知的障害者に包括的な医療を提供、the Lee Specialty Clinic(米)
「知的障害のある人たちは、
良質な医療を受けることができず、困っています」
良質な医療を受けることができず、困っています」
「知的障害のある人の親や介護者がクリニックや歯科医院で
『お宅の子どもさんを連れて、出て行ってください。
二度とこないでくださいよ』などと言われるのは
決して珍しいことではないのです」
『お宅の子どもさんを連れて、出て行ってください。
二度とこないでくださいよ』などと言われるのは
決して珍しいことではないのです」
と付け加えるのは、Henry Hood医師(61)。
しかし知的障害者に必要なのは歯科医療だけではない。
Hood医師はHolder医師の継父。Holder医師が医学教育を終えてしばらくしてから誘い、
2人は昨年6月にルイズビルに the Lee Specialty Clinic(リー障害者クリニック)を開設。
共同院長として運営に当たっている。
2人は昨年6月にルイズビルに the Lee Specialty Clinic(リー障害者クリニック)を開設。
共同院長として運営に当たっている。
今後2年間は2人の院長に運営が託される。
家族と各種専門職が集まって相談しながら、
その人に合った医療計画を立てる。
その人に合った医療計画を立てる。
現在、患者数は500人。
これから増えていく予定だ。
これから増えていく予定だ。
また同クリニックでは医師、歯科医師への研修も行う。
NYTのビデオと記事の中心は33歳のKrey Kramerさんと
離婚以来、彼を女手ひとつで育て、ケアしてきた母親のMimiさん。
離婚以来、彼を女手ひとつで育て、ケアしてきた母親のMimiさん。
KreyさんのPT予約がある日、
クリニックのセラピストが2人、
車イスのまま乗り込める車で自宅まで迎えに来る。
クリニックのセラピストが2人、
車イスのまま乗り込める車で自宅まで迎えに来る。
セラピストの一人は
Kreyさんが不穏になった時になだめるためのクッキーをもっている。
Kreyさんが不穏になった時になだめるためのクッキーをもっている。
なんとか専門医を探して診てもらいたいと、
電話帳に掲っているクリニックに片っ端から電話をしたけれど、
障害があることを告げたとたんに「新規のメディケア患者はとりません」と
拒否されてしまった。
電話帳に掲っているクリニックに片っ端から電話をしたけれど、
障害があることを告げたとたんに「新規のメディケア患者はとりません」と
拒否されてしまった。
「多くのケースで、知的障害のある人に背を向けているのは医療職なのです」と
Holder医師。
Holder医師。
NYTのビデオでは、
広々とした自然採光のクリニックの待合室(クッションは洗濯可能なもの)で
成人した息子に付き添う夫婦が、これまでの体験を語る。
広々とした自然採光のクリニックの待合室(クッションは洗濯可能なもの)で
成人した息子に付き添う夫婦が、これまでの体験を語る。
Holder医師が解説する。
「問題行動を障害のせいだと捉えるために、
病気の症状が原因となっている可能性を見すごしたまま、
薬で行動に対処してしまうんです。
病気の症状が原因となっている可能性を見すごしたまま、
薬で行動に対処してしまうんです。
でも、彼らは言葉で伝えることが難しいので、
頭や顔をたたくなどは痛みのあるところをたたいている、
その行動が、彼らの私たちへのコミュニケーションの方法なのに」
頭や顔をたたくなどは痛みのあるところをたたいている、
その行動が、彼らの私たちへのコミュニケーションの方法なのに」
Kreyさんも数年前に自分で吐くようになり、
医師は「たちくらみ」のせいでやっていると言ったが、
実際には出血するほどの潰瘍と食道裂孔ヘルニアが原因だった。
医師は「たちくらみ」のせいでやっていると言ったが、
実際には出血するほどの潰瘍と食道裂孔ヘルニアが原因だった。
On a more granular level, Dr. Hood and Dr. Holder knew that most doctors are never exposed to patients with intellectual disability, and that government health care benefits for these patients are often reduced after they become adults. The doctors were also aware of a tendency toward “diagnostic overshadowing”; that is, attributing a behavior ― repeatedly slapping oneself on the side of the head, for example ― to intellectual disability, rather than searching for a root cause.
NYTのビデオで、
Kreyさんはセラピー・ルームに到着すると、
何人ものセラピストによって車イスからセラピーマットに下ろされて、
Kreyさんはセラピー・ルームに到着すると、
何人ものセラピストによって車イスからセラピーマットに下ろされて、
セラピストたちが声かけをし、
クッキーを食べさせ、水を飲ませ、
励まし、バナナを食べさせ、しながら、
スピーチセラピストがコミュニケーションの向上を図る。
クッキーを食べさせ、水を飲ませ、
励まし、バナナを食べさせ、しながら、
スピーチセラピストがコミュニケーションの向上を図る。
バナナを食べるか問われた時には音声で答えることもできた。
水の入ったボトルに手を伸ばして意思表示もした。
今日はしっかり眼のコンタクトも取れた。
水の入ったボトルに手を伸ばして意思表示もした。
今日はしっかり眼のコンタクトも取れた。
額をトントンしているのは頭が痛いのかもしれない。
このあたりのことはHolder医師が、
ちょっと離れて見ているMimiのところへ行き、
日ごろからKreyさんがこうした動作をするかどうか、
それは痛みがある時が多いのか、など、
母親の介護者としての観察を聞いている。
ちょっと離れて見ているMimiのところへ行き、
日ごろからKreyさんがこうした動作をするかどうか、
それは痛みがある時が多いのか、など、
母親の介護者としての観察を聞いている。
Holder医師は現在、
The American Academy of Developmental Medicine and Dentistryの会長。
スペシャル・オリンピックのグローバル医療顧問でもある。
The American Academy of Developmental Medicine and Dentistryの会長。
スペシャル・オリンピックのグローバル医療顧問でもある。
発達医療という新たな領域のリーダーとして、活躍する。
しかし、我が子が自分よりも先に逝ってほしいという悲しい親たちの願いを
何度も耳にしてきたHolder医師は言う。
何度も耳にしてきたHolder医師は言う。
「我々はこのクリニックで医療の問題は解決します。
でも親にとっては、医療は生活(人生)のほんの一部に過ぎないのです」
でも親にとっては、医療は生活(人生)のほんの一部に過ぎないのです」
特に印象的だったのは、
医療は人生や生活の中のほんの一部だということへのHolder医師の理解。
医療は人生や生活の中のほんの一部だということへのHolder医師の理解。
それについては、こちらに ↓
「医療における障害への偏見が死につながった」オンブズマンが改善を勧告(2009/3/31)
オンブズマン報告書を読んでみた:知的障害者に対する医療ネグレクト(2009/3/31)
Markのケース:知的障害者への偏見による医療過失
Martinのケース:知的障害者への偏見による医療過失
「NHSは助かるはずの知的障害者を組織的差別で死なせている」とMencap(2012/1/3)
助かったはずの知的障害児者が医療差別で年間1238人も死んでいる(英)(2013/3/26)
【拡散希望】 知的障害のある人への医療差別 (Mencap作成のビデオ)(2013/5/1)
「医療における障害への偏見が死につながった」オンブズマンが改善を勧告(2009/3/31)
オンブズマン報告書を読んでみた:知的障害者に対する医療ネグレクト(2009/3/31)
Markのケース:知的障害者への偏見による医療過失
Martinのケース:知的障害者への偏見による医療過失
「NHSは助かるはずの知的障害者を組織的差別で死なせている」とMencap(2012/1/3)
助かったはずの知的障害児者が医療差別で年間1238人も死んでいる(英)(2013/3/26)
【拡散希望】 知的障害のある人への医療差別 (Mencap作成のビデオ)(2013/5/1)