりも速く発見できることに。

一方、23andmeの利用者の中には
自分の遺伝情報がどのように使われるのかを知らない人もいる、などの指摘あり、
倫理論争になっている。

BioEdgeの記事タイトルは
シリコンバレー生命倫理の実験場と化す」。





既に慈善ですらなくなっている、というのがこのニュースだと思うのだけれど、
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