英国で「働け」と言われて死者多数: 疾病給付見直し、障害者差別の疑いで国連が調査?:

2015年8月31日のメモで拾ってから、気になっていた話題。

労働と年金大臣 Iain Duncan Smith氏が
病気で働けない人のための手当の受給要件を見直し、
障害者の一部を対象から外して就労させるという新たな方針を打ち出して、
「障害者に対する新たな攻撃」だと批判されている問題で、

国連からInclusion Scotlandに連絡があり、
近く調査に行くので、その際には話を聴きたいとのことだった、と。

なにしろ労働と年金省DWPから
「働ける健康状態」と認定されたのち6週間以内に死んだ人が4000人を超えることが
明らかになったばかり。

1日の火曜日の同省の発表によると、
2011年12月から2014年2月の間に、
就労可能性アセスメントで仕事を見つけるべしと言い渡された
4010人が死亡。

うち1360人は、その決定への不服申し立てを行い
それが却下された後に死亡。

Inclusin ScotlandのBill Scot 氏は、

“Because disabled people are less likely to be in work, they are more likely to also be reliant on benefits which aren’t specifically for disabled people, but which are claimed by people on low income - like housing benefit and council tax benefit.

障害者は仕事についていない確率が高いですから、
福祉手当に頼っている確率も高くなります。
その手当てが、住宅手当や自治体の免税のように、
障害者だけに対象を絞ったものではなく低所得の人が申請するものだとしても、
そうなります。

“So if there are cuts to those, it affects disabled people disproportionately, because they are more likely to be on low income.”

なので、そういう手当てにカットがあると、
低所得である確率の高い障害者が、障害のない人人よりもはるかに高い確率で
影響を受けることになってしまうのです。


2013年にも、UNの調査官が英国政府に対して
いわゆる「寝室税」を撤廃するよう述べたことがあった。



アセスメントで就労可能とされた後に死んだ人の統計について報じた
8月27日の記事では「2600人以上」となっているのですが、
なぜか3日の記事では「4000人以上」に増えています。
http://www.huffingtonpost.co.uk/2015/08/27/benefits-death-claimants-welfare-ids_n_8047424.html?utm_hp_ref=iain-duncan-smith




2月には、2ヶ月間ずっと昏睡状態のSheila Holtさんに
仕事を探すよう促す通知を出したとして、大臣が謝罪した事例も。

(タイトルではこう読めるんだけど、記事本文を読んでみるとそうじゃなくて、

双極性障害で16歳から働けないままトラウマ体験を重ねてきたSheileさんに
「働ける健康状態」というアセスメントがされて就労支援プログラムに参加を強要され、
昨年末、躁病エピソードで入院した際に心停止を起こし意識不明に、という事情のようです)