88歳女性を巡る「無益な治療」訴訟で、病院側が敗訴(FL州)

88歳の匿名女性が下痢で入院し、人工呼吸器依存に。

病院側は
女性が「脳死であり植物状態」だとして生命維持を中止しようとしたが
息子がそれに抵抗。

病院側が中止を求めて提訴した事件で
5日、息子は代理権を濫用していないとして
判事は中止を認めなかった。



非常に気になることとして、
上記リンクにあるビデオでは女性は開眼し、
スポンジから水分を自分の意思で飲もうとしているし、
息子の語り掛けに対して音声で返事もしている。

そもそも記事の書き方の「脳死であって植物状態」というのが言語道断なんだけれど、
この人が「脳死」ということはありえないと思う。

けれど、スタンダードはすでにそういうところにはないんだろうと思わせられるのは
この裁判の過程で医療サイドから出てきた発言の数々で、

以下のPopeのブログ記事からそれらを抜くと、
http://medicalfutility.blogspot.jp/2014/03/florida-court-to-decide-medical.html

「この人が助かる見込みは100%ないのだから、この生命維持は無益」

「30年間、医師をやってきて、私の経験では
こういう段階に至ったこういう状態の人が回復するのは見たことがない」

「もし万が一にも助かるとしたら、
たいていの人なら生きていたくないと考える重症障害の状態でのこと」

そういう人のことを「脳死」と呼ばわるのが
今の米国の「無益な治療」ヴァージョンの「脳死」診断なんだろうか。

だとしたら、「脳死」は「治療を無益と判断するような状態」の
単なる符丁と化している……ということ?

また、
「心底、この人が我々の治療で痛みを感じていないことを祈ります。……
我々はこの人を治療で弄り回し、あちこちにチューブを入れて、何度も手術をしていますから」

ここで問題になっているのは生命維持であって、
積極的な治療ではないと思うので、手術の適否は関係ないはずだし、

気管切開してあるので
人工呼吸器にも苦痛はないんじゃないかと思うのだけれど?

それにしても上記記事の最後には
女性がメディケアとメディケイドの対象者であることが注記されて
「あなたは判事の判断を正しいと思いますか」とあるのは、
暗に「税金を使って延命することの是非」が問われているのだろうな、と。