一方的DNRめぐるJanet Tracey訴訟で、「患者との話し合いが前提」

拙著『死の自己決定権のゆくえ』でも触れた
Janet Tracey 訴訟の上訴審判決が出ている。



私は読む余裕がまったくないですが、一応メモとして、判決文はこちら ↓
http://www.judiciary.gov.uk/wp-content/uploads/2014/06/tracey-approved.pdf


生命維持の差し控えと中止に関しては患者と相談することが前提、と
書かれているのだけれど、

この裁判で問題になっているのは一方的な生命維持の中止や差し控えではなくて
DNR指定だから、一方的な蘇生無用指定のはず。

ともあれ、
そこはfavorable judgmentというのだから、
いくら法的に最終判断は医師の権利とされているとしても
患者や家族に相談もせずに一方的に決めてはいけませんよ、という判決だったんでしょう。

久々に良いニュース。


【25日追記】
Popeのブログによると、
やはりトレイシー訴訟の上訴審の判決は
医師側にDNR指定の前に患者との相談を義務付けたもの。

それを受けて、Popeがこちらのエントリーで
米国ではその点は法律で義務付けられているし、
義務までいっていないTXとかCA州でも透明性は確保せよということになっているから
この点、米国では問題ないね、と書いており、

それに対して、コメント欄で医師と思われる人から
じゃぁ、なんで勝手なDNR指定が米国の医療現場でこんなに横行しているんだよ? と
ツッコミが入っているのが興味深い。