「死ぬ権利」を子どもに認めないのは国連「子どもの権利条約」違反?(スコットランド)


子どもの人権アドボケイトのTogether (Scottish Alliance for Children’s Rights)が
議員らに対して意見書を提出し、

国連の子どもの権利条約では
自分で意見を形成することが出来る子どもは
自分に関係するあらゆる事柄について自由に意見を表明する権利が保障されており、

子どもの意見はその年齢と成熟度に応じて
重視されなければならないとも規定されているとして、

現在の法案が16歳を対象者年齢の上限としていることに
見直しを主張。

終末期の状態は、
患者の年齢に基づいて差別的に訪れるわけではないし、
それなら医療だって差別されてはならない、とも。

それに対して、Wesley Smithは、
自殺幇助を一旦「権利」とみなせば、
それは万人にあてはまることになり、歯止めなどかけられないと
自分はもう20年前からずっと言い続けているし、

スコットランドでは成人の自殺幇助だってまだ合法化されていないのに
もう子どもに広げようという動きが出ているじゃないか、

自殺幇助アドボケイトは、
成人で他には苦痛を取り除く手段のない終末期の患者だけに限定だと
言っていたはずだが、あの約束は嘘だったわけだ、

この大嘘つきめらが!

と、ブチ切れ。

Push for Child Assisted Suicide in Scotland
Human Exceptionalism, June 17, 2014


死を思い通りにコントロールすることを「権利」とみなすのと同時に、

このチャリティの主張にはもう一つ、
PASは医療の一環である、という前提がある。

これら2つは、
このところ急速に世界中の「死ぬ権利」アドボケイトらが
例えば aid in dying などの表現によって、浸透させていこうとしている
概念の拡大、変質、変容の最たるものの2つ。

最初は「例外」だったはずのものが、
人は慣れて、それは必ずやルールになり、義務になる。

1994年に、それを予言したのはエゼキエル・エマニュエル ↓
Dr. Emanuel「PASに関する4つの神話」(2012/11/5)
「安楽死やPAS合法化は、痛苦の責を患者に転嫁する」と16年前にエマニュエル(2013/3/22)