WA州の「尊厳死法」 処方は2倍以上、死者は3倍以上、未使用の致死薬トラッキングなし

Richard Eganというブロガーによる、
これまでのWA州の「尊厳死法」の利用状況の分析を
プロライフのニュースサイトが再掲しているのだけれど、

その中に、前のブログから私も指摘し続けていた
「未使用の致死薬のトラッキング」がされていないことへの疑問が含まれている。

それによると2009年の施行からこれまでに936回分の処方があり、
そのうち、使用済みと報告されているのは71%の651回分のみ、とのこと。

Egan氏の分析では、それ以外の285回分は地域に存在し、
偶発的にあるいは意図的に用いられて死を引き起こす可能性がある、と。

処方されて手元に持ったままの人も多いのだろうと私は思うけれど、
処方された薬を飲まないまま亡くなる人も一定数いるので、
ラッキングがなければ、一定回数分の致死薬が
悪用されかねない状態で地域に存在する、というのは事実。
(WA州の年次報告を見れば人数も把握できるはずですが私は余裕がないのでパス)

その他に、Egan氏の分析のポイントは、例えば、以下。

・処方件数は、2010年の約87件から2015年の213件と、2倍以上に。

・同法下の自殺者は、2010年の51人から2015年の166人と、3倍以上に。

・医師が処方箋を書いた患者の13%が、治療費をめぐる懸念を口にしていた。

・処方箋を出してもらった患者の中で精神科医に紹介されたのは4%のみ。

・処方箋を書いた医師が患者を25週以上前から知っていたのは51%で
 中には、患者と知り合って一週間も経たないうちに処方箋を書いたケースも。

・処方箋を受け取ってから6カ月どころか数年後に飲んで死んだ人も。
 (法律の要件では余命6カ月以内のはずなで、余命の誤診)

・2009年以降、致死薬を飲んだ場に医療職が不在だったケースが175件。
 医療職がその場にいたかどうか不明なケースが51件。
 併せて226件では、本当に本人が自分の自由意志で飲んだかどうか
確認されていない、ということに。

 
Washington State: Assisted suicide deaths increase by 31.7%. What about the complications?
Richard Egan
National Right to Life News Today, August 16, 2016