NYTビデオ「死ぬ権利?」

「死ぬ権利」議論を注目している人には必見と思います。


A Right to Die?
NYT, March 23, 2015


キボーキアン医師から現在に至る「死ぬ権利」を巡る米国の議論をたどりつつ、
特に後半、重点は明らかに合法化推進におかれている。

主に取り上げられている登場人物は
キボーキアンと彼の弁護士のほかに
Dr. QuillC&CのBarbara Coombs Lee
このところC&Cに協力しているラジオ番組ホストのDiane Rehm,
そしてもちろんブリタニー・メイナードさん。

反対派は申し訳程度に
エゼキエル・エマニュエル
Not Dead Yetは抗議活動の風景のみ登場。

ビデオ後半の主張は、ほとんどC&Cと同じで

終末期の緩和ケアの技術は向上してはきたが、
それでも苦痛をとり切れない人は存在する。
PASが合法化されていない州に住むそういう人々は
現在では自分の死に方をコントロールするにはVSEDしか方法がない。
だから、全州で合法化すべきでは? という論調。

しかし、NYTがPAS合法化の立場をとった15日の社説
Rehmの夫のエピソードを例として取り上げていることについては、
その後の読者からの反響の中に以下のものがあり、

パーキンソン病の人がVSEDで自殺したケースを使って、
終末期の人へのPAS合法化を正当化していることこそが
合法化における「すべり坂」の危険を示している、と鋭く指摘している。

Your editorial inadvertently demonstrates the danger of legalizing assisted suicide. It frames the question as one of terminal illness, but uses John Rehm as an example. He was disabled by Parkinson’s disease, a chronic and progressive but not terminal condition. This is an exceptionally slippery slope. Once we accept disability as an acceptable reason for suicide, where exactly do we draw the line?

DOUGLAS BAYNTON
Iowa City


同感。