スイスのNeuchatel州、患者の自己決定ならナーシング・ホームでの自殺幇助を管理者に義務付け

スイス西部のNeuchatel州(フランス語圏)の議会を通過したのは、

州政府の資金が出ているナーシング・ホームに
自殺ほう助団体のExitの代表が自分たちのサービスを宣伝させるよう強制する州法。

ホーム経営者に思想信条による拒否権はなく、
患者が死ぬと決めた時にはホーム職員には介入することはできない。

それどころか、その州法では
Exitが自殺ほう助を行うための部屋を一つ用意しておくことが
ナーシング・ホームに求められる。

要件としては、
病気や障害が重く、不治で、
その他の終末期の選択肢も議論されること。

ホーム側が協力を拒んだ場合には
患者は監督機関に対して苦情を申し立てることが出来る。

ただし民間資金で運営されて政府の資金が入っていないホームは
Exitを入れない選択をすることが可能。

ちなみに、スイスで自殺ほう助を行うExitには
フランス語圏を活動エリアとするExit ADMDと
ドイツ語圏を活動エリアとするExitの2つがあり、

前者は昨年から
終末期でなくとも死にたいと望む高齢者への自殺ほう助サービスを始めた。

これについては当ブログでは2011年に動きを拾っているのですが
報道に多少の混乱があり、実際のサービス開始は去年だったということかも ↓
スイスの自殺幇助団体Exit、高齢者の要件を緩和(2011/5/9)


昨年は155人の自殺をほう助。

ドイツ語圏のExitは
昨年は459人の自殺をほう助。





12年6月3日のエントリーで拾った
ナーシングホーム関係者の言葉は、

考えてみてください。

2人部屋で暮らしている女性の片方がある日突然、姿を消すんですよ。

もう一人に『あの人はどうしたの? 昨日まで元気だったのに?』と聞かれて、
『昨日Exitが来たんですよ』と答えるんですか? 

そんなことをしたら、
施設利用者の間に、とんでもない不安と疑いが広がりますよ。