ES細胞普及へ…廃棄前の受精卵で作製、再生医療に新たな選択肢(日本)


京都大は22日、医療用に使えるES細胞(胚性幹細胞)の作製に国内で初めて成功したと発表した。7月頃から全国の医療機関などに提供を始める。

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人のES細胞は京大が2003年、国内で初めて作製に成功したが、受精卵を壊して作るため倫理的な課題があるとされ、国は使途を基礎研究に限定。治療には使えなかった。

 海外で研究が進んだことを背景に、国は14年に新しい指針を策定し、医療用ES細胞の作製も認めた。

 これを受け、京大ウイルス・再生医科学研究所の末盛博文准教授らのチームは昨年に国の承認を得て、今月7日に作製した。ウイルスなどが混入しないよう厳格に管理した施設で作製したため、基礎研究用より、人に移植する際の安全性が高いという。

 今回、不妊治療で使われずに廃棄される予定の受精卵を夫婦の同意を得て譲り受けた。提供した足立病院(京都市)の畑山博院長は「受精卵が廃棄されると悲しむ夫婦は多い。治療に生かされるのなら夫婦も喜ぶだろう」と話した。

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