カナダ議会、「合理的に考えて死が予測される」要件を堅持して法案成立

余裕がないので、
とりいそぎ、メモ的に。

対象者要件を緩和しようとする勢力と
終末期の人に限定しようとする政府との攻防が続いていたカナダ議会で、
「合理的に考えて死が予測される」要件を堅持したまま、法案が成立。



ただし、17日のメモで拾った記事で
シャデンバーグが指摘しているように、

メディアが報道しているように「終末期の人限定」といえるかどうか、
要件は death is reasonably foreseeable 死が合理的に考えて予測可能であるというのみで
シャデンバーグに言わせると、こんなものは「終末期の定義でもなんでもない」から、
それで弱者の保護になるわけでもない、と。

もちろん、法の文言が緩和されるよりはマシなんだろうけれど、

今回の議論の流れを見る限り、
数年のうちに緩和が再検討されるんじゃないか、という気もします。


【24日追記】
このエントリーを書いた後でずっと気になっているので、
一応ちゃんと書いておきたいのだけれど、

6月17日のメモで拾っているように、
今年に入ってから、個別に裁判所の許可を得て安楽死又は医師幇助自殺で死んだ人は少なくとも31人。

その中には、以下のエントリーや複数のメモで拾っているように、
ALSやMSなど、終末期ではない人たちが含まれている。



裁判所がこれらの前例をすでに認めているとしたら、
法文に「死が rationally foreseeable」と書かれているからといって、
メディアがいうように「終末期の人限定」になる可能性がどれだけあるというのだろう。

21日付の以下のカナダの医療関連サイトも、
この法文によって個々の医師はrationally foreseeableの定義に悩むことになる、と指摘している。
http://www.cmaj.ca/site/earlyreleases/21june16_doctors-left-to-define-foreseeable-death-in-new-law-cmaj.109-5293.xhtml