MagnusがJahi McMathは脳死だった、とシューモンもビデオも否定するインタビュー


植物状態は誤診されやすいが、
脳死の診断は誤診されることはない、

Jahi McMathもまっとうな脳神経医が診断すれば全員が脳死だと言った
アラン・シューモンだけが家族のビデオを見て、脳死ではないと言ったが、
ビデオではどんな工作がされているかわからないし、
映っていたのは反射にすぎなかった、と。

シューモンが、
変人かつ”困ったちゃん”の医者、という扱い。

でも、植物状態を誤診する医師が犯す過ちも、
意味のあるレスポンスを単なる反射だとみなすことによるのであり、

脳死が誤診されることはあり得ない」というのは、
あくまでも診断手順が厳密に守られることが前提。

米国では脳死診断の手順はきちんと守られていないという
調査結果があるはず。


マグナスの「脳死」をめぐる発言については ↓
https://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara2/63873423.html


【8月8日追記】
このエントリーを読んでくださった方からの頂きもの情報



Neurology. 2013 Dec 3; 81(23): 2009–2014.
Practice variability in brain death determination A call to action

診療録ベースでの調査で、脳死臓器提供ドナー226例のうち、
神経学的所見の診療録記載がある102例(45.1%)のうち、眼球頭反射79.6%、前庭反射65.9%、咽頭反射68.6%の実施率だった、など


JAMA Neurol. 2016;73(2):213-218
Variability of Brain Death Policies in the United States

米国の臓器提供施設の施設判定基準の調査、508か所のうち、
脳死判定を神経内科医や脳神経外科医が行うこととした基準は33.1%だった。
低体温や低血圧を除外項目に入れていないものが目立った。

〇日本
脳死・脳蘇生」30巻1号
「救急・集中治療において臓器提供を前提としない脳死判定と患者対応の現況について」
埼玉医科大学総合医療センターの荒木尚、日本医科大学付属病院の横田裕行ら


【目的】
わが国では臓器提供を前提とした場合においてのみ、脳死をもって死亡宣告が可能となり、脳死判定は臓器提供のために行われる医療行為という印象が強い。
一方、臓器提供を前提としない一般の脳死判定は死を意味せず、その判定にも具体的な定めはない。
【方法】
一般的脳死判定の現状を把握するため、全国5類型施設を対象としてアンケート調査を実施した。
また予後不良が示唆される患者の医学的評価や家族説明についても調査した。
【結果】
5類型850施設にアンケート調査票を送付、209施設より回答を得た(回答率24.5%)。
回答施設の64.8%では患者に対し「脳死である」と説明していた。
また42.5%が無呼吸テストを含まない施設基準で判定を実施、法的脳死判定に準じて一般的脳死を診断していた施設は30.8%であった。
15.8%は脳波・脳血流検査のみで診断していた。
無呼吸テストを実施しない施設の59.6%は家族説明や治療方針決定のためにはABRや脳波のみでよいと回答した。
家族には「脳死と診断された旨を正確に伝える」と54.1%が回答した。
【考察】
臓器提供を前提としない一般的脳死の診断はその基準が一律でないため、医学的評価の質にばらつきがある。
今後、終末期の判断根拠として照応される可能性を有する「一般的脳死」の診断の位置づけについて生命倫理の観点から再検討を行う余地があり、臓器提供を前提としない脳死判定を考える端緒としたい。

(ゴチックはspitzibara)