暴行の被害者は2週間後に生命維持引き上げで死亡……加害者は「殺人罪」有罪

うむぅ……。
こういう「すべり方」も出てきたかぁ……。


2010年、南ジョージア陪審員殺人罪で有罪にしたのは、
Bobby “Rex” Stribling。

彼は、市裁判所の判事だったGlenn Thomas Jr.の頭を
何度も(少なくとも15回は)特定されていない凶器で殴った。

被害者は2週間後に病院で死んだ。
生命維持を引き上げられた後に――。

Striblingは上訴した。

生命維持が中止されなかったとしたら、
Thomasは助かっていたかもしれないじゃないか、
Thomasの死因は結局、生命維持の中止じゃないか、と。

ジョージア州最高裁は彼の言い分を認めなかった。

生命維持の引き上げは暴行に勝る死因ではない、と。

なぜなら

「Thomasの状態が改善に向かわず、脳死同然の状態となった(was basically brain dead)段階で、
生命維持の引き上げは理詰めで考えれば予測されることだったから」



でも、

こういう時にbasicallyというのは、ものすごく引っかかる表現。

basically brain dead ってのは、
「厳密な脳死判定を経て診断された脳死」ということじゃなくて、
「まぁ脳死と言ってもいいような状態」ということですよね。

つまり厳密な意味での「脳死」ではない。

それでも様子を見たのは、受傷から2週間だけ。

それで、「改善に向かわないなら」というのは、
2週間様子を見て改善が見られないなら不可逆、という判断なんだろうか?

この最高裁判決が恐ろしいのは、
脳死」ではないけど「basically brain dead」になった人への生命維持を
無益として引き上げることが当然視されているところ。

つまり、

basically brain deadな状態は deadと同じだと、
最高裁の判事が公言した、ということ。